Mitsuhiro Murata-Top

Vol.29 村田 光宏 自分の気持ちも徐々にダーツに…

2008年1月号

最初に会社を始められたのはいつですか?
会社を設立したのは平成3年7月です。当初は、今とは違い別業種の形態で起業しました。会社は主に昼間を中心としたサービス業を生業としていたので、将来的には、『身体の空いている夜間の仕事』
にもチャレンジしたいと考えていました。
当時は、頻繁にダーツバーに通い、ダーツにはまり始めていたこともあり、次第にダーツバーかディーラー業のどちらかを始めて見ようかなという気持ちになりました。
しかしダーツバーを始めると、忙しくて昼間の業務との両立が難しくなることから、夜のもう一つの業務の柱として、ダーツディーラーを始めることにしました。それが今から5年前のことです。
ダーツバーで知り合った友人からも、「これからはダーツが熱くなりますよ! 」と言われ、何軒かのダーツバーに連れて行かれて、自分の気持ちも徐々にダーツに傾いていった感じですね。

その頃すでにダーツ業界では、実力あるダーツバーディーラーさんが存在していましたから、「同じことをしても難しいかな?」と思い、ショップディーラーとして参入していく方法を選びました。当時ダーツグッズは、ディーラーさんが集金時にまとめてお客さんへ商品を卸すのが主流で、まだダーツショップ自体も、東京では数多くなかったので、「きっとショップディーラーも面白い存在になる!」と思い、スタートしました。
もちろん、ディーラー兼ショップという立場は業界でも初めてだったと思います。それがI&Kの始まりです。それこそ最初はディーラー業も「ほんの数台」からスタート、ショップも趣味の延長みたいな感じで、コツコツと商品を集めていきましたね。その後はどのように成長していきましたか?
そこから順調に業績を伸ばすことが出来たわけですが、第一に「これはロケーション様の強さのおかげ」に尽きますね。ロケーション様の強さというのは、本当にダーツに対して、情熱的に対応されているところです。
単に強いダーツプレイヤーが所属しているロケーション様が強いというわけではなく、伸びるロケーション様というのは、常にお客様の状況や、反応を肌で感じながら、前向きに取組まれているロケーション様だと感じています。そういうロケーション様は、いつも活力が溢れていますよ。
伸びるきっかけになったのは、やはりダーツショップと兼業でディーラー業をしたことでしょうね。ショップを中核として、ダーツマシンの台数も徐々に増えていきました。例えば、ショップにグッズを購入に来てくれた居酒屋のオーナーやバーのオーナーのような飲食店の経営者の方から、「自分のお店にも置いて見たい…」という要望を形にしていくことで、ディーラー業の流れも確立していきましたね。
それは、京橋・池袋・川崎すべてのショップに共通することです。

今現在、何店舗で展開されていますか?
京橋、池袋、BounO、吉祥寺を初めとしてフランチャイズを含め6店舗です。フランチャイズオーナーの方々へも、オリジナル商品の開発等で、営業的な面で協力させていただくことで、少しでも貢献できるよう我々も努めています。
今後のショップの展望については、基本的にロケーションビジネスがメインとなりますから、ショップ展開はできたとしても、ロケーション様の近くにBounOのようなロケーション様と同業になるような店舗は出店しません。
今回新しく出店した吉祥寺もそうですし、お台場のBounOも、ロケーション様を大切にする基本姿勢は崩してはいません。ロケーション様の営業の弊害とならない、当社の地盤の弱い地域でのダーツの活性化を推し進める予定です。
昨年はDJOトーナメントに集中して取組みましたが、今年はショップ展開の実績に重点を置いた取組みを考えています。ショップに重点を置くことと併せて、商品開発も工夫していくつもりです。
海外ダーツメーカーに対しては、まだまだ日本のシェア実績が少ない状況ですから、日本から要望を呼びかけてもなかなか商品化に結びつかないのが現状だと思います。そこを逆に利用して、自分達で工夫したオリジナル商品の開発に、更に取組みたいです。全てにおいて、コツコツと実績を積み上げて、形に結び付けることを目標にしています。

話題のディズニーフライトなど、特徴でもあるオリジナルの商品開発についての工夫は?
ディズニーと契約して1年になりました。昨年はDJOトーナメントに力を注いでいたこともあり、ディズニーに関しては、社内全体で集中して取組まなければ、なかなか具体的な商品化に結びつけないという難しさがありました。
ここにきてやっとデザインも決まり、ディズニーより商品として許可もいただきました。ディズニーキャラクターがデザインされたフライトや、ミッキーを型取った形状のフライトなど、機能性はともかく、これまでダーツをされたことのない方の注目度を意識して、今あるダーツ界の底上げを最大のテーマとして取組んでいます。
これは、ロケーション様へ還元できるプロジェクトでもあると信じています。
一言にオリジナルといっても、商品化するまでには難しい一面もあり、沢山のオリジナルを商品化する道のりには、なかなか厳しいものがありますよ。
オリジナル商品の開発と並行して、ショップも更に展開していきたいとの思いがあります。これは、まだまだ私の頭の中だけにある構想の段階なんですが、今年は6店舗、つまり2ヶ月に1店舗平均の出店を目標と考えています。実現は難しいかもしれませんが 、会社が一丸となって、それ位の意気込みは必要だと思っています。

