Special Person Interview

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ダーツのスタイルは真面目に真剣に… vol.34 2008年11月 谷内 太郎 世界を目指したい

練習時間は?

 2時間程度ですね。気持ち的には3時間は投げたいんですけど、なかなかできません。

 

練習はソフト、ハードどちらですか?

 ハードの練習をもっとしたいんですが、ソフトのトーナメントが多いので、どうしてもソフト中心の練習になってしまいます。家にはハードボードも掛けてあるんですが、ハードだけの練習時間は一時間がやっとですね。

 

練習方法は?

 修正したいところを中心に、入る入らないじゃなく、まずその動きができるかどうかを確認してます。主にトリプル周りをやり、それがある程度固まってきたらブル、最終的にはダブルの主要で上がれるところを安定させて、といった流れの練習です。一番気をつけてるのはブル、60、トップ、32、そこの精度をより上げるということです。自分が入れたいポイントに確実に入ることを確認したら、それを基準に高低差を考え、上体を起こしながら狙うようにしています。でも時々行き詰まるのでPDCの選手のDVDを見て、研究しています。

 

練習で一番の課題は?

 肘ですね。インパクトの瞬間に動かないようにするにはどうするかが課題です。投げるときに肘の力がないと飛ばないというのはNGなので、ここがしっかり止まるようになると、もうちょっと楽に投げられるようになるんじゃないかと思うんですよ。今もトーナメントでは、いっぱいいっぱい投げれば飛びはするんですけど、勝負の場面になったときはこの投げ方では勝てないですね。大会では緊張もしますし、いかに肘の動きを止めて、楽に、そして確実に入れることができるかが勝負になってくると思います。
 あとはグリップですね。僕は浅く持つのは違うかなと思っています。箸をちゃんと持ったときにグリップに近いと思うんですが、浅く持って操作するのは難しいじゃないですか。ある程度真ん中を持った方が安定する、その感覚はすごく大事じゃないかと思います。

 

PDCのプレイヤーなどの投げ方を見ると、テイクバックから回転させて投げている選手がいますが、これについてはどう思いますか?

 これについては賛否両論あると思いますが、日本人のプレイヤーは、回転がない方がいいという人が多いですよね。確かに回転がなければきれいに飛んでるというのもありますし、直進力を出すためにある程度の回転をかけてる人もいるので、どっちが正しいかは難しいでしょうね。
 僕はすごく良いときはテイクバックのときに回ってるんで、回転する方がいいのかなと思いますが、それは僕のスタンスなので、その人なりでいいんじゃないでしょうか。でもきれいに回転する人は手離れもきれいですよね。

 

一年を通してトーナメントに出場していますが、調整方法はありますか?

 ソフトの大会が近い時はソフトを投げます。ハードの大会はあまり日本では多くないですが、PDCが近くなると、その3週間前くらいからはハードしか投げてないです。基本ベースはハードで投げていたいというのはありますね。
 ぱっとボードを見た瞬間に「行ける!」と思う環境にしておかないと、不安がミスにつながってしまうじゃないですか。その不安を取り除くためにもボードに向かっていたいと思います。小さいボードに慣れておけば、大きいボードならなんとかなるかな、と……。
 でもそれで注意力が散漫になってしまって、ミスしたりもするんですけど……。


試合の前日は?

 早く寝たいとは思うんですけど、ダーツバーにいたりするとつい遅くなって、睡眠不足になってしまうこともありますね。海外に行った時は時差ぼけもあって、ほとんど眠れないこともあります。でも、前の日になっていろいろ考えても、一日でどうこうなるものでもないので、「まぁどうにかなるさ」くらいにしか考えないようにしています。不安はつきものなんですけど、不安がっていてもしょうがないですしね。

 

トーナメントの時にお酒は飲みますか?

 なるべく抑えるようにはしてるんですけど、基本的には好きなんでしょうね、つい飲んでしまいます。肝臓のこともあるし嫁も心配してるので、気にはしてるんですが……。大会のときはいくら飲んでも酔わないので、ストレスのあるときなんかつい飲みすぎちゃいますね。
 自分で自分のことを客観的に見てみると、お酒を飲んでないときの自分はちょっとおとなしすぎるんじゃないかと思うんです。なんていうか、いつも周りに気を使いすぎてるような、常にいろんなことを考えすぎてる気がするんです。お酒を飲むとそんな部分がとっぱらわれて、より楽しくなるような気がするんです。豹変しちゃうわけじゃないけど、普段キレるなんてことは絶対なくても、大会で負けるとキレて誰かに愚痴ってたりする。自分でも心配になることもあるんですが、でも、ダーツにはそんな勢いも必要かなと思うんです。もっと大胆になって、強気、強気で押すことも、勝つためには大事なことじゃないかと思うんです。
 海外に行ったときなどは特にそうで、他のプレイヤーに話しかけられたりすると、言葉ができない自分にコンプレックスを抱いて「だめだなぁ」と思ってしまうんですが、お酒を飲んでると「話せないんだから仕方ないじゃん」みたいな大きな気持ちになります。こういう強気もダーツに作用するんじゃないかと最近は思うようになってきました。

 

何を飲んでますか?

