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DMC BARREL DESIGNER,野村 佳史

No.55 Vol.32. 2008年8月号 DMC 国産ダーツの先駆け No.1

今やDMCというブランドを知らないダーツプレイヤーはいないだろう。その歩んで来た道は他のブランドのお手本であり、それ故に追随も許さない。デザインと品質は「純国産」「完璧主義」を貫き、特にダーツ上級者には圧倒的な支持を得ている。デザイナーの野村氏、監督の立場の浅野氏、そして契約プレイヤーの浅野 ゆかり、ノリニティ、マスミに話を伺った。DMC契約プレイヤーは本当にあこがれの存在なだけに、参考にしていただきたい。

 

■ DMC

BARREL DESIGNER

野村 佳史

 

20年前からスティールダーツを始め、ダーツの知識、熱い思いは今も変わらない。6年前よりDMCの発足と供にバレルデザインを開始。その完成度が余りにも高いため、世界でもコピー商品が出回るほどだ。次のステップは世界の舞台、さらなる挑戦が続く。

 

DMCを始めたのはいつですか?
 2002年春に現在のDMC社長の森本と出会い、「本当の意味での」国産ダーツを作ってみようと始まりました。日本でバレルを作れば、品質的には必ず世界一のものが出来るとは分かっていたんですが、コスト面と市場に受け入れられるかどうかという点については自信が持てませんでしたね。なにしろ前例がありませんでしたから。しかし自分でデザインしたダーツを日本で作ってみたいというのは20年来の夢でもありましたから、それに携われる幸運は感じていました。以後6年以上経って今や日本発ブランドが目白押しですが、それでも純国産で作っているメーカーはDMCを含めて数社だけではないでしょうか。

 

DMCを開発するにあたって一番苦労したことは何ですか?
 DMC社長の森本が一番苦労したと思うのですが、まず材料の調達でしたね。もともと日本製のタングステンのビレットというものがなかったんですよ。ビレットというのは簡単に言うと削ってダーツになる前の棒の事ですが、タングステンを使う用途が日本ではあまりなかったので、まず型を作ってビレットを作るところから始めました。国産のタングステンは海外の物と比較すると上質ではあるものの非常に硬いので、刃物から作らなければなりませんでした。当初プロジェクトのスタート時に外国製と日本製のタングステン鋼材を比較分析したことがあるのですが、顕微鏡で拡大すると、粒子の並び方がまるで違うことが分かりました。当初の、前例が無い中での研究開発については、森本は相当苦労したようです。私がやるのはデザインだけですが、森本とでなければ今のDMCは無いと思いますね。

 

始めのラインナップは?日本の市場でのハードの売れ行きは?
 5種類で、まずソフトを作りました。その2年後にハードのラインナップが加わりました。最初にソフトを発表した時はとても好調でしたね。もっとも当時は1台の機械で削っていましたから、5タイプ合わせて1ヶ月最大数百セットしか作れなかったんですが。生産量が少なかったのもありますが、毎回完売状態でした。その後、僕が元々ハードを好きだったこともあって、これはハードもいけるんじゃないかと作ってみたのですが、これが全く売れませんでしたね。最初に各100 セット作りましたが、売り切るのに1年以上かかったんじゃないでしょうか。その事情は今も大して変わってないですね。最近の需要としては、既にソフトでDMCを使ってくれているプレイヤーが、同じモデルのハードを選んでいるというのが多いでしょう。


アキュートについて
 アキュートを作るきっかけはポール・リムです。ポールがダーツを作って欲しいというので、最初にドイツのM3、ノドア、ユニコーンのポールモデルを改良したものなどを取り寄せて調べました。その結果、この作り方ではダメだということになったんです。ネジがはずれやすいし強度的にも問題があったので、やるなら一体で削り出す必要があるというので完成したのがアキュートです。技術的には大変だったようです。まず鋼材から作り直さなければならない、5ミリ長いものが必要になってきますから。40ミリのものを作るなら45ミリ、45ミリのものを作るなら50ミリというビレットが必要です。現在作っている50ミリという鋼材はアキュートの為のものですが、長さが違えば値段も高くなりますし、新たな型も必要になります。DMCのラインナップではやはり2BAの18グラムが一番売れますが、アキュートに関しては今年に入ってから急激に伸びていますね。それとひとつ言っておきたいのは、アキュートは確かに前重心ですが、よく言われる様に極端な前重心というわけではないんです。重量を出すためにかなりの深さを削っていますが、ある地点を越えて掘り進めると今度は徐々に重心は後ろに移動します。

