Vol.38 3rd Seoul
Phoenix Tournament

2009年7月号

大会開催日: 2009年6月28日(日)
大会会場: 高麗大学内 化汀体育館 (ソウル 安岩洞)
KOREA UNIVERSITY “TIGER DOME’
参加人数: 1000名
主催: (株)ホンインターナショナル(HONG International Corp.)
後援: ダーツショップ(DARTSSHOP), プリズマ(PRISMA)

株式会社 エイチ・アイ・シー 広報
ソフトダーツ日韓対抗戦を開催できました事を誇りに思い、今後、毎年行われていく日本と韓国の熱い戦いをスタートさせられた事に興奮しております。そして、毎年この日韓対抗戦に出場する事が、両国の選手達にとってステイタスとなるようなイベントに育てていかなくては、という使命感でいっぱいです。
韓国のソフトダーツの歴史は浅く、まだ始まったばかりだと思うのですが、今大会では韓国選手のレベルの高さに驚くばかりでありました。野球がそうであるように、近い将来、日本と韓国の戦いが世界のソフトダーツ界において、最も熱い戦いになる事を予感します。日韓対抗戦を通じて、今後、日本と韓国のより良い交流が続いていくことを願っております。

韓流ダーツ、日本に迫るか
昨年10月に訪れて以来、約9ヶ月ぶりの韓国。この短い間に韓国ダーツシーンは大きく前進したようだ。その理由としてVol.34で取材した大会が韓国のメジャーなメディアによって、その様子をかなり大々的に報じられたことがあるようだ。ソウル市内だけでもダーツマシンを導入する店が1.5倍に増え、当然多くの新しい人々が関心を示すようになった。
韓国ダーツ事情、トーナメントを紹介しよう。

韓流ダーツ事情について
ホンインターナショナル(HI)に尋ねてみよう
■ 韓国ダーツのいままでの歴史
90年代にダーツブームが起こりましたが、それが消え去った後、ダーツは主にイベント素材として使用されていました。それが最近、新しいデジタルダーツが登場すると急速に全国に広まりながら、スポーツとして楽しむユーザーたちが現れ始めました。昨年からは、テレビドラマ、CM、芸能バラエティーのプログラムでダーツが頻繁に扱われ、少しずつ大衆化されてきています。
2006年からソフトダーツトーナメントを開催している(株)ホンインターナショナルは、2007年12月、全国ダーツトーナメントである“ソウル フェニックス トーナメント”を開き、韓国ダーツ界に新たな歴史を刻みました。
現在、韓国のダーツユーザーは、約70万人と推定され、その数は増加傾向にあります。

■ 昨年10月の大会以降のダーツの盛り上がり
昨年10月に開催された“第2回ソウルフェニックストーナメント”は、初の日韓ダーツ対抗戦が実現した韓国最大規模のダーツ大会でした。何よりも日本のプロダーツ選手へ多くの関心が注がれ、韓国のプレイヤーたちはプロダーツ選手である彼らを通して、新鮮な衝撃と刺激を受けました。国内最高はもちろん、今後、アジア全体のソフトダーツチャンピオンを夢見るプレイヤーが現れるなど、前回の大会で湧き上がった熱気は現在まで続いています。

■ 現在のプサン、ソウル各地でのロケーション数
韓国全域にわたり、1000件余りのダーツバーがあります。その中でソウルには320件余り、プサンには100件余りのダーツバーが活発に運営されています。

プレイヤーの進歩について
今年からはAクラスの大会が隔月で別途開催されているほど、プレイヤーたちの成長はめざましいものがあります。ダーツが広く知れ渡ると共に、熱意溢れるダーツマニアが増加しており、中・上級のプレイヤーの平均実力も急激な上昇曲線を描いています。

■ これからの韓国においての展望
韓国でのダーツトーナメントは盛況に行われており、参加者たちも多様化しています。全国ダーツフェスティバルである“ソウル フェニックス トーナメント”が年に2回開催されており、“フェニックス公式トーナメント(POT)シーズン2”が、来たる9月から最大参加記録である2000名を対象に、8週にわたり開催される予定です。大会を行うごとにプレイヤーの水準も高まっており、韓国でプロダーツ選手が登場するのもそう遠くはないと期待されています。

■ (株)ホンインターナショナル(HI)広報
デジタルダーツフェニックスは、操作が便利であることと華やかな映像画面のために、多くの人々に愛され、楽しまれているダーツマシンです。デジタルダーツフェニックスが、人と人を結び、コミュニケーションを可能にする全国民のスポーツゲームになることを願うと共に、今後、日韓ダーツ交流もさかんに行われればと思うところです。
韓国では、日本のダーツプレイヤーとダーツ文化について、とても多くの関心をもっており、日本でも韓国ダーツについて皆さんが関心を持ってくださり、応援してくださればと思います。今後のさらなる両国のダーツ文化の発展を熱く願っています。

トーナメント開幕
前回と同様にライブとダンスで華やかにスタート 1000名を超えるプレイヤーが参加

会場は大学構内のスポーツ施設
ダーツをスポーツとして認知させるには最高の舞台
昨年の大会は600名の参加が今年は1000名に。これは相当な伸び率。会場で以前の大会で知り合った人とダーツについて話をすると、ダーツショップを新しく開店する準備中と語っていた。きっと着々とダーツビジネスが新しく計画され、根付きつつあるのだろう。
東京、ソウル間は飛行機で2時間。博多、プサン間はフェリーで2時間の距離。これだけ近いと情報伝達が早く交流も容易なだけに日本、韓国は他のスポーツ同様、素晴らしいライバルになるに違いない。同時にダーツビジネスにおいてもしのぎを削る手強い競争相手になることだろう。この進歩の早さを見ていると、そんな時代はもうそこまで来ているのかもしれない。

韓日代表対抗戦
昨年と比較すると韓国チームは確実に成長していた
どんな試合だったのか?
日本代表の圧倒的な優位を予想していたが、ダーツを始めたのが半年というプレイヤーもいる韓国チームと、なんとフルレッグになる大接戦。一時期は日本チーム敗戦か?という空気も流れたが、なんとか凌いで勝利した。
それにしても韓国プレイヤーのブルの確率は凄まじいものがある。練習の賜だが、彼らの努力は各々コメントをいただいているので読んでいただきたい。

左上:Jun Yoshida 右上:Asakura Seiya  左下:Arakaki Shigehiko  右下:Hideaki Sasaki

日本代表
それぞれの思いを語っていただいた
Jun Yoshida
今回の日韓戦において、普段対戦する機会の少ない韓国の選手と試合ができ、私にとって貴重な経験となりました。試合の前半は無意識に硬くなってしまい、フォームもリズムもバラバラで本来の力を発揮することが出来なかった事が悔やまれますが、みんなの力で日本チームが勝つ事が出来て良かったです。対戦を通して、韓国選手のレベルの高さには驚かされました。ワンチャンスを逃さない集中力の高さ、こちらが良いプレイをしても一向に動じない、韓国選手の気持ちの強さを凄く感じました。今回日本代表として、日韓戦に参加出来たことを誇りに思いますし、素晴らしい経験をさせて頂いた事を感謝したいと思います。今年も8月から「Revolution」の予選が始まります。日本代表選手を目指して、みなさんチャレンジしてみてはどうでしょうか。私もさらに練習を重ね、レベルを上げて、またJAPANのユニフォームが着れるよう頑張りたいと思います。

Asakura Seiya
韓国の代表選手と戦ってみて、前回よりもはるかにレベルが上がっていたことに驚きました。中には始めて半年って言う方もいました!どの選手も精神的に凄くタフで高い集中力をもっていて、どの試合も良いゲームばかりだったと思います。結果的には勝つことができて本当に良かったと、ほっとしています。チームの皆で頑張ったのと、応援して頂いた沢山の方々のおかげです。本当にありがとうございます。プレッシャーのかかる中、皆一生懸命頑張りました。個人的には、もう少し頑張ってみんなをもっと助けたかったですが。しっかり楽しめたし、とてもいい経験ができました。是非また来年も出場したいです。今回のような雰囲気の中でダーツを投げられるのは他の大会ではなかなか味わえないと思うし、本当に楽しく出来ました。
必ず韓国のダーツシーンは今から発展していくでしょう。今回戦った素晴らしい選手達が、シーンをリードしていくと思います。もしかしたら、国民的スターみたいな人も出てきたりするんじゃないかって思うくらい、熱気と情熱を感じました。何のスポーツでもそうですが、ダーツでも日本と韓国は必ずライバルになると思います。彼等に負けないように僕らも頑張らなければいけません! 本当にいい刺激をもらいました!!!

Arakaki Shigehiko
今回の試合はとにかく不安でした。パ—フェクト仙台戦の数日前から肩を故障してしまい、練習量が減りあまりいい状態で望めなかったのですが、結果は日本の勝利で終わることができ、とても嬉しかったです。試合内容はシ—ソ—ゲームで勝敗が並び自分のシングルスがラストゲームになり、凄いプレッシャーを感じました。試合がチョイスにもつれコークも取られ、不安な気持ちの中、日本代表メンバーとエイチ・アイ・シー永田さんの応援があったからこそなんとか勝ち取ることができたと思います。最後のブルを決めた後、日本代表メンバーとハイタッチした瞬間が、自分のダーツライフの中で、ものすごい良い思い出になりました。また来年も日本代表メンバーになれるよう、これまで以上に努力しダーツと向き合っていきたいと思います。今回はほんとに良い経験と思い出になりました。

Hideaki Sasaki
すごく盛り上がっているなあと感じました。ダーツのレベルも高かったです。行く前に、以前対抗戦にでた選手にダーツのレベルについて聞いたら、それほどでもないと言っていたので、半年でここまでレベルが上がってるのには驚きました。対抗戦の結果はフルレッグまで行きなんとか勝ちましたが、いつ追いつかれてもおかしくないと思います。

左上:Kho Jun 右上:Kim Ki-Joung  左下:Nam Ki-Kwan  右下:Park Hyun-Chul

韓国代表
この中から世界に挑むプレイヤーが出現するかもしれない
Kho Jun
初めて日韓対抗戦の選手に選ばれた時には、「できる」という自信に満ち溢れていましたが、いざ当日競技が始まると、緊張感で頭が真っ白になりました。幸い競技が始まると集中でき、再び「勝てる」という自信が湧いてきました。勝ったり負けたりが続く接戦でしたが、結局は6:5で負けてしまいました。
心残りなことがたくさんあったけれど、今回の競技で多くのことを学び、また、多くのことを得ました。調子がよくはなかったにもかかわらず、競技へベストを尽くしていた日本の選手たちに感謝の気持ちを伝えたいです。

Nam Ki-Kwan
日韓対抗戦の選手として選ばれた時、嬉しくもあり、反面重荷でもあり、うまくできるかなという心配もありました。日韓対抗戦の前に、プロ選手たちが投げる姿を見ながら、本当にすごいと思いましたが、本気を出せば僕たち韓国チームも、十分にいい試合をできるだろうと確信しました。日韓対抗戦では楽しく競技でき、とても気持ちよく、個人的にはこの試合をきっかけにスランプを克服することができ、とても意味のある時間でした。

Kim Ki-Joung
まず、日韓対抗戦に韓国代表として参加することができ、本当に嬉しかったです。試合の結果が少し惜しかったけれども、本当に多くのことを見て学ぶきっかけとなった試合でした。今後もさらに多くのこのような親善試合が実現することを願い、韓国も日本のようにダーツ文化がさらに活性化されればと思います。

Park Hyun-Chul
待ちに待った日本のプロ選手たちとの試合……。インターネット動画で見るだけだった日本のプロ選手たちと一緒に試合をすることができる、そのことを考えただけでも、興奮していました。まず僕の目標は、日韓対抗戦で自分の実力を発揮する準備をするということでした。そのため毎日ダーツアカデミーで、韓国最高選手であるKho Jun選手、Nam Ki-Kwan選手、そして第3回Aクラス大会の優勝者である、Kim Ki-Joung選手と一緒に練習に励みました。練習する時、ダーツ一投一投に集中し、ミスする度に日本選手を思い浮かべました。
ついに決戦の日、始めから僕たちが勝つだろうとは思いませんでした。ただし、ベストを尽くし準備した実力はすべて出し尽くそうと思っていました。最初のゲームで勝ち、2ゲーム目でも勝ったことで、士気が上がり、チームの中に自信が満ち溢れました。しかし、やはり経験豊富な日本のプロ選手たちは落ち着いてペースを取り戻し、3ゲーム目から追撃し、いつのまにか戦局を逆転させました。しかし、僕たちのチームもそうやすやすと引き下がりはしませんでした。
チーム戦で押されたあと、個人戦ではKho Jun選手が健闘し、再びゲームはふりだしに戻りました。そして僕の個人戦……落ち着いて、自信を持って戦おうと自分に誓い、ゲームに臨みました。幸先よく、01ゲームで勝ちました。ところが2ゲーム目のクリケットを日本選手に奪われ、最終ゲームにクリケットを選択し、ゲームを始めました。落ち着いてゲームを引っ張り、ほとんど勝つかのように思いました。ところが、最後まで集中し続けることができず、逆転負けを喫してしまいました。ほとんど負けるとは考えられないくらい有利なゲームだったため、精神的な打撃が大きかったです。僕の逆転負けで再び流れが日本側に傾き、次はNam Ki-Kwan選手の番になりました。もしここで負ければゲームが6:4になり、終わってしまいます。しかし序盤に不利だった成績から、ひっくり返したNam Ki-Kwan選手、最後まで諦めず競技に望み、その結果日本選手に逆転勝ち……こうしてセットスコアは5:5となり、僕たちチームはもう一度チャンスをつかむことができました。
しかし日本選手のすばらしい活躍により、僕たちのチームは敗れました。本当にとても悔しかったです。
僕がもうすこしだけ頑張っていたら、最後まで集中さえしていたら勝てたのに……本当に、かなりの悔しさが残りました。しかし、今回の大会を通して多くのことを得ました。僕たちもやればできるという自信を得ることができ、時が経ち多くの経験を積んで今のように粘り強く努力すれば、いつか日本選手をしのぐ最高の選手になれるという希望をもったからです。今回のソウルフェニックス大会は、僕にとって本当に生涯忘れることのできない経験になりました。いい経験をさせて下さったHIさん、本当にありがとうございます。

Special Match Geum Dan-Bi vs ASAKO
スペシャルマッチに参加した Geum Dan-Bi ミスコリア兼フェニックス専属モデル
檜山亜紗子プロとの縁も、もう何回目かになります。日本で開かれた2008FLY大会で一緒に開幕宣言をしたり、昨年の第2回ソウルフェニックストーナメントで、親善試合をした経験もありました。再び出会った亜紗子プロは、いつものように明るい印象で親切で、久しぶりに再会できてほんとうに嬉しかったです。
いままでフェニックス専属モデルとしてダーツの練習を一生懸命したかいあって、いい試合をすることができましたが、おそらくアマチュアである私に気を使い、亜紗子プロが手加減をしてくれたんだと思います。次の機会にはもっと一生懸命練習し、正式に挑戦してみたいです。本当に楽しい時間であり、今後も日韓のダーツ交流に積極的に参加したいです。
現在の私は、昨年放送が終わったMBCドラマ「アヒョンドンの奥様」以後、ファッションショーや写真集撮影などをしながら、次期ドラマの準備をしているところです。近いうちに日本で女優として、又、フェニックスモデルとしてご挨拶できることを願っています。ありがとうございます。

Big Match
韓国No.1 選手 Kho Jun
韓日対抗戦後に行ったビックマッチでは、山田プロと対戦をしました。現在日本プロランキング1位ということで、さすがにその実力は想像以上でした。本当にすばらしい試合であり、さすがプロだと思いました。今後、日韓選手間の交流が盛んに行われればと思い、また、韓国の選手たちも多くの経験をつみ、日本の選手と肩を並べられればいいなと思いました。

※ Kho Junは確実に腕をあげている。前回は星野と対戦、01はまだしもクリケットでいろいろな場所を打つのは厳しいという印象を持ったが、今回はヤンマー相手にかなり肉薄した。以前はテイクバックする軌跡がフォロースルーする軌跡と違っていたが、かなり改良されている。この次にはどうなるのだろうか?楽しみだけど怖いような気もする。