 ほとんどビールですね。たまに体のことを考えて焼酎にするときもありますが、これはホントに気休めですね。

 

ダーツの魅力は?

 飽きないということが一番ですね。いくらでも上を目指せる、まだ倒したい相手がいる、そんなことでワクワクすることが多くて、自分自身何かを目指して成長していけるのは楽しいです。
 ダーツは何があるかわからない、調子良くても勝てないし、逆の場合もありますよね。そういうメンタルと技術のバランスを、どうやったらフィル・テイラーのように保てるのか、フィル・テイラーはその答えを知ってるから、その試合によっていろんな挑み方があるんだろうと思うんです。
まだまだ先ですけど、それを目指して努力していくのは僕にとってとてもやり甲斐のあることです。

 

他のスポーツは?

 最初は卓球をやってました。そのうち身長が伸びてきたんでバレーボールを始めました。大学でもわりと真剣にやってたんですけど、いくら身長が高くても、それまで本格的にやってきた選手にはかなわなかったです。この時、スポーツでより上にいくのにはどうしたらいいのかを勉強させてもらいました。やっぱり一番の上達の条件は「そのスポーツが好き」ということなんですよ。好きだからこそ一生懸命練習するわけで、「やらなくちゃダメ」じゃなくて「気が付いたらやってた」ということが大事だと思います。厳しいだけじゃ続かないですよね。

 

TARO ダーツテクニック

スタンスは何を気をつけてますか?

 基本は自分の体がボードに対して垂直になるようにしています。そうすれば垂直にしかなげられないので、そのイメージを意識しています。

 

肩は?

 肩の位置は狙うところを目指してます。例えばブルを狙うのなら、肩からブルを狙うようにセットアップします。肩が違う方向を向いていると上手く作用しないですね。

 

フォロースルー

 ターゲットに向かってしっかり手が伸びてることが理想です。

 

テイクバックは?

 浅い方がいいと思います。最近できるようになってきたんですけど、長いと戻ってくるときに多少のズレがあるので、浅めをキープするようにしています。

 

リズムは?

 リズムは本当に大事です。まず3投、次6投、9投、とそのリズムが狂わなければたぶん同じに投げることが出来るんだと思うんです。リズムイコール緊張具合などに左右されるので、いいリズムを作るのは見よう見まねの場合もあります。海外では、相手がいいリズムだったらそれを追いながら、それに自分のリズムを合わせるようにします。

 

ダーツの飛びについて

 きれいにこしたことはないと思いますし、僕もそれは求めたいとは思いますが、人それぞれでいいんじゃないでしょうか。例えばフィル・テイラーにしても、きれいだけど独特ですよね。だからあまりにもきたなくなければ、ダーツの重さに力が乗ってちゃんと進んでいれば、それで間違いではないと思います。ダメなときは、離した瞬間に力ばかりが入っちゃって、ダーツの重さを感じてないと思うんです。そうならなければ多少の癖は問題ないと思います。

 

精神統一についてはどうですか?

 あわてないことを心がけるしかないですね。試合に挑む前も「大丈夫、オレは入るんだ」と自分を落ち着かせるように精神統一して、試合中に不利な場面になった時も「落ち着いて普段通り投げれば大丈夫」と思い込む。不安イコールあわてる結果になってしまうので、とにかくあわてないようにすることが大事です。

 

190cmの長身から投げおろすダーツは迫力満点。ビッグタイトルをいくつも獲っているように、誰もが認めるトッププレイヤーだ。しかしトーナメントで後ろからゲームを見ていると、スローは何となくまだ固すぎる印象を受ける。本人が「リズムが本当に大事だ」と語っているように、彼にとってもそれは大きなテーマなのだろう。またダーツの離れる瞬間についても相当研究していたが、確実にダーツはより深い問題に対して考え始めている。こんな課題を克服すると、一皮むけて、世界へ羽ばたくプレイヤーになるのだろう。それは言わずと知れたPDCの舞台だ。心待ちにしている。

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