Special Person Interview

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浅野 眞弥、Palms

No.31 Vol.53. 2012年1月号 浅野 眞弥 25年間ダーツ界を見て来て 

ダーツに携わってから25年と聞いていますが、そのいきさつなどを教えて下さい。
 僕の小中学校からの同級生である野村律子がダーツの日本代表になったのをきっかけに、ちょっと一緒に遊んでみようよ、という感じで始めました。その後、別の同級生と一緒に目黒の『ブーリーブルズアイ』に行くようになったんですが、最初は壁に向かって黙々と投げるダーツってなんて暗いゲームだろう、「いい大人が何やってんだよ」みたいに思ってましたね(笑)。
 当時はJDOはなくてTDOができたところでした。律子はもう一つの団体JDAに所属していました。ある日どこかダーツ投げるところはないかなと、彼女に電話したらたまたま留守だったので、別の友達に電話してそのまま投げに行ったんです。その別の友達というのが偶然TDOに所属していて、その流れで僕もTDOに所属したんです。当時は携帯なんてないですからね。だからあの時彼女が電話に出ていたら、僕はJDAに入ってたんでしょうね(笑)。
 ブーリーブルズアイというのは、僕たちが通うようになる前は「ツタヤ」という、本当にダーツの草分け的な店だったんです。そこに行った時、ちょうどリーグ戦のエントリー受付をしていたので、僕が勝手にダーツをやりそうな仲間の名前を書いてエントリーしちゃったんです。それで地元に帰って「ダーツやるぞ」って声かけたんですよ。いささか強引でしたがね(笑)。で、初めてのリーグ戦の時に、ちょっとアキバ系?っぽいチームに負けちゃって、アクティブ系?の僕らとしては、もうそれが悔しくて……。それからですね、真剣に練習しだしたのは。気がつくと毎日8時間くらいは投げてましたね。
 その頃ゆかり(妻浅野ゆかりさん)も女子のチーム作ってて、たまに当たったりしてたんですよ。だから、ゆかりとももう25年くらいの付き合いになりますね。
 ダーツを始めて10年以上経ってから『パームス』を開いたんですが、そこそこ広さもあるのでボードも掛けたら、ハードのチームが何チームか来てくれましたね。そんな感じでなんとなくハードのお店、みたいな雰囲気になったんですよ。今から12年前になりますが、ちょうどソフトが出始めたので、とりあえず一台置いてみようということになったんです。最初は「なんだこんなおもちゃみたいなの」と、正直バカにしてたんです。でもしばらくしてソフトの面白さを知る時が来たんですよ。

 以前ハードを一緒に投げてた仲間に高口(ソフトダーツ初期時代のトッププレイヤー)がいたんですが、実家の九州に帰ってしばらくして上京して来た時に、「今すっかりソフトにはまってる」と言うんですよ。「一体どういうことだ?」みたいに思ったんですけど、投げてるのを見たらすごく上手くて……。でも内心「あんな広いんだから外しようがないだろう」なんて思いながら一緒に投げてみたらたまたまいい勝負ができて、彼は当時ソフトの第一人者のようなものでしたけど、「お前がトップじゃたいしたことないな」なんて冗談も言ったりして……(笑)。でも、投げてるうちに、これは的が大きいだけに外したら後がないんだと、なかなか緊張感があるなと感じたんです。これはただのおもちゃじゃないなと……。
 実はハードを始めて1〜2年の頃に僕はソフトの大会に出たことあるんですよ。その時はアメリカのチャンピオンチームが来て、日本と交流戦をやったんですけど、その時のダーツというのが、前も後ろもないホントにただの棒みたいなすごい軽いやつだったんです。ハードとは違うと思ったし、おもちゃ的な雰囲気に違和感があって、その後はずっとハードしか投げなかったんです。それが高口が来た時に、ちゃんとしたダーツがあるんだということを知って、それからですね、ソフトをちゃんと投げるようになったのは。

いろいろ歴史を重ねてこられたわけですが、そんな中で昨年の震災の時はどのような状況でしたか?
 僕の知り合いにも不幸があったりして、あの時はもうダーツどころじゃなかったですね。ただそんな中で、復興支援という形でダーツプレイヤーがあちこちでチャリティーをやったりしたのは良かったですね。今まで自分が稼ぐことが第一、自分の名前を売ることがなにより、と思っていたプレイヤーたちが、逆に自分の名前で役に立つことがあるならと、様々な活動を始めたことは素晴らしいことだと思いました。地震は本当に大変で悲しいことでしたが、たくさんある不幸の中で、ダーツ業界やプレイヤー達が復興に向けて力を合わせようとしたことは、良いことのひとつだったんじゃないでしょうか。

 

現在はディーラーもされていますが、今年は業界大編成の年になるのでは、という意見もありますが。
 そうですね。でも、ダーツ業界で実際大ゲンカしてるのかといえば、そんなことはないんです。今までと違うマシンやプロモーションも扱うという状態になったということです。これからも状況はいろいろと変化していくかもしれないので情報はチェックしてます。まずは自分でやってきたものをそのまま継続することだと思ってます。
 僕はD1を扱ってますが、ディーラーとしては今までついてきてくれた人たちに、「明日から別のプロモーションになります」とは言えないでしょう、これは僕の考えですけど。自分がずっと扱っていたメーカーが他のボードメーカーと業務提携してもD1という名前できちんとマシンが出てくることが僕には大事なんですよ。ずっとD1に付き合ってきてくれた人たちに「はい今度から別のマシーンになりました」というわけにはいかないと思うんですよ。
 D1グループというのは小さい組織です。業界では他の2社が大きなシェアを占めています。そのどちらにも属さなかったD1が、他社のマシンも扱うようになったことは時代の流れだと思うし、シェアも少ないかもしれませんが、初めてD1というものを世に出してスタートを切った時の気持ちでまたやっていけばいいかなと。D1グループにはDリーグというすばらしいプロモーションもあるのですから。

