Jun Nakamura-Top

Vol.28 中村 純
思い切って自分にプレッシャーを…

2007年11月号

ダーツのビジネスに関わられたきっかけは?
およそ4~5年前当時まだサラリーマンだった頃、ダーツにはまっている友人にダーツバーに連れて行かれたのが、ダーツを知ることになったきっかけですね。始めてダーツをしてみて、手軽にできて…知らない方とも仲良くできる…とダーツに大きな魅力を感じました。
ちょうどその頃は、仕事を独立しようか迷っていた時期で、なかなか決心がつかなかったんですが、思い切って自分にプレッシャーを掛けてみようと…とりあえず会社を辞めてしまったんです。

さて、思い切って会社を辞めて独立してみたものの、う~ん一体何を始めたらいいかなぁ?…当然資金もないし…思いをめぐらせているうちに、ネットショップなら資金も必要ないし、場所もリアルショップのように必要ない…これなら行ける!と考え、ネットショップを始めることにしました。
まずホームページを立ち上げるための本を買い、次にプロバイダーと契約し、ホームページを作るまでに4ヶ月の期間が掛かりました。当初扱おうと思っていた商品は、場所が自宅の部屋で6畳一間と狭いこともあり、古着みたいな在庫も場所も取らない一点ものの商品を扱おうと考えていたんですが、どうしてもダーツの魅力が頭から離れなくて…結局ダーツグッズを取り扱うことにしました。

ダーツグッズをネットショップで始めることを決めた瞬間から、全国のダーツメーカーや問屋を片っ端から調べて、「ネットショップでダーツグッズを扱いたいので商品を卸してください…」と電話でお願いしたんですが、いかんせん資金も知名度もありませんでしたから、最初はユニコーンの2種類のバレルしか扱えませんでしたね。(笑)ただ当時は、ネットショップ自体もほとんどありませんでしたし、ダーツグッズ自体を買えるショップも少なく、お客さんがショップを探してやっとグッズを手に入れている時代だったので、商売環境としては非常に良い状況でした。
やっとサイトをオープンにこぎつけて2~3週間が過ぎた頃だったでしょうか、初めて商品が売れて…びっくり!もう嬉しくて嬉しくて…そこがエスダーツの原点です。
しばらくすると次第に商品も少しずつ売れ始めてきたのですが、売れた商品の利益を次の商品の仕入れに回すといった自転車操業のような商売をしていましたので、当然ながら自分の給料なんてしばらくありませんでした。

当時から、その日に注文頂いた商品はその日の内に発送することを心がけていましたので、午後3時過ぎまでに注文頂いた商品を、検品して・梱包して・沢山の荷物を郵便局まで抱えて行って発送、その後お客さんに商品を発送したことをメールでお知らせする…これを1人で繰り返していました。1年くらいそんなことが続いたでしょうか?
やっとおおよそのダーツメーカーの商品を扱わせて頂けるようになり、とても自宅では対応できなくって近くのマンションに引っ越すのを機会に、初めて従業員とアルバイトを雇いました。ネットショップとはいえ、やはり在庫置き場と在庫管理が不可欠な要素です。そこからは在庫が増えるたび、新しい商品の扱い量が増えるたびに、事務所の引越しを余儀なくされスタッフも増え、最終的に現在の場所へ落ち着いたところです。これまでに3回も引越ししたんですよ。(笑)今ではおかげ様で取り扱い商品点数が3000点のネットショップとなりました。違う業界からダーツ業界に入られて感想は…
ダーツ業界自体は、まだまだそれほど大きな業界だとは思いませんが、 ダーツバーでのコミュニティーの強さ、大会等での盛り上がり一体感を目の当たりにしたりすると、とてもプレイヤーと業界の距離が近い良い業界だと思います。

ネットショップの数も増えましたが、ショップの個性については…
これからはオリジナルの商品をたくさん開発していきたいと考えています。「S4(エスフォー)、EDG SPOTS(エッジスポーツ)」という独自に仕入れてきた商品や、開発した商品の提案などもそうですし、現在協力させていただいているI&Kさんの「ZERO」のように、他のメーカー様とのコラボレーションも積極的に展開していきたいと思っています。
より買い物がしやすいサイト作りを目指し、さらに商品点数も増やし、ショッピング以外でもお客さんにサイトを楽しんでいただけるように、近くのダーツバーを検索できるようにしたり、ダーツのあらゆる情報を知って頂くためにリンクページを充実させています。ダーツを始めて間もない方にも、更にダーツを楽しんで頂きたいという観点から、充実した初心者ページを作ったりして、すべての角度からダーツを楽しんでいただけるサイト作りを手がけることで、よりダーツ色の濃いサイトにしていきたいと考えています。

最近、ダーツグッズも価格競争の時代に突入してきていますが…
価格もトレンドの波のように、バレルも1万円台から最近では5千円台まで下がってきています。メーカーにとってはこの価格競争は辛いことなのかもしれませんが、このまましばらく価格競争が続くことによって、成熟した適正価格に落ち着き、その後は本来の品質が問われる時代になると感じています。

DJOの東京大会では、ショップブースを出されていましたが…
ネットショップの発送業務が忙しくて、なかなかイベントへ参加できない状況なんですが、今後は出来る限りイベントへの参加も考えて行きたいと思っています。やはりネットショッピングとは違って対面販売をさせて頂くことで、お客さんの反応がダイレクトに伝わってきますので今後の参考になりますね。
イベントの雰囲気も非常に楽しいですし、トッププレイヤーのプレイぶりや、ダーツ講習等のイベントにも興味があります。先日もDJOの東京大会でKTMさんやTーarrowさんがアドバイスをしてくれるブース最前列で、ずーと話を聞いていましたね。(笑)

今後の目標は…
ダーツプレイヤーの数を限りなく増やして行きたいですね。例えばボーリングのように皆さんが一回は競技したことのあるようなスポーツに…もっと気軽にできるメジャーなスポーツとしてダーツ人口を増やしていきたい…。エスダーツとしては各社と協力し合いながら、ダーツの裾野を広げる役割を果たしたいですね。
ダーツについては、ここ数年で急激に伸びてきて最近少し伸び率が鈍化している感じがします。全体としてこれからは、サービスや品質が大事になってくるんでしょう。アクセサリー自体についても、急激に落ち込むことは無いとは思いますが、よりデザイン的で革新的な、その上にコストパフォーマンスが問われてくると感じています。ここを各ショップ、メーカーが協力、切磋琢磨していければ必ずダーツ業界自体が良い方向へ向かうと思っております。

ダーツファンにメッセージを
ダーツは男性・女性・年齢を問わず楽しめるスポーツですので、プレイヤーの方もダーツをもっと広める意味で、友人、知人をどんどん誘ってダーツをして頂けると嬉しいですね。そうすることがダーツ業界の発展にも繋がりますし、色々な交流も生まれてきますので、一緒にダーツの楽しさをもっと伝えていきましょう。