今現在、スタッフは何名ですか?
およそ60名位のスタッフが毎日業務に励んでくれています。今では会社を分社化していまして、人材開発を目的とした「WAN」、貿易業務を中心とした「JIVE」に分けることで、I&Kを中心として効率よい業務の流れを目指しています。
スタッフの特徴は、私との相性というわけではありませんが、スタッフの9割以上の血液型がB型なんですよ!私も特にB型のスタッフを揃えたわけでもないんですが…B型ばかりなので、スタッフ同士で視察に出かけたりすると、現地に着くなり勝手にバラバラに行動しちゃって…B型の性格を思い知らされますね(笑)
スタッフそれぞれの”良いところ”を伸ばして、弱い面は互いにカバーすればいいんですよ。

トーナメントを積極的に開催されているようですが?
ロケーションサービスとは、トーナメントやイベント等を、積極的に開催することだと先輩達に教えられてきました。
湾岸ダーツトーナメントを始めたきっかけは、トーナメント空白期間にロケーション様の為に「トーナメントをやりたい…」という気持が高まったことがきっかけです。
ただ、トーナメントをディーラー1社だけで開催するのはとても難しいことですので、当時トーナメントに対して渇望していた14社のディーラーが集まり開催したのが始まりです。ロケーション様のおかげと、協賛各社の協力の下、昨年までに6回のイベントを成功させることができました。
毎回参加することで、当社のスタッフもダーツに対する良い勉強をさせていただいています。湾岸ダーツトーナメントの趣旨は、強いプレイヤーをメインにする場ではなく、必ずレーティングの無いような女性プレイヤーをメンバーに加えることで、『ダーツを心から楽しむ発表会』として活動しています。
湾岸ダーツトーナメントでは、今後更にイベントも積極的に取り入れ、エンターティメント性を高めて行きたいと考えています。苦労も沢山ありましたが、その経験をさせていただいたことが、昨年のDJOにも生かせたと思っています。
昨年は、当社としてはDJOに初めて参加させていただいた立場だったのですが、DJOトーナメントも全国9会場と規模も拡大されたので、当社としても積極的な立場で参加させていただきたいとの強い思いから、まとめ役として事務局の役割に手を挙げさせていただいて、何とか無事に1年を終えることができました。
DJOの事務局として、全国に行かせていただいたことは、実に良い経験と勉強になりました。
今年は関東地域でも、昨年以上にトーナメントの数や規模を増やすことで、ロケーション様に満足してもらえることを目標としています。DJO全体としては、ディーラーが主体となり活動して全国のネットワークを確立していきたいですね。
最近では、多方面に参加をさせていただいておりますが、当社としてはダーツ業界で1番を目指しているわけではありません。常に他のディーラーの皆さんや、ロケーション様の為に役立つ立場を重視することを目標としています。

村田氏の人物像にせまってみましょう!
証言:スタッフ○さん…
当社の村田は…一言でいうと「回遊魚」のようですね。常に動いていないと死んじゃうタイプです。常に新しいことを考えていて、時には突拍子も無いことを言い出したりする場合もあるんですが、その際には、何とかお蔵入りにする方法を画策したりします。(笑)実にポジティブな生き物なんですよ。(気がつくと、僕の意見もかなりスタッフに潰されてるなぁ…村田) 頭が上がらないことのひとつは…たぶん奥さんでしょうね。(笑)家庭は凄く大事にされていますよ。(はい!その通りです。村田)
社長はかなりシャイな性格で、かなり人見知りをするタイプなんですよ。
人の話を聞くことも苦手らしく、それを解消しようとスタッフにもなるべく声を掛けてコミュニケーションをとるように努力していますね。会社の雰囲気としては、トップダウン的ではなく、スタッフ全員でのミーティングを重視して方向性を決めています。そのおかげで、スタッフ全員が社長と同じ考え方、感覚を持つことができていると思います。
この仕事はマニュアル化することは非常に難しい業務ですが、ショップでの対応を初めとして、コミュニケーションを非常に大切に考えています。

先ほど今泉からの話もありましたが、本当に僕はシャイなんです。トーナメントでもお会いしてお話させていただきたい方も沢山いらっしゃるんですが、なかなか僕から声を掛けるのが下手なものですから、中には恐い印象を持たれる方もいらっしゃると思います。僕も普通のダーツ好きの男です。どちらでも構いません、ちらっとでも僕の顔を見かけたら、気軽に声を掛けてください…楽しい話をしましょう!宜しくお願いします。

I&Kではダーツ界に参入した当初から、初心者・初級者・中級者までのプレイヤーを大切にしています。勿論、ダーツのプレイ自体を楽しむこと、高度なプレイを実現することも大事ですが、それ以外にダーツそのものを楽しむ…例えばダーツのそれぞれのパーツを個性的に変えて楽しんだりすることなどダーツの面白さを提案しています。
今回のディズニーについてもそうですが、多くの方々にダーツに興味を持っていただいて、幅広くダーツを知ってもらうこと、ダーツを一生の趣味として捉えてもらうことを大きなテーマに、ダーツの裾野を広げて、ダーツを末永く日本で発展させることに、微力ながら協力させていただければ幸せです。