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No.1 Vol.5 2003年12月号 ダーツを科学的に検証しましょう

 こんにちは、読者の皆さん。私は杏林大学医学部で解剖学教室に在籍します白石尚基(しらいしなおき)と申します。

 解剖学というと、読者の皆さんの多くは、当然「ひとの体を切ったり剥いだりする」といった、グロテスクなイメージをもたれることが多いようですが、いかがですか?

 確かに従来ながらのそういったイメージがあることは否めませんが、最近の大学教育では、読者の皆さんもよく目にされているであろう、MRIやCTといった画像の解剖や以前は不可能であった動きといった時間的な流れを加味した運動解剖もreal time MRIで解析されるようになり、こういったクラシカルな領域にもコンピュータ進歩が及んできて、少しずつ様相が変わってきています。

 もともと私は整形外科や形成外科を専門としておりましたが、現在は大学で教育や研究にたずさわっています。

 私が興味を持つ領域は骨や筋肉、腱などのいわゆる運動器やそれを動かす神経を含めた領域です。今回から始まる「ダーツを科学する」という連載は、こういったスポーツ医学的の肉体面だけでなく、ダーツを投げるときの清心統一、といったスポーツ心理学的な話にまで話題が進み、読者の皆さんの日ごろの楽しみのちょっとしたすぱいすになればよいなと考えています。

 何回まで掲載されるかは読者のかたがたの反響によるのでわかりませんが、よろしくつきあいの程お願いいたします。

 さて、かく言う私もこういった機会をいただくまでは、単なる話題として、または映画の一シーンとしてしかダーツに関しては存じ上げず、どうやってやるのか、どういう風にして点数をそって競技するものなのかもまったく知りませんでした。

 そういう私に、降って沸いたような、ダーツを科学する?!という表題での原稿依頼がきたときには、内心かなりあせってしまいました。平成を装っていたけどかなり狼狽した私に、ダーツライフの編集部のかたがたは、親切丁寧に取材、写真撮影などのご協力に応じていただき、またダーツの楽しみのホンの一端をご教示いただき本当に感謝しています。紙面をお借りしてお礼申し上げます。

 今回、まったくダーツを投げたことも、触ったこともない初心者の私をソフトダーツに導いていただいたのは大田区蒲田のBLUE ROOMというお店です。早速個々のマスターの鶴さんをご紹介いただき、ダーツに関しての簡単な歴史、ソフトダーツとハードダーツとの違いなどのレクチャーをいただきました。その後早速投げ方に関して指導を受けました。

 今回は、マスターにご指導いただいた内容を元にマスターのダーツの投げ方を連続写真にして、さらに触診?(怪しい触診ではない)をして、投げる瞬間の筋の緊張度合いなどを確認してきました。

 私自身が始めていろいろ経験させていただき、いわゆる、へええ(トリビア風に?!)と感じたり思ったりした事柄のほとんどは、ダーツライフの読者のかたがたには、何をそんなことでいまさら、とお思いの方が多いと思いますが、そこはダーツ初心者ということに免じてどうかご容赦ください。

 

 さて、ここからは観察記録から。

 まず、投げるときには上半身はほとんど動かない状態でした。事前に読んでおいた「Let’s play ダーツ」(坂本一郎監修)にも同様の記載がありました。また、ダーツとボードの線、つまりスローイングラインが一直線上になるように肘関節と前腕だけで投げるという状態でした。「あ、基本どおり」という感じの投げ方をマスターはされていました。

 さて、ここで、大変基本的なお話をしておかないといけません。

 なぜ、筋肉は動くか?ということなんですが、図1をご覧ください。筋肉は神経がきていることによって始めて自分の意思に沿った運動が可能になります。この自分の意思に沿った運動というのを随意運動(ずいいうんどう)といいます。

 図1にはその末端部分の拡大図を示しました。この神経と筋肉の間には神経筋接合部(neuromuscularunit;NMU)という神経の命令を筋肉に伝える特別な構造物があります。この神経末端から出るシナプス小胞の中にはアセチルコリンという化学物質がふくまれていて、これが情報伝達という役割を担って神経の情報を筋に伝えるわけです。

 いきらり話が難しすぎますか?最近。いわゆる老人がぼけるときにも脳の中のアセチルコリン関与しているということで、名前を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

  では、次にダーツを投げるときのことを考えてみましょう。

 まずダーツを持って肘を曲げて構えますね(図3)。

 このときに使う筋肉は、主にカコブの筋肉である上腕二頭筋という筋肉が収縮することで肘関節が曲がります(図4)。

 では、読者の皆さんもご自身で筋や骨を触ってみてください。力こぶの筋である上腕二頭筋を触れましたか?触れましたらその筋肉の深くに骨が触れるでしょう。この骨を上腕骨といいます。この上腕骨に対して上腕二頭筋の反対側に位置する筋肉があるのがわかりますか?

 この筋は肘関節を伸ばす筋で上腕三頭筋といいます。肘を曲げて、ダーツを投げる構えをしてみてください。そのときは上腕三頭筋は縮んでいます。

 

今度はダーツを投げたときを想像してみてください(図5)。

 ダーツを投げる直前まで収縮していた上腕二頭筋は、徐々に緩んでいき、逆に反対に位置している上腕三頭筋が強く収縮していきます(図6)。

 このとき、上腕骨を中心に上腕三頭筋と上腕二頭筋はお互い、一方が力が入ると、い法が緩む、という関係にあり、スムーズな間接運動を行えるわけです。こういった筋肉同士の関係を拮抗筋(きっこうきん)といいます。こういった関係は手首のスナップを利かせるために、ダーツを投げる直前のときと投げきったときの前腕の筋にもいえます。

 つまり、手の甲側にある前腕の筋肉は、ダーツを投げる前には手首をそらせるので収縮していますが、てのひら側の前腕の筋は緩んでいます。

 一方、ダーツを投げきった時には手首を曲げるので、手の甲側の筋は緩んでいますがてのひら側の前腕の筋は収縮しています。ここにも拮抗関係が見られるわけですね。こういった拮抗筋同士の関係がうまくいかなかったらどうなるでしょう。

 たとえば上腕三頭筋も上腕二頭筋も共に収縮させてみてください。

 とてもスムーズな関節運動はできず、固さの目立つ、突っ張ったようなぎこちない運動になってしまうことでしょう。ダーツを行いえるのも筋肉と関節(骨)と神経が微妙な調和を取っていてくれるからこそ楽しく行いえるのでしょうね。

 

 では、次回はこの肘の動き、とくに上腕の筋と肘関節について、連続写真などを用いながら見てみたいと思います。ではまた来年、お目にかかりましょう。少し早いですが、読者の皆さん、よいお年を。

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