Tim Darby-Top

Vol.16 Tim Darby
ダーツという競技は本当に残酷な面が…

2005年11月号

英国プロスポーツ団体PDCのエグゼクティブプレジデントであるティム・ダービー氏が来日した。スティールダーツのトッププロ達を傘下に置く、まさにダーツのプロフェッショナルから見た日本のダーツシーン、そしてプレイヤーは?期待されるPDCトーナメントの日本での開催は、果たして実現するのだろうか…?

日本には何回来ていますか?
今年の春に中国と日本を訪れていますので、今回は2回目です。前回の初来日ではダーツブームに驚きました。今回はよりいろいろな人に会う機会がありましたので、より知識を深めることが出来たのですが、さらにダーツが日本でポピュラーになっている現実をひしひしと感じています。

日本は英国と違ってソフトダーツが盛んですが、どう思いますか?
素晴らしいことです。ダーツではソフトもスティールダーツも何ら変わりはありません。特に自分でスコアを計算しなくてよいので楽ですよね。出来ればスティールダーツにも挑戦して欲しいと思います。正直ソフトダーツは英国でももっとプレイされても良いのではないかと思っています。

日本と英国のダーツ事情の違いは?
プレイヤーがみなさん若いですね。そして女性のプレイヤーが多いのにも驚かされます。これからが本当に楽しみなダーツシーンですね。また、とても熱心にプレイしているので、すぐにも世界の檜舞台に登場してくることでしょう。

PDCトーナメントはこれからどんな展開を考えていますか?
今、海外の試合はアメリカとアイルランドが定期的に開催されていますが、昨年は中国で行いましたし、そして近い将来は日本で実現したいと努力中です。きっとプロダーツが世界でより認知されるようになりましたら、グローバルに拡大していくことでしょう。

日本でのPDCトーナメントはどんな大会を企画していますか?
私どもの大会は勿論スティールダーツでゲームが行われます。それがプロダーツの醍醐味だからです。ソフトはエキシビジョンを考えることになるでしょうか。テレビ放映はジェイスポーツで放映されることでしょう。とてもエキサイティングなトーナメントになることでしょうから、ぜひ楽しみにして下さい。まだ、いつとは明確に言えませんが、それほど遠い先の話ではありません。

ダーツのオリンピック種目への可能性についてどう思いますか?
あまりチャンスは無いのではないかなと思っています。例えば、野球はオリンピック競技からはずれましたが、日本やアメリカではたいへんにポピュラーで大きなイベントです。それに比較すると、ダーツはやはりそれほど大きくありません。
オリンピック参加については私はそれほど問題にはしていません。ダーツはテニスやゴルフのようなスタイルのスポーツになるのではないでしょうか。テニスやゴルフはオリンピック競技種目としては、それほど注目されていません。テニスはウィンブルドン、ゴルフは全英オープンが最も関心のあるトーナメントだからです。ダーツもそのように、よりプロに適したスポーツだと思います。

ダーツの魅力を語っていただけますか?
ダーツというのは個人競技、そしてゲーム形式は全てがマッチプレイです。素晴らしいプレイヤーがどれほど集まろうとも勝利者は一人です。誰もが相手に勝ちたいと願いゲームに望みますが、一人以外は真の勝利者ではありません。なんと残酷なことでしょう。そこで生まれる葛藤、悲劇、喜びはまさに人生そのものです。

PDCは何を伝えたいと思いますか?
テレビ放映されるようになってから、プレイヤーの表情までを映し出し、爆発的にダーツファンを増やしたと思っています。誰もがスポーツが好きです。それはただ結果だけを観るのではなく、そこに様々なドラマがあるからです。
ダーツがより世界的に認知され、グローバル化できれば、プレイヤーの技術もそれに伴い向上し、さらに素晴らしいドラマを生み出すことでしょう。PDCはそれを使命と考え、進化していきたいと考えています。