世界最高峰のソフトダーツ大会スーパーダーツが5月8〜10日、横浜大さん橋ホールにて開催されました。世界各国より24名のプレーヤーが権利を獲得して出場、熱い戦いが繰り広げられました。想像していた以上の盛り上がりでしたね。
前回は2018年でしたがコロナの影響で延期され、6年ぶりの開催となりました。ダーツファンとしては待ち焦がれていた夢の舞台で、期待の声は大きかったことでしょう。開催前は会場が変わったため演出などの面で多少心配していましたが、始まるとそんな危惧は全く無く、素晴らしいステージとなりました。
会場前面からは見えないのですが、実はバックステージには多くのスタッフが働いていて、有料配信のためにその映像の編集作業などをしていました。10台以上のカメラで会場をカバーし、メインカメラは高性能カメラを使用、アップ場面ではプレーヤーの汗も見えるほどでした。主催者側の本気度が伝わりましたね!
初日8試合、2日目8試合、最終日7試合でしたが、どの試合も濃い内容のある展開でした。毎試合がフォーカスされるので、改めてダーツの魅力を再発見した方々も多いのではないでしょうか。優勝は浅田 斉吾プロ、準優勝は酒井 素プロとなりましたが見応えのある決勝戦でした。
どの日に赴こうかと考えていたのですが、フィル・テイラーにとって一番時間の余裕があるだろうと思われる2日目に取材に行きました。来日はもしかしたら最後になる可能性もあるからですね。彼は最後の試合でしたので、それまではプレーヤーが一息つく間でお話を聞いていました。
感じたことはどのプレーヤーも緊張していたことですね。あのような表情はなかなか見て来なかったように思います。それほど勝ち取りたいソフトダーツの歴史に残る
タイトルだということでしょう。
海外プレーヤー3人のコメント、フィル・テイラーのインタビューを掲載致します。
テンクゥ・シャー
昨日は岩田 夏海さんとの試合でした。勝ちましたが彼女は昨年のジャパン・レディースのチャンピオンですからね。乗ってきたらバンバン入るようになるだろうから…。勝ててホッとしています。
そして今日はこれからダーツの神様、フィル・テイラーです。この舞台で彼と試合出来るなんて…結果はどうあれ、一生の思い出になりますね。悔いが残らないように、精一杯頑張りますので応援してください。いやぁ、ナーバス!
ホセ・フスティシア
スペイン出身でThe Worldに参戦していて、今回は始めてのスーパーダーツ挑戦です。長年この舞台に出場できるように頑張って来ました。今日は負けてしまいましたが、帰って来たいですね。普段はスティールも投げていてPDCにも出ていますが、今回のステージに向けてトゥーマッチぐらい!物凄くソフトを練習して準備して来ました。
日本ではソフトダーツが盛んですが、スペインもそうなんです。スペインでも多くの良いプレーヤーがいますよ。
コスモダーツは2009年以来からの契約です。アメリカでプレーした後で声を掛けていただき、本当にありがとうございました。以来日本との繋がりも深くなりましたね。
実は以前日本に住んでJAPANに参戦したいと思ったことがあるんですが、その時は残念ながらビザの問題で実現できませんでした。今は家庭の環境が変わってしまって同じようには考えられないですが、それほど日本が好きです。
今回のスーパーダーツの雰囲気は素晴らしいです。PDCワールド・チャンピオンシップ以来の興奮を味わっていますね。大げさでなく、まるで20人ほどのスタッフが僕をケアしているように感じます。
日本のフードは美味しいですよね。でも僕はスペイン出身です!ヨーロッパで最高の料理ですよ(笑)。でもカツ丼と神戸牛ステーキは美味しいなぁ!
ロイデン・ラム
もうすぐ始まるんですが、凄くナーバスになっています。この試合に向けてはかなり投げて来ました。でも香港では大会が少なくて、試合勘が戻ってきてないですね。それでもスーパーダーツは3回目の参戦なので、ベストを尽くしたいと思います。
コロナが終わって香港ダーツは少しずつ上って来てはいますが、思ったほどではなくて残念な状況です。新しいプレーヤーも登場していますが、以前のような盛りあがりにはもう少し時間がかかるように思います。
この舞台に出場しているプレーヤーはみんな凄いですよね。バックステージでゲームをモニターで観ていますが、とんでもないゲームばかりです。今日の試合は酒井 素さんとですが彼とは始めての対戦、集中しないとですね。PDCアジアで彼のプレーを見たことがあるんですが、かなりの実力者だということは認識しています。
あっ!呼ばれました。応援して下さい。よろしくお願い致します。
フィル・テイラー
今回は何度目の来日ですか?
8〜9回目かなぁ?いつも楽しく過ごせています。いつも言いますが日本は大好きな国です。
前回の来日は2018年のこの大会でした。
そうですね。6年前でよく覚えていますよ。村松さんとの決勝は楽しかったです。その後コロナで世界がパンデミックになって残念な状況でしたが、今は日常に戻り嬉しく思います。
その時試合後にインタビューさせていただきましたが、笑顔でした。
僕にとってはソフトダーツは違うスポーツだと考えていて、それで負けるのは仕方がないことだと思っていました。そのためそれほど悔しさは無かったですね。彼は良いパフォーマンスだったと思います。
この大会のためにソフトダーツを練習して来ましたか?
少しね。10分ぐらいかなぁ!冗談ですよ、名誉のあるタイトルだということは知っています。
今回は会場が移りましたが、雰囲気はいかがですか?
素晴らしいですね。この日の開催のために多くの労力を費やして来たことでしょう。スタッフも多いですし、運営側の熱意が伝わって来ます。会場にはたくさんのカメラが用意されていて、演出にも気を使っていますね。僕からもありがとう!
メインカメラはかなり高性能らしいですよ。
そうですか!だからモニターでもキレイに映っていますよね。
今日はこれからテンクゥ・シャーとの試合です。
最終試合9時からの予定です。マレーシアのプレーヤーでソフトは慣れているでしょうから、手強い相手ですがベストを尽くしたいですね。もう63才なので楽しみましょう。
ポール・リムはさらに年を重ねていますが、日本に住んでジャパンに挑戦しています。どう思われますか?
信じられません!まだ体力があるのでしょうから、頑張ってほしいです。
日本との繋がりが深いのですが、日本人ダーツプレーヤーのレベルは上がっていると思いますか?
間違いないですね。自信も身につけているように思います。大会も増えて競争がますます激烈になっているからなのでしょう。ソフトに限らずスティールでも成長していると思います。
でもPDCのステージではあまり活躍できていませんが?
直前に英国に着くので時差もあるかもしれません。今回、日曜日に日本に到着したのですが、まだ今の時間は眠いです。ぜひとも10日ほど前に渡英して準備することをお勧めしたいですね。体内時計の重要性をもっと考慮して下さい。経費が掛かってしまいますけど…。
引退してからどんな生活を送っていますか?
ずっと長い間ツアーのため、家にいることが短く家族とは多くの時間を共有できない生活を送って来ました。そのため今は孫と時間を過ごしたり、いままでに出来なかったことに時間を費やしています。ハードな人生を送って来ましたので、今はゆくっりすることが許されてエンジョイしています。
ターゲットチームでは新星ルーク・リトラーが話題です。どのように思われますか?
彼はべリーグッドですね!今は登場したばかりですが、数年経って経験を積んだら、とんでもないプレーヤーに育つ可能性があると思います。
日本人プレーヤーにアドバイスはありますか?
練習!練習!練習です。それしかありません。どんなスポーツでも信じられるのは練習だけです!!