※大人気商品 Hawk

 

市場では?
 アキュートは当初の予測以上に受け入れられていると思います。これまでは正直チップの問題があった為に敬遠していたプレイヤーも多かったんじゃないかと思いますが、今年に入って白のチップが発売された事も追い風になりましたし、更にはリップポイントからもアキュート用のチップが発売されます。プレイヤーにチップの選択肢が増えることは確実にアキュートの追い風になると期待しています。もともと白いチップが欲しいという要望は非常に多くあったんですが、これを機会にカラーバリエーションも増える予定です。かなり遅くなってしまい、プレイヤーの方にはご迷惑をお掛けしましたけど…。リップポイントから発売されるアキュートチップについては、非常に期待しています。これまで2BAポイントの開発で培ってきた非常にレベルの高いノウハウもありますし、プレイヤーの信頼も既に得ていますから。

 

今まで5タイプから12タイプにまで増やしてきたわけですが、デザインなどでのポリシーはどんなことでしょうか?
 まず、バリエーションを作ろうと思いました。最初に5タイプ出して、6タイプ目は今までの5タイプにはないもの、7タイプ目は今までの6タイプとは違うものというように常にそれまでのタイプとは違うもの、新しいものをデザインするように努力してきました。まず誰もがDMCのラインナップの中から自分に合ったものを見つけることが出来る状態にするのが目標です。それと、きれいなバレルを作りたいです、美しいバレルを。良い道具というのは美しいと思うんですよ。機能的なことも大事ですが、良い道具って何でもかっこよくないですか?ナイフなんかも良いナイフというのは美しいじゃないですか。20数年ダーツに関わってきて、いろんなダーツを見てきましたけど「ここのところもう少しこうだとカッコイイのに」という思いはいつもありました。人によって見方は違うと思うんですけれど、自分で見てきれいなものを作りたい…機能的にすごく良くても不恰好なものはあまり作りたくないですね。

新しいものを出す時に、次はこんなものというイメージはあるのですか?
 同じ答えになりますが「現在のラインナップに無いタイプ」というのが基本です。ラインナップとして似通ったものはあまり入れたくないですね。それほどバリエーションがまだ多いわけではないので、今までにないものを発表していきたい。それから、毎回新作を出すときに必ず考えることは、これは10年先まで残せるモデルかということです。初めのころに出したモデルを廃盤にするというようなことはしたくないので……。これからは新作のペースとしては落ちてくるでしょう。一つのタイプでも18 グラム、20 グラム、アキュート、ハード、という展開になってくるでしょうし、13 タイプ目、14 タイプ目というのは、今まで以上に練りに練ったものを作る必要がありますからね。

 

デザインの礎になっているものはなんですか?
 礎ですか、難しいですがもしかすると「フラストレーション」かもしれません。20数年前にダーツを初めた頃当然のように海外のダーツを、それも2万円近い値段で買って使っていました。でもどうしてもその価値がある商品には見えなかった。なんでココをこうしないんだろう?何でこんないい加減なものを作るんだろう?という疑問や、何年かたってもう一度買おうとするともう廃版で無くなっていたり。そういうフラストレーションが礎といえばそうかもしれません。

 

新しいバレルの企画から商品化されるまでの時間というのはどのくらいかかるのですか?
 DMCは結構遅いと思います。これは欠点なのですが、新しいタイプを開発しようとすると一台機械を止めなければならない…これを生産の合間にやるのでなかなか大変です。売り出すとなると最低でも数百セットは作らないとならないので、企画から発売までどんなに詰めたとしても、最低2ヶ月くらい…市場では時々ご迷惑をお掛けしていますが、そんな事情もありますのでご容赦下さい。出来るだけご要望にお応えできるように精一杯がんばっています。

 

