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知野 真澄、大城 正樹

No.23 Vol.35. 2009年1月号 知野 真澄、大城 正樹 次世代を担うプレイヤー テクニックを語る 

グリップ

初心者の頃から今までグリップの変化はどうですか?
Oshiro
 初めてダーツをした時は、『鉛筆持ちで』と教えられてそうしてましたが、それでは投げにくかったので、中指をチップにかけるというスリーフィンガーに変えました。そのまま今まで変わってないです。

Masumi
 最初はいろんな人の真似をしてフォーフィンガーでした。だんだんもっとシンプルにしたいと思うようになり、でもツーフィンガーでは安定しなかったので、結局今はスリーフィンガーに落ち着きました。

 

グリップについては何を一番研究しましたか?
Oshiro
 持ちやすさです。おはしやペンなどを持つ時は自然と同じ持ち方になるじゃないですか。それは握りやすさもあると思うんですが、何度持っても無意識に同じ場所を持てるよう、絶えず同じ握り方ができるように考えてたどりついたのが今のグリップです。

 

グリップで何か悩みはありますか?
Oshiro
 特にはないです。投げる時の環境によって、汗ですべったりすることはありますが、そういう時は滑り止めを塗ったりと、状況に応じた対応をしています。

Masumi
 グリップに関しては特にないです。やっと出来上がってきたんで、ずっと変えたくないですね。

 

今まで他のプレイヤーのグリップは研究しましたか?
Oshiro
 最初はツーフィンガーが一番投げやすいのではないかとも思いましたが、自分はこの投げ方でいこうと決めてからは、特に誰かのを見て研究するようなことはしていません。

Masumi
 他人のを参考にすることはあまりないですね。もう人の真似をする時期ではないと思うし、それなら自分のグリップの完成度を上げるほうが大事だと思います。それも極端に変えるのではなく、試合や普段の練習の時に、少しずつより安定したものにしていきたいです。


スタンス

Masumi
 長時間投げていられるようにしたかったので、型をかちっと決めるのではなく、楽に立つようにしています。足は最初はいろいろ試したんですが、ラインに対して並行や縦に持っていくのは、どうしても身体を縦にいれたりするので、身体に無理があって疲れるんです。長時間の試合の中では疲れが一番よくないと思うので、今は自分にとって楽な45度に固まりました。
 僕はダーツを狙ううえで左足を舵にしてるので、なるべく曲げずにつっぱた感じにしています。例えば6だったら左に向いて、11だったら逆に右によるというように、尾びれのような感じで方向を変えています。右足は、ダーツの入り方によって時々は仕方なく動かすこともありますが、ほとんど完全に固定して左足だけを動かしてます。

 

Oshiro
 やはり長時間楽な姿勢で投げられるように構えてます。最初にダーツを教えてくれた師匠のスタンスそのままなんですが、結局それがたまたま合ってたのかもしれないですね。右足は45度というのは固定して、左足はそれに合わせて楽なほうに伸ばしています。自分の右足よりも身体が右に入らないように構えてスタンスを取ってますね。スタンスでは今まで特に悩んだこともなくて、とにかく楽に立つことだけを意識してます。
 15と16など距離の違うところを狙う時は、距離が同じになるように正面に立ちます。本当に入れなければならない時は立ち変えて、距離を同じにして同じ力で投げるようにしています。

Oshiro
 角度はボードに向かって垂直です。今は特に意識してませんが、これから上手くなるためには意識していかなくてはいけない部分だと思います。でも普段投げてる中では、こうしていこうとかあの人のがいいなどと意識したことはないです。

Masumi
 僕の場合は完全に力が抜けてるので、あまり決めてることはないです。その時その時にもよりますし、どちらかというと肘の方に意識を集中させてるので、肩に関しては自然に構えてますね。ちょっと前にのめってやや右上がりの感じで、完全に力は抜けてます。

 

