Vol.107 大城 正樹
開幕戦が一番、気合が入るところ

2021年3月号

自分の身体にストレスなく、力みをなくす投げ方
でもその投げ方だと身体が楽で何時間でも投げられるんですが、
入らなくなってしまったんです。精度が前と比べて格段に落ちていました。

練習はどのようにしていましたか?
もっと自分の身体にストレスなく、力みをなくす投げ方を考えて練習していました。その事に取り組み始めたのが昨年の緊急事態宣言中でしたね。試合が無くなってきっとしばらくオフになるなと思ったので、今までとは違った投げ方の探求を秋ぐらいまで続けていました。
でもその投げ方だと身体が楽で何時間でも投げられるんですが、入らなくなってしまったんです。精度が前と比べて格段に落ちていました。
そこで以前の形に戻すか、身体の楽さを取るか悩み始めましたね。今はまだ30代なので筋力の衰えや足腰が弱っていることも無いので、やはり精度が重要だなと途中でシフトチェンジしました。
しかし半年あまりその楽な投げ方をやっていたので、残念なことに戻らないんです。

スタッツにも表れているんですか?
顕著に出ています(笑)。以前は18ぐらいあったんですが、16まで落ちていますね。カウントアップも1100点以上出るのが普通だったんですが、1000点が出なくなって900点も危うい時期がありました。

直近はどんな感じですか?
2019年度の投げ方7割、取り入れようとした投げ方を3割にしているんですが、少しずつ戻って来ています。しかし対戦していないので、昨年の12月からカードを使っていないんですよね。ですので明らかな数字は不明です。

試合が無いので集中して調整できない、ということが影響しているんではないですか?
そうですね。試合に限らずリーグ戦も中止になりましたし、ハウストーナメント、イベントも自粛になって、自分の力を出す場所がありません。今の自分の実力はどこまで落ちたのか?どのくらい変化したのか?それが分からないということが、ネックですね。

楽に投げるというのは具体的にどんなことなんですか?
セットアップがほぼ無いフォームです。PDCで言うとガーウェンのような投げ方ですね。ダーツを持ってきて、すぐに前に出すイメージです。そのため投げるリズムもかなり早くなりました。元々あまり引かないタイプで早い方なのですが、さらに早くなって来ています。
彼の投げ方は止まって構えて狙いすましてという動きではないですよね。取り入れて楽に投げられるようにはなりましたが、彼とは精度が格段に違うのでいきなりハードルが高くて苦労しています。

以前2019年とかで練習は時間や内容は決めていたんですか?
内容を決めてしっかりやっていました。まず最初に内容を決めて、結果が出たらそこで終えるので、時間は30分や1時間など日々違います。それ以上は投げないようにしていました。

カウントアップの場合は目標点を決めてやるということですか?
そうですね。カウントアップ、クリケットカウントアップ、そして一人クリケットです。

試合が無くなっても同じ練習内容だったんですか?
内容は基本的に一緒で投げ方を変えていたということです。

セッティングなども変えましたか?
ダーツを始めて16年余になりますが、一度もいじったことはありません。メーカーは変わっているんですが、長さも形状も同じものを使っています。道具は絶対変えない、というのはポリシーです。悪くても絶対道具のせいにはしたくありません。

今年はどこかでプロツアーが始まると思うんですが、準備はできていますか?
正直言って今の段階ではできていないです(笑)。でも日程さえ決まれば、それまでには準備します。現実的にならないとやはり最後の本気モードの調整ができないですね。ずっと気持ちを張り詰めていると、しんどいと思うんです。オンとオフをはっきりさせることも大事なことと考えています。
それまでに新しいフォームでレベルをしっかり上げていきたいと思っています。

ジャパンを2連覇して皆さん注目していると思いますが、今年の目標を教えて下さい。
開幕戦が一番、気合が入るところなんです。2018、2019両年とも開幕戦で優勝して、波に乗ってそのまま逃げ切ったんですね。開幕戦は全集中して臨みたいと思います。

最後に読者にメッセージをお願いいたします。
2021年度ジャパンが始まった時には、結果が残せるように頑張ります。コロナでモチベーションが下がっていますが、その際には応援よろしくお願いいたします。