昨年初めてポール・リムモデルというプロの名前でのモデルを出しましたが、今後も同様の企画を考えているのですか?
 それはできることならやりたいですね。今までは10 年先まで売りたいという考えで作ってきたので、敢えて個人名は付けなかったんです。DMCが出た当時、日本のトッププレイヤーはほとんどDMCを使っていましたが、それでも彼らの名前はつけませんでした。でもフィル・テイラーやポール・リムだったらつけるよと、だからみんなそこまで行ってくれよと、いつも言ってきました。ポール・リムは今でこそウーロンハイ好きのおじさんですが、ダーツの歴史に名前を残してますからね、そういうプレイヤーだったら喜んで名前をつけるけど、10 年先に「誰それ?」って言われちゃうプレイヤーでは困ると。

 

DMCはクオリティが高い分、値段も高いという印象ですが?
 以前はジョン・ローとかバリー・トゥモローとか¥18、000 くらいした中で、¥16、000 という価格はかなり抑えたつもりだったんですよ。でも今は市場的に海外製のダーツの価格が下がってきたので、高いというイメージなんでしょうか。クオリティってただ正確に削るという部分だけではないと思うんですよ。検査体制や管理体制も含めた全ての部分で人員もお金も掛けていますから決して高いとは思っていません。

 

DMCの一番のセールスポイントは?
 DMCのバレルを作っている現場の人達でダーツをやる人は一人もいません。ただ¥16、000 の商品を作っているという意識しかないんです。だからそのこだわりは半端じゃないですよ。「これ別に問題ないんじゃない?」と思うようなものまで「だって¥16、000の商品ですよ」ってダメ出しされるんです。シャフトは台湾で作っていますが、入荷したものを検品して「これダメな分です」ってどさっと返されるんです。DMCという文字がちょっとずれているだけのものもあって「これ活かそうよ」と言っても「それは納得いかないので、それなら他の人に検品させてください」と言われてしまう……。これだけ高い現場意識の中で作っているので、品質には絶対の自信があります。

 

世界初のダーツギャラリーというDMCギャラリーをオープンさせましたが、それについてはいかがでしょう
 ギャラリーは森本の考えで実現しました。一流のものを作っているメーカーならそのくらいのものがあって当然、という彼の感覚なんです。かなりの資金もかかるので最初は反対しましたが、今は「ここまで本気ですか?」という他のメーカーに対する問いかけでもあって、正解だったかなと思っています。開店後、このスペースでお金を生まなければ、ということに気がついてちょっと焦りましたが(笑)、ステルスはギャラリーとDMCのウェブサイトでしか取り扱っていないんですが、それがギャラリーの維持費になっています(笑)。

※現在は営業しておりません

 

最近DMCのウェブでメンバー登録をして、メンバーだけしか買えないようなシステムも始めていますが?
 それはDMCを使ってくれている人に、何か新しいインフォメーションがあれば、それを一番に届けてあげようということで始めました。

 

現在約30名いるDMCプレイヤーについて
 プレイヤーはとにかく試合で頑張って欲しいと思います。それはただ勝つとか負けるとかじゃなくて、ちゃんと試合に参加して欲しい…。実際30人もいると中には、どのトーナメントに出てどういう結果を出した、ということを報告すらしないプレイヤーもいるんです。だから、これからは頑張っているプレイヤーと、試合に出ているのか出ていないのかも分からないプレイヤーとの差別化はやむを得ないかと思っています。最近の課題はDMCプレイヤーに何をしてあげられるか、そして特に頑張っているプレイヤーにはできるだけのことをしてあげようという方針を森本も持っているようです。毎年どんどん若い、新しいプレイヤーが出てきますし、際限なくプレイヤーを増やしていく訳にも勿論いかない。だから新しいプレイヤーと以前からいるプレイヤーとで切磋琢磨して、全体のレベルを上げていって欲しいですね。

 

プレイヤーの選定の仕方は?
 プレイヤーのモデルを作るわけではないので、基本的にはDMCを使ってくれていて頑張っているプレイヤーの中から選んでいます。プレイヤーのモデルを作らないと言っても、多少のアレンジはできるんですよ。結果を残しているプレイヤーについては今使っているタイプの刻みを一本増やしてほしいとか減らして欲しいとか、そういうリクエストには可能であれば答えています。今いるプレイヤーの中でも自分の戦歴を持って売り込んできたプレイヤーもいますし、そういうアピールはありだと思いますよ。もちろん片っ端から所属にするわけにはいかないんですが…。

 

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