Masumi
 例えば狙う場所がブルだとすると、最初に右目で合わせてその右目の線の上に肘をのっけてあげてる感じ、ダーツと肘と目が並行な状態できれいな三角形を作るイメージです。目とブルの三角形の中に、その三角形を入れる感じです。肘はダーツにおいて大事な要素で、痛めてしまうと固定もできなくなり崩れてしまいますよね。だから肘に関しては日常でも気をつけてます。よけいな負担をかけないようにしたり、投げる時わざと長めに持って負荷をかけるなど、なるべく鍛えるようにもしています。

Oshiro
 僕は肘はまったく気にしないですね。僕の場合はテイクバックをしない投げ方なので、テイクバックによって肘が上がったり下がったりすることはないんです。自分が狙いたいと思ってる場所に腕を伸ばしていくので、肘を意識するよりはまっすぐ伸ばすことを意識しています。過去に痛めることもなかったので、これといって意識する箇所ではないですね。

 

 


テイクバック

Oshiro
 昔はテイクバックしていましたが、今はノーテイクバックです。構えた位置からターゲットに向かってまっすぐに腕を伸ばすだけです。これならいつも同じ力で投げるだけというのか、テイクバックをするという動作がなくなった分、ひとつ無駄な動きが省けたという気がします。だから、これからもテイクバックなしでいきたいと思ってます。

Masumi
 一応引く場所は決めてて、なるべく短くしていきたいと思っています。テイクバックは1・2・3というリズムの中のものなので、その時によって長さが違いますね。基本的に引いてくる位置は一緒だけど、今日は長めに今日は浅くといろいろ試してます。試合の直前はなおさらだし、形は固めたほうが良いとは思いますが、ダーツを離す位置さえ変えなければ、長くても短くてもその人のリズムに合ってればいいと思います。

 

フォロースルー

Masumi
 僕の投げ方だとリリースポイントが結構早いので、離してしまってからはどこに向こうが関係ないというのはあります。ただ、リリースポイントの場所をきれいにしてあげるために、手のひらを下に向けたりはしています。伸ばしてる中指や人差し指が下に向くように投げられてる時が一番飛んでますが、それがグリップときれいに合ってるということでしょうね。
 今はリリースポイントを意識してます。引いてきて眼から30センチぐらのところで離し始めて、構えてた場所では完全に離してる状態にしたいと思っています。

Oshiro
 僕が一番に大事にしてるのがフォロースルーとリリースポイントです。フォロースルーについては右目の線上に最後まで手が残ることと、まっすぐ投げることを意識してます。リリースポイントは早くて、テイクバックもなく前に出した瞬間離します。フォロースルーが始まった時には、もうそこがリリースポインという状態ですね。

 


リズム

Oshiro
 僕にとってリズムの基本は早投げですが、別に遅投げでも構わないんです。これから僕が目指すのは、自分のリズムに相手が乗ってくるようなダーツをすること。そして相手のリズムが僕のリズムと同じになることが目標です。そうやって相手のリズムを崩すことができたら強いのではないかと思うんです。だから僕は、対戦相手によってリズムの速さを変えるようにしています。

Masumi
 3本投げるリズムを変えたくないので、そのためにスタンスを固定してます。僕は周りからよく「淡々と投げてる」と言われるので、それを武器にしようかと思ってるんですよ。3本投げるリズムを全く同じにして、まるで何もなかったように帰ってこようと……。いつかはガッツポーズもしてみたいと思うんですけどね。
 試合中は緊張もあったり集中もしなければならないし。自分の中ではその時々でリズムを作ってて、相手のペースに慣れてくれば、そこからは自分の中にいつもと同じようなリズムが流れてきます。できれば相手が速いスピードの人のほうがやりやすいですね。今はだいぶ慣れましたが、昔は相手のリズムがあまりにも長いと合わせるのに大変でした。

ダーツの飛び

Oshiro
 僕の場合は上から下へという飛びですが、暴れてるとすごい気になりますね。なるべく鋭く、ターゲットに向かって刺さるように、物を落すようなイメージで投げてますが、暴れてるとフライトに当ってはじかれたり、自分のリズムが狂ったりします。今までは飛びがあまり汚くなったことはないですが、もしそうなったらどうやって修正するかがポイントだと思います。
 右目線上に右腕をまっすぐ出すのがフォロースルーなので、それを意識した軌道になるようにしています。

