佐藤 かす美
移籍後 初優勝

JAPAN LADIES、STAGE3新潟、初優勝おめでとうございます。決まった時には舞台で泣き崩れていました。
やはり移籍してから長かったので、一気に込み上げてしまいました(笑)。

今までに何回もインタビューお願いしていて、PERFECTでは優勝の常連でしたからね。移籍後はどうしたんだろう?と思っていた方々も多いことと思います。
違う環境に身を置いたわけですが、ダーツの技術としては同じです。改めて考えるとメンタル面が足りなかったですね。
プレイヤー達が私に向かって力いっぱい打ってきたので、それにやられたのかなぁ?(笑)。精神的に応対できていなかったように思います。

両プロトーナメントの違いは何でしょうか?
まずフォーマット、マシンが違います。ロビンからの勝ち上がり方も違うので、けっこう戸惑いましたね。特にPERFECTでは701ですが、JAPAN LADIESは501ですので、それが鬼門になっていました。

ライブ配信で観戦していた方々も多くて、ついに勝ったか!と応援のコメントは凄かったですね。
ずっと、お預けを食らっていましたからねぇ(笑)。普段通りに投げていれば勝てる試合もずいぶん落としました。たらればですが、何でこうなったかなぁ?という場面が多かったです。
昨年までは鈴木未来という世界一がいたため、どうしたら勝てるんだろうと試行錯誤の繰り返しでした。それが今年はJAPANに行ってしまいましたので、彼女を倒したいと思って移籍してきただけに、(今までに1回だけ勝たせていただきました)正直、心に穴が空いた部分はありましたね。
今年の開幕戦は入れ替えではなく、下からの戦いだったので(17位タイ)少しずつ上げていくタイプの私にはよかったと思います。そして次のSTAGE2(3位タイ)でも、調子はまぁまぁだったのが、今回の結果に繋がったと思います。

決勝はいわお 小鈴プロとでした。
最初の対戦だったと思います。前知識では入れた時のガッツポーズ、外した時のリアクションとかタイプが似ているよね、とか言われていたんです。彼女には失礼かもしれませんが、感情を表に出すプレイヤーと聞いていました。
彼女はTHE WORLDで優勝していて、実力もあるのは知っていたので負けたくないなぁ、と思っていました。年齢?経験値で勝てたかなぁ?(笑)。
彼女とは個人的にお話をする機会があったんですが、考え方もストイックで通じることも多く、フォームの改善や勝つためにはどうしたらいいですか、などストレートにいろいろ質問してきました。
「私、勝ってないです」と言うと「PERFECTでは強かったですが、どうしてなんですか?」と貪欲さが伝わって来ましたね。とても好意的に受け取ったんですが、これからさらに活躍するプレイヤーに成長することでしょう。

101残りでの場面で話題になったようですが?
私はブル、51という選択をしたんです。普通はブル、1、ブルがセオリーだと思うんです。でも前の4レグ目で81残って、45を狙いにいったんですが10トリプルに入ってしまって51残り、そこでフワッとなって外して上がり目が無くなってしまったんです。そこで相手に上がられてしまって、エクストラに入ってしまいました。
そこで最終レグで01チョイスされたのですが、51を外して悔しかったのが残っていての選択でした。
実はブル、あんまり好きじゃないんです(笑)。昨年も同じ新潟大会で後1本ブルで勝利、という場面で外しているんです。一番狙って来ているから、外しやすいという経験もしているんです。
今回もタイムアウトを取って間を開けたんですが、逃げたくなかったんです。外してシングルに入っても上がり目があるので、思いっきり振り切って投げました。絶対この選択だと思っていたので、入ってよかったです(笑)。ツイッターで聞かれたので、ここでその時の気持ちを話したいと思います。ブルに対しての恐怖!分かって下さい。

移籍後勝てない期間、どんなことをしていたんですか?
言葉での表現は難しいですね。今まで勝てていたのは自分の実力だったのかもしれない、レーティングの数字では技術は証明されている、でも相手があってこそ対戦できて優勝できるんです。試合で勝てなくなると、自分への怒りが多く湧き上がって後悔することがよくありました。それをうまく消化できずにいるまま、次の試合に進むようになっていました。
練習で自信を付けようと、たくさんしましたが、それで勝てる訳ではないじゃないですか。何が足りないんだろう?と考えていました。結論は大事な場面でのメンタルですね。JAPAN LADIