Player Interview

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Vol.22. 2006年11月号 佐藤 敬治 お手本にしたい真のトッププレイヤー

ダーツとの出会いは?
 ダーツを初めて投げたのは19歳の時、もう20数年前のことです。千葉から東京に来たのですが、一緒に来た友人が「おもしろいものを見つけた」と江古田のお店に連れて行ってくれたんです。当時はソフトダーツはなかったので、そこはハードが1面あるだけの小さい店でしたね。その時は東京にまだ友達がいませんでしたが、その店でダーツを通じて友達が増えていきました。ダーツを置いてある店はまだ数件しかないという時代でしたから、どのプレイヤーも始めたばっかりで、ほとんどが同じレベルでどんぐりの背比べ状態、差がなかったからよけい楽しかったのかもしれませんね。ダーツで友人の輪が広がる、それを身をもって学ぶことが出来たのが、今もダーツに関わっていることと大きな関係があると思います。

ダーツの団体などは?
 JDAとJFDに所属していました。その店がJDAに入っていたので、そこでリーグ戦を経験しました。その後、池袋の店に移って、そこで20年くらいスティールダーツひたすら投げてましたね。いやあ、思い出すと懐かしいな。

 

その後ソフトダーツが急激に増えてきましたが、その頃はどう思いましたか?

 初めてソフトを投げたのは六本木のモンキーズでしたが、あまりの派手さに驚きました。女の子はたくさん投げてるし、あの音や、プレイヤーの盛り上がりもすごい。まるでゲームセンターで投げてるような感覚で、ソフトダーツってこういうものなんだ!!と内心ショックを受けましたね。ハードはシーンとした中で黙々と投げる、いわばオタクの遊びみたいなイメージでしたから。その驚きは例えようもありません。今のソフトダーツから始めた若いダーツプレイヤーの人には想像も付かないと思いますね。

 

ソフトを投げてみてどうでしたか?
 ソフトもハードもダーツに変わりないじゃないですか。今まで投げてたから、そこそこは入るわけですよ、そうすると周りがキャーキャー騒いでくれて、これはこれで結構楽しいじゃないかと……。ソフトは的が大きいし、初めはおもちゃみたいに感じました。大きくなった分、今まで以上に入って、最初はそれが嬉しかった、それが正直な印象です。でも自分が入るということは、相手も入るというわけですよね、そこにまたハードとは違ったおもしろさがありました。ハードは入らなくて当たり前、その分大きなチャンスがあったりするんだけど、ソフトは逆に入って当たり前で、チャンスがなかなか回って来ないんです。それは今も感じるソフトダーツの大きなプレッシャーになる部分でしょうか。

 

トーナメントは以前からたくさん出場していたのですか?
 ダートワールドに入る前はほとんど出ませんでした。仕事の関係で休日が不規則だったので、トーナメントにエントリーできなかったんです。ハードの大会は年に1〜2回しか出られませんでした。今は仕事もあって、ほとんど毎週のように出場しています。

 

思い出に残る試合は?
 特にこの試合というのはないですが、私の場合は決勝よりも、ベスト4、ベスト8などの決勝前の試合の方が覚えてます。決勝は舞い上がってしまって、あまり思い出に残ってないんですよ。そういえば、初めて福岡のハイネケンカップに出た時のことは覚えてますね。準決勝で北海道の小森さんと戦いましたが、これはバンバン決まってバッチリだったんですよ。それが決勝のジョニーとの対戦では、緊張して手が震えちゃってね、ボロボロに負けてしまいました。その時は後で小森さんにすごく怒られたんですけどね、そんなんだったら自分にやらせろと。
 私の場合は技術よりも精神的に弱いですね。20年も投げてると、こうすればここに入るということが感覚的にわかってきます。努力に努力を重ねてというのではなく、いつもどこか遊び感覚で投げてる方なので、精神的に崩れてしまうとダメなんです。トーナメントでは、人前に出るとどうもあがってしまって、それは今でも慣れない。緊張をほぐしたくてバカやって笑わそうとしても、最近のプレイヤーは息子みたいな年齢ですからね。なんかやりにくいんですよ。若い女の子達も「ケーポン、ケーポン」と慕ってくれて嬉しいんですけど「うちのお母さんと同じ年」とか言われるとがっかりしちゃいますよ。お母さんと話した方がいいんじゃないかってね。(笑)

 

海外の大会にもいろいろ行かれてますが、その印象はいかがですか?
 初めての海外トーナメントは2003年のラスベガスですが、ハイテク化を感じましたね。それからこの大会がダートワールドに入ったきっかけと言ってもいいんです。なんといってもラスベガスに連れて行ってあげると言われ、入社を決めたんですから…!?でもこの時は2〜3回勝っただけでほとんどボロ負けでした。香港は何回か行ってますが、初めて行ったときは、日本の3年くらい前といった印象でした。ブルシューターのシカゴ大会は歴史があるので、昔からのやり方を残していて、それがまた良かったです。でも外人選手の投げ方はめちゃくちゃですよね、基本的に入ればいいじゃないかという考え方。投げ方を気にするのは日本人くらいじゃないですかね。日本人のフォームは本当にきれいですよ。

最近の成績はどうですか?
 なかなか決勝まで残れないですね。最近は本当に上手いプレイヤーがたくさんいます。これだけダーツ人口が増えると天才的なダーツを投げる人もいますからね。