 プレイヤーにとっては選択肢が増えるのはいいことですね。プロが統一されればそれに越したことはないと思うけど、それぞれのメーカーの考えなんかもありますから、なかなかそういうわけにもいかないでしょう。
 プロという名前がつくからには、賞金の額が大事というのは当然ですが、でも僕は賞金の出し方も大事だろうと思います。賞金の額が大きければそれでいいのか、上位だけに高額の賞金を出すのがいいのか、参加したプレイヤーにはなるべく出せるようにするのか、女子をどう見てるのか……どこもそれぞれ考え方があるだろうと思います。中でも女子についてですが、どんなスポーツでも男女の力の差というのはありますよね。でも、女子の中でも同じく戦いがあってみんなそれなりの努力をしてるんです。だから、そういう意味でも女性プレイヤーをちゃんと見てくれて大事にしてくれる団体はいいなと思いますね。

 

先日行われた対抗戦についてはいかがでしょうか?
 試合前の予想では、女子が7ー3でパーフェクト有利と言われてたんですけど、そんなかなぁと……、そんな簡単には負けないよと思ってましたけどね(笑)。逆に男子は8ー2でD1だったんですけど、向こうのプレイヤーが上手いのも知ってたし、これも極端な評価だなと思ってました。
 僕はずっと舞台で観戦してましたけど、完全なアウェーながら、選手たちがその雰囲気に飲み込まれてる気配はなかったですね。でも、アニーにしても普段通りの打ち方でしたがたまたま勝負どころで入らなかったみたいだし、マスミもいい勉強になったようです。
 カツミとハルがワールドとPDCでいなかったのですが、それにしてもジョニーとジオですからね。このクラスの誰が出ても遜色のないメンバーだったと思います。
 今回じっくり観戦して、選手によって責め方がだいぶ違うんだなということを感じましたね。特にクリケットですが、堅実に加点していく打ち方をするプレイヤーもいれば、1~2点超えると閉めて勝負に出る選手もいる。とにかく、ああいう試合はお互いにとって刺激になっていいんじゃないかと思いますよ。

今までにマスミ選手を始めプレイヤーを育ててこられましたね。
 育ててなんかないですよ(笑)。

 

脚光を浴びせたということでしょうか。
 う~ん、どうかな、それは……。僕は誰も育てたわけじゃないけど、マスミに関していえばずっと応援はしてました。あいつがまだ十代の頃から、ちょっと線は細いけど上手いなと思って、DMCのダーツ持たせたりしてましたね。「絶対間違いない」と思ってました。それが今ではDMCの看板選手の一人ですからね。

 

マスミ選手は弊社の事務所に来てくれた時に連続写真を撮ったんですけど、頭が1ミリも動いてなくて、天才かもしれないと思いましたよ。
 マスミはきちんと考えて投げることができるプレイヤーなんで、ダーツの飛ばし方の理論を語らせたら、僕なんかよりちゃんと説明できますよ。素晴らしいプレイヤーです。まだ若いし、これからどんどん頑張ってもらいたいですね。

 

12年もの間お店やディーラーなどなさっていて、それはやはりダーツが好きだからこそと思うのですが、浅野さんにとってダーツの魅力とは何でしょうか?
 緊張感かな。勝負どころの「これを外しちゃいけない、これを入れなきゃいけない」というあの感じ。こんなに長くやっていても今でも緊張してますよ、初戦では特にね。
 たぶんダーツやってなかったら普段の生活の中にああいう緊張感ってないんですよね。チームでの試合では特に、一人の時の何倍も緊張感がありますね。4人のチーム戦では自分の1本の緊張感は4倍じゃないですか、勝ったときの喜びも4倍ですけどね。僕にとってのダーツの魅力は、この緊張感ですね。

 

ダーツ業界の将来の展望はどのようにお考えですか?
 法律のことも何かと関わってくるだろうし、日本ではプレイヤーのプロ意識というものだけが先走るのはまだ早いかなという気がしてますね。完全なるプロフェッショナルと呼ぶにはまだちょっと幼いんじゃないかと思うんです。技術的にもそうだし歴史的にもそうだし、周りの環境もまだ未熟な中で、選手のプロ意識だけが先走って、賞金だけがつり上がっていったりするのは無理があるんじゃないかな。
 もちろんプロとして食べていくことはいいとは思います。でもプロというのはトーナメントの賞金だけじゃなくて、いろんな店に回ったりして他の営業活動もあるじゃないですか。その金額も高すぎますね。今の段階でそんなに高くする必要はないんじゃないかと、僕は思うんです。
 確かにソフトダーツにおいて、今の日本人プレイヤーのレベルの高さは相当なものです。今D1とパーフェクトのトッププレイヤーを連れて行ったら、ドリームチームといわれるアメリカにも勝てるんじゃないかと思うほどです。この前のワールドでショウがジョン・パートに勝ったのもすごいことですよね。
 でも世界に目を向けると、やはりハードが主流です。世界の舞台というとPDCに目が行きがちですが、WDF主催のワールドカップやワールドマスターズだってあるわけですよ。でも今の日本はそこですらベスト4にも入れない。PDCなんて全然それどころじゃないじゃないですか。
 こういう環境の中でのプロプレイヤーたちが、この先どこまで日本のダーツ界を牽引して行けるのか。プレイヤーだけではなく、スポンサーや、彼らを取り巻く全ての環境が、技術的にも組織的にももっと向上していく必要があるんじゃないかと思います。
 日本人プレイヤーには今後、さらに世界で活躍してもらいたいですね。

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