Special Person Interview

Harrows,ハロウズ
No.43 Vol.93. 2018年9月号 Harrows 経営陣来日
全世界の国、地域と取引がありますがどのくらい訪れていますか?
一年中世界を旅していますよ。本当に忙しいです。それぞれの地域で回数はその年の事情がありますので、毎年同じではありません。最近はアジアが急速にダーツブームになっているので、訪れる機会は増えていますね。日本にはかつては年に一回ほどでしたが、今年は既に2回来ました。これからはさらに機会をつくって来日するようにしたいと思っています。
やはり日本はアジアのダーツ先進国なのでそのマーケットは重要ですし、また他の国への影響力も大きいですね。
日本には長く来ていますが、その移り変わりはどのように思っていますか?
日本には2004年に初めて来ました。最初の頃はそれほどでもなかったように感じましたが、ソフトダーツがブームになると急速にダーツ市場は拡大しました。その頃ダーツはビジネスになると多くの方々が考え、多くのブランドがスタートしました。10年前には30ほどのブランドはあったのではないでしょうか。現在は少しずつそれが減っているように思います。
マーケットが縮小しているわけでは無いと思います。一時的にダーツは大ブームとなりましたが、今は安定期を迎えているということでしょう。他の国でも同じような歴史を踏んで来ていますし、これはとても自然な現象でしょう。ブームで多くのブランドが参入しますが、それが時間の経過と共に4〜5のブランドに淘汰されていくのです。
ソフトダーツプロツアーについてどのように思っていますか?特に日本には2団体あるのですが?
英国でもPDCとBDOがありますから2団体ということに違和感はありません。英国の場合は違った特色を持ち、それぞれに素晴らしいプレイヤーが属しています。競争の意味からはむしろ良いことなのではないでしょうか。それぞれが違ったプロモーションをするのですから、ダーツがさらに多くの人達に広がる可能性が生まれると思います。
日本のダーツの将来はいかがお考えですか?
間違いなくこれからスティールダーツをプレイするプレイヤーが増えることでしょう。4〜5年前までは日本ではあまりヨーロッパ市場で受け入れられているバレルが流行っていませんでした。細すぎる、長すぎるなどと言われていましたが、今はその需要が増えています。これはスティールダーツが延びる兆候ではないでしょうか。
もちろんソフトダーツをプレイする方々も増え、確実にファンを掴んでいくことでしょう。メインなダーツライヴとフェニックスが切磋琢磨して、新しいより完成度の高いマシンを開発していますからね。
日本ダーツはこれからも着実に成長し、そして世界へと眼を向けるようになると思います。さらなる発展に期待しています。
今年からPDCアジアン・ツアーが始まり多くの日本人プレイヤーも参戦しています。どのようにお考えですか?
PDCはより世界スポーツに拡大していくことを強く意識しています。英国はもちろんですがドイツ、オランダ、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、中国など急速にワールド・ツアーを増やしています。どんなスポーツでも地域によってスキルの違いはあるものですが、それは仕方がないことです。でも真のワールド・カップ、ワールド・チャンピオンシップを開催するには必ず必要なことです。例えばサッカーはヨーロッパ、南アメリカがとても強いですが、最近ではアジアの国でもファンが増え強国を打ち破るようになってきました。ダーツでもこのようなことが起きることでしょう。
これからは特にアジアを重要視しているのは明らかですね。ソフトダーツがこれだけ浸透しているのですから、そこから世界トッププレイヤーが出現するのは時間の問題です。PDCに参戦できる機会を与えるアジアン・ツアーは素晴らしい舞台だと思います。
またPDJも復活すると聞いています。PDCの舞台に日本人プレイヤーが何人も立つことも予想されますね。ぜひ良い結果を出して欲しいものです。

ハロウズの歴史を教えてください。
1973年にスタートしました。ロンドンで小さなダーツショップを開き、バックヤードで小さなマシンでオリジナルの商品を作り売っていました。フライトが主な製品でしたね。それが順調で売れ行きがよくもっと生産を増やしたい、また同時にヨーロッパ全体にも輸出したいと考えるようになりました。
そこにエリック・ブリストゥが参加し、さらに売上が爆発的に伸びました。彼は当時とても有名なトッププレイヤーだったからです。急速にヨーロッパ全体に市場を拡大しました。他の会社からもフライト制作の依頼が増え、今でも世界の多くのブランドのフライトを作っています。
そこから成長を続け今ではすべてのダーツ製品を制作販売する会社となりました。お陰様で世界のどの地域、国でもダーツプレイヤーは当社の名前を知っていることと思います。
ハロウズダーツは初心者に最適だというイメージが日本ではありますが?
2004年に日本市場に入ってきましたが、その当時はほとんどプレイヤーが初心者だったと思います。多くの方々が当社の商品に興味を持って購入していただきました。そのイメージが今でも残っているからでしょう。日本だけで起きている現象ですね。
しかし今では初心者から上級者まであらゆるレベルに対処するバレルメーカーだということが知られて来ているように思います。
私どもは40年以上の歴史を誇ります。そして全世界のプレイヤーに商品を提供してきました。バレルで言えばブラスからタングステンまですべてのラインナップが要求されてきました。地域によっては1万円以上するバレルなど考えられない事情もあるのです。
私どもはいつも研究を絶やさず、新しいマシンを購入し努力を続けています。そしてリーズナブルなプライスで提供できるように考えています。これからもより完成された商品を提供できるようにしていきますので、ご期待ください。
最近新しく事務所と工場を一新しました。そのことが意味することはこれからも長くダーツ界を牽引していくという覚悟があるからです。
多くのプレイヤーがハロウズの契約プレイヤーになるには、どうしたらいいのかと考えていますが?
そうですね。今現在でも数人のプレイヤーからアプローチをいただき、同時に私どもからもお誘いをかけています。
これから増えていくと思いますよ。誰かということはまだ秘密です(笑)。