 

プレイヤーとして今後は?
 このままダラダラと負けっぱなしというのは嫌ですね。どうも今のレベルで満足してるところがあって、それじゃダメだなと最近感じています。今の若いプレイヤーの成長は驚くほど早い、ハードもソフトもあっという間に私レベルまで上がって来ちゃいます。そうすると自分の成長は止まってるなぁという感じがしますよね。私はここまで来るのに20年かかっているのですが…。
 今のプレイヤーは環境に恵まれていると思います。教えてくれる上手い人もたくさんいるし、雑誌や参考資料もいろいろある。私が始めた頃は、ほとんど独学で試行錯誤の連続だったけど、今はそんなことも少ないでしょう。スタートラインが違うんです。それから、目の前に目標があるということも大きなポイントじゃないかな。DVDなどでトッププレイヤーを身近に見ることができるし、自分にも決して夢じゃないと感じることができると思います。私達の頃は目標といえばイギリスのプロプレイヤーしかいなくて、そこまで行くなんてありえないことでしたから…。全くのビギナーがジョン・ローの真似をしてもそれなりに無理な話ですよね。なんであんなダーツが投げられるのだろうと不思議でなりませんでした。
 だから、そんな今のプレイヤーと戦っていくためには、10本中6本入ればいいじゃダメなんです。10本中8本入れるぞと自分の意識を上げることが大事だと思います。

 

ダートワールドと言えばダーツに熱いとして知られていますが、その中枢にいて目指すことは何でしょうか?
 ビリヤードやボーリングのブームは終わった後でも残っている団体があります。それはやることをきちんとやっていたからこその結果だと思うのです。今のダーツブームは今後もっと大きくなると思います。今は大手企業もどんどん参入してきていますが、ブームが去ったらきっとすぐ引いて

しまうでしょう。そうなった時には、地道な仕事をきっちりとやってきた会社や店だけが残るのではないでしょうか。


ダートワールドにとってきちんとやるというのは?
 まずはトーナメントを定期的に開催すること、これはプレイヤーの楽しみであり目標でもあるからです。そしてロケーションとの信頼関係を築くことが大事です。様々な形で店舗に還元するということは、お店がプレイヤーを育てる力になるわけですから。お店と共存しながら一緒にプレイヤーを育てていくというのは、とても重要なことだと思います。プレイヤーが飽きることなく、目標を持ってダーツを続けていけるように努力します。

 

今のダーツ業界についてどう考えますか?
 ハードダーツの場合はほとんどボランティアというか、お店もお客さんも手持ちが多くて、要はお金にはならない世界だと思います。でもソフトダーツはお金が絡んでくるので、ビジネスが生まれる。最初はルールがあっても、会社としてはどうしても利益を追求するわけですから、こうすればもっと儲かるみたいなことが起こって、そのルールが壊れ初めてしまうんです。ある程度は仕方ないことですが、これが進むと自分で自分の首を絞めるようになってしまう。今はまだプレイヤーもいるけど、そのうちだんだん業界が狭くなってしまうんじゃないでしょうか。これはダーツ業に関わってる者としても、プレイヤーとしても実に寂しいことですよね。もっと知恵を出し合い、真剣に業界の発展について考える時代が来ているのかもし れませんね。

 

ダートワールドグループとは?
 団結力、結束力のあるグループだと思います。本体が小さいのでまとまりがあって、まとまった時の力は相当強いです。全国のディーラーは皆顔見知りだし、何かあればそれぞれ協力を惜しみません。グループとしての方針が一貫しているので、自分だけ抜けがけしようとすることはないと思います。自分たちを守るのと同じように、グループを守ろうという意識が強いですね。信頼できる仲間というのはとても楽ですよ。

 

これからの活動予定はいかがですか?
 リーグ戦やトーナメントに力を入れていきますので、どんどん参加して欲しいです。参加してみて初めてわかる楽しみもありますから。初めて参加したプレイヤーが「いやぁ、昨日は緊張しました」と嬉しそうに話してるのを見ると、やって良かったなと思いますよ。

 

大がかりなトーナメントもスムーズに進行していますね?
 大きい大会は大変ですよ。プレイヤーも疲れるでしょうし、とにかく時間との闘いです。コントロールはパソコンは使わずに、トーナメント表に手で記入していますが、この方がミスが少ないようです。パソコンの打ち間違えは後で修正するのが大変ですから。人間が記入した方がまだ融通が利くんですよ、だからそのためのスタッフを増やしています。進行もだいぶ良くなってきましたが、もう少しなんとかしたいと思ってます。海外で開催されるような滞在型トーナメントなんていいですよね。余った時間があれば即席で新しいゲームが組めるし、なんたってプレイヤーの交流が深まります。夢じゃなく現実化したいですね。

 

プレイヤーのマナーについては?
 大人同士がやることなんだから、大人の常識を守ってれば問題ないと思います。ただ、お酒が入るので難しい時もありますが、人が嫌がることはしないという、最低のルールを守ってもらいたいと思いますね。これはトーナメントに限らず、プレイする時はいつも同じです。

 

ダーツを教える時に一番、重要なポイントと思うことは?
 手のひらの真ん中を狙う場所にぶつけるということ、それに尽きます。

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