Masumi
 飛びはなるべく弧を描きたくないですね。調子がいい時は山が小さいので、できるだけそう固めたいと思っています。軌道はとにかく直線で、目からそのまま直線に飛んでいってもらいたいです。

 

スティールダーツ

Oshiro
 僕にとってスティールはソフトとは全く違うもので、スティールを投げた後にソフトを投げると、感覚やタイミングがバラバラになってしまうんです。逆にソフトの投げ方でスティールを投げるとボードに届かなかったり強すぎたり……。それぞれに慣れるのに時間がかかりすぎるので、今のところスティールはあまり投げていませんね。

Masumi
 スティール歴は約2年です。始めた当初はダブルアウトがとても難しかったですね。スティールでダブルの練習をするとソフトの自信につながる気がします。きれいに飛んでいるかどうかがよくわかるし、集中力も養われると思います。ソフトのリーグとハードのリーグでは雰囲気が全然違いますが、より実践に近く練習できるのはスティールかなと思います。

練習

Masumi
 基本的にはブルが中心ですね。合ってない時はシングルキープやラウンドでダブル、トリプルとやってみたり、一つのことをやってると飽きてしまうので、自分なりに工夫していろいろ練習します。あとは相手がこう打ったら、と考えて仮想クリケットもします。
 練習時間は、できる時は休憩をはさんで3時間~5時間投げてます。ダーツを始めた頃は高校生だったので、夏休みなど時間のある時は一日8時間投げてる日もありました。

Oshiro
 同じところを狙う練習を自分が納得いくまで投げます。ただ投げるのではなくて自分の目線上にフォロースルーができているか、目線上でちゃんとリリースされているかを確認します。入る入らないはそれほど意識していません。
 練習時間は多くても一日1時間、少ないと30分くらいです。ダーツは精神的な部分が多くて2時間以上は集中できないので、このくらいが僕にとってのベストです。

精神統一について

Masumi
 今年からトーナメントにたくさん出られるようになったんですが、最初は一週間前から猛練習してましたね。でも最近は軽く合わせる程度で、明日試合だからばっちり練習するというのはなくなりました。それよりも前日を休みにしてコンディションを整えたり、食事をちゃんとしたりすることを大事にしています。
 会場では、僕は人ごみにいるのがあまり好きではないので、ひとりになれる場所を探してそこで音楽を聞いています。そうやって身体が堅くならないようにちょこっと隅の方で練習してるんですけど、あまりにテンションが下がるのは良くないので、そのために音楽を聞いてるんです。なるべくテンションの上がるような曲をチョイスするようにしていますね。あとはすぐ身体が冷えてしまうので、いつもパーカーなどを着るようにしています。

Oshiro
 精神統一というか、僕は道具を大切にしたいという気持ちが大きいので、大会の前は必ず道具のチェックをするんです。シャフトにヒビが入っていないかとかフライトを新品に交換したり、新しい気持ちで臨むようにしています。そうやって気持ちを落ち着けてますね。
 大会前は体調を整えることを意識しています。練習をするのも大事ですが、僕の場合はその日のコンディションを前日から作っていくことに重点を置いています。

 

編集後記

Masumi:こんなに綺麗なフォームの人がいるとは、と昨年に初めて連続撮影した時に思った。その時と比較するとちょっと右肩が動いている印象を受ける。しかしながらその反面、躍動感が増しダーツはダイナミックになった。進歩の過程にあるんだなとつくづく感じる。この選手、世界に通じる逸材だ。

 

Oshiro:構えて、と言うと既にテイクバックを始めたような位置に手がある。この動きはジョニーと似通っている。本人はテイクバックをしない、と語っているが連続写真だとしっかり同じ位置に引いている。リリースポイントは本人が指摘しているようにかなり早いほうだ。フィニッシュの最後の手の形も素晴らしい。

 

※写真撮影は苦労した。何と言っても表情が硬い。「笑ってください」という言葉に無理やりの笑顔。でもタレントじゃないんだから、このぐらいの方が良い。好青年という言葉がぴったりの本誌でも一押しの二人。

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