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ktm01、かつみ、小田川 克己、バレルデザイナー、deepit、ダーツプロデューサー

No.1 2011年11月 日本ハードダーツの観客としての楽しみ方

 この会場に足を運ぶのは、2008年のburn.JapanTour GrandFinal以来。
 エントランスを潜ると、会場周りの喧噪が嘘のように遮断され、時間がゆっくりと流れているような空間。実際には、これから「たった一席」を賭けた戦いが繰り広げられる会場なはずなのに、この会場の持っている空気感は相変わらず。
 この会場に「観客として」来場するのは初めてなので、なんか座り心地の悪い椅子に座らされているような感覚で落ち着かない(笑)。
 ここは変に「無理に観客」として観戦するのではなく、「この会場で大会を行ってきたプロデューサー時代」に戻って観戦しようと、せっかく大会側に用意して頂いた席には座らずに、いつも大会進行を眺めていた場所、会場内の通路で観戦することに。うん、この場所はやはり落ち着く。
 試合の展開や感想は、僕以外の方々が多く語っておられるので割愛します。僕が気になったのは、「日本ハードダーツの、観客としての楽しみ方」。これからは、「超私的」な意見ですのであらかじめご了承頂きたい。

ハードダーツ。
 日本のソフトダーツブームは、海外諸国から観ると「異常」的な盛り上がりをみせていると言って過言ではない。
 海外でも、ソフトダーツの大会は各地で行われているとは言っても、「海外でのハードダーツ」のプライオリティにはほど遠い。これが日本だと全くの正反対で、ハードダーツは「ダーツ」という狭いカテゴリの中でも「マイナー感満載」なのは否めない。

何故か?
 正直、国民性から言っても「マナー」や「様式美」という理念がDNAに組み込まれている日本人。それを鑑みると「ハードダーツの魅力」に共通項が多いはずなのに、何故かいまいち盛り上がりを見せない。
 まぁ「第二次世界大戦以降のアメリカ文化の流入」から考えれば、ソフトダーツの方が先に爆発的に流行るのも当然かもしれないし、ソフトダーツという「カラオケ」「飲み会」等既存の夜の過ごし方に、新たなナイトアミューズメントとして、「夜の遊び方の選択肢」にスッポリハマることが出来たという要因もあるだろう。
 ボードを掛けて、フィーとして500円程度しか実入りのないハードより、置いておくだけで賽銭箱の様に100円玉が入るソフトダーツマシンの方が店にとっても魅力的であるのも当然。

でも、僕の感じ方は少し違う。
 海外から送られてきた遊び・食事・文化を、ほぼ確実に「日本流」にアレンジし、成功してきた日本にとって、ハードダーツは「アレンジミス」しているのではないかと。
 例えば、一番関係の近いソフトダーツは、先に述べたように「日本流スタイル」を確立させて海外のダーツ関係者も常に動向をチェックしている「潤沢なマーケット」になっている。それは10年前は見向きもしていなかった海外のダーツブランドが、今更「日本向けモデル」としてマーケットに流入しようと躍起になっている所をみれば一目瞭然。
 その中でもTARGET社はいち早くOEMをオープン化して、一時期は「表向きは日本のブランド」としながら、国内ブランドの85%がTARGET製という状態を作った。(その経緯から、TARGET社を通じてPDJが設立されたわけで、現時点で最も日本のマーケットに馴染んでいるのはTARGET社かもしれない。)
 然し乍ら、その「本場イギリス」からマーケットに入り込んでいるTARGET社さえも、メインマーケットとして観ているのは「日本型ソフトダーツ」のマーケット。これは「ビジネス」の観点から鑑みれば当然ではあるかもしれないが、それほどに日本のソフトとハードの格差というのは開いているということ。

PDJの会場で観戦している間、ずっと感じていた「違和感」は半端ではなかった。
 イギリス流の本場スタイルで応援しようと仮装している観客もあれば、日本のアイドルのコンサートさながらに日本流の応援をする観客。そして多くは、「クラシックのコンサート」に来ているような静かな佇まいで、ステージに真剣な眼差しを向ける観客。
 どの楽しみ方が正解とか不正解とかではないし、各々が楽しんでいれば、どのスタイルでの楽しみ方も良い。ただ、この中で一つの不確定要素が違和感を生み出していた。
 それは「投げる時には静かに、投げ終わったら次の選手が投げる前に大きく応援してください」という明確に決められていないSTOP AND GO。
 ソフトダーツの場合、マシン自体が音を出すという特性が、ハードダーツよりもかなりハードルを低くしていることは明確であり、それが良い形でのSTOP and GOのキッカケになっている。
 本場PDCでは、国家歌っている連中もあれば、試合そっちのけで大声でプレイ中に話し合っている連中もいて、然し乍ら一度ビッグプレイが飛び出せば、何千という賞賛がステージに向けられる。勿論、「マナー」の判断基準をどこに置くかで、これも賛否両論ありますが一つの手法であることは確か。
 日本にそのまま本場の雰囲気を持ってくるのは、逆にミスマッチ感が激しい。そもそもそういう環境で育てられたわけではないので、本場っぽくすればするほど楽しみ方が分からなくなってしまうかもしれない。この「観客のカオス的雰囲気」を打破するのが、今後の日本ハードダーツの大命題であり、ここをクリアしなければ「ハードの試合を観てみよう」という興味を引くにはほど遠い。
 ソフトダーツだって、シーンと静まり返る会場をどうやって暖めるかを必死で考え、選手は勿論の事主催者も様々な知恵を練ってきた。
 単純に、アレンジに対する知識・海外ダーツ事情への感心が高い観客を増やせば良い事などと、気の長い話をしていては流石に主催者側も赤字続きの大会運営を継続する事は困難になることは容易に想像出来るし、これまでの様に敷居の高いと思われているハードをより取っ付きにくいジャンルにしてしまう可能性もある。
 PDJの装飾や一連の進行に問題があるわけでもないのだが、今最優先で重要な「どうやって観客を楽しませるべきなのか」というミッションに対して曖昧さが見え隠れして、その曖昧な部分が、観客誰もが感じたと思われる違和感に直結してしまっている。
 これは、ハードダーツに関わっている多くの主催者及び団体の「永遠のテーマ」化してしまっている問題であり、何もPDJだけというわけではない。
 普段からのハードリーグや、その他の大小の大会、そしてこのPDJ全体で早急に方法を見いださなければならないミッション…。
 どの団体が云々と派閥抗争を繰り返している様では、この先も日本のハードダーツというものは日の目を浴びないジャンルになってしまい、ファン層の拡大はあり得ない。
 例えば、プロ野球の試合を観に行ったならば、野球のルールを知らなかったとしても会場の圧倒的な大きさであったり、都会ではなかなか観る事の出来ない緑(実際には人工芝だったとしても)であったり、沢山のお店や売り子、そして何と言っても所かまわずの応援を聞いているだけで、その人の気分は「非日常」から解放されて高潮する可能性が高い。
 ボードの前で、そんなに動く事はなく刺さった場所によって大騒ぎしなさいというのは、かなりのハンデを元々背負っているにも関わらず、「この盛り上がりが分かる様に観戦してください」と手放しでインフォメーションされても、どう楽しんでよいのか分からない。
 このハンデをどうやって克服するかは、僕にだって現時点では全く以て糸口を見つけられていない。しかし、「選手vs選手の勝ち負け」だけに着眼点を置き、とにかく勝負をドラスティックにする為であれば、いますぐ出来る事は沢山ある。
 ルールがよく分からなくても「あぁ、この選手とこの選手は強いんだな」とか「この選手は、この選手に勝った事がないんだな」という情報を、「わかりやすく」しておくことが、ファーストミッションなのかなと。事前に多くの情報を興味を示していないユーザーに対して目につきやすい場所にインフォメーションをしておくのは、今でも十分に出来る事。
 今だってアベレージやチェックアウト率という「コアなプレイヤーしか興味を示さない数字」はしっかり情報として乗っている。しかし、全く理解していない人からすれば、アベレージやチェックアウト率等の数字は「何かの暗号」くらいにしか見えないでしょうからね(笑)。

「もっと分かりやすい何か」。
 出場する選手のプロモーション効果を大きく行う事により、選手のバックボーンが垣間みえると、日本人は突然応援したくなったりするものだし、試合後も「アフターケア」も忘れずに行えば、その大会の翌年への期待値も高まる。
 これが出身地でも良いし、プライベートでもなんでも、「選手との共通点又は共感出来るポイント」を提示する事で、その大会への求心力が高まる。へんな話、この逆で「どうしても共感出来ない」でも構わない。それで、その選手のアンチになったとしても、とにかくその人の求心力を掻き立てれば、この際良しとしなければならない。
 大会主催者側は、現在考えられる限りのマスを使用して、大会前と大会後のプロモーションをしっかりと行う必要性がある。この大会後のプロモーションを行わないから、抜きん出て評価される大会がないと思うのは、企画のプロが観れば明らかな手抜きと言わざるを得ない。麻雀でいう「流局」的扱いにされてしまっている大会の多い事。
 とにかく、まず大会前に興味を示してもらい、「生で観てみたいな」という気持ちになってもらって会場に足を運んでもらう。
 そして、会場内で「一切音を立てるべからず」的な緊張感を取払い、試合中も選手が気にならない程度に薄く音楽を掛けておけば、観客もグラスを置く時や、座る位置を変えるたびに一々緊張する事もなくなるし、選手のビッグプレイに遅れずに声援も賞賛も送りやすいはず。
 会場外での何かしらの簡単なイベントや、飲食でのおもてなしも「これしか出せない」のではなく、「これを出せば喜んでもらえる」というホスト的要素を重点に置いて、細かい部分での「気配り」を積み重ねて行く事が、その翌年の動員数や注目度に繋がるのではないだろうか。

 

ビジネス的な戦いは、資本主義社会の上では必要不可欠。
 でも、片手で殴り合っていても、片手は業界の為に手を繋いでおくことがこの先のハードダーツのみではなく、「ダーツ業界の展開」として大きくなる。
 選手のスーパープレイを多くの観客に魅せられる様に、そしてその選手の1勝がもっと意味のあるものになれば良いのになと、治樹の優勝シーンを観ながら思いました。
 来年のPDJに期待しています。

DARTS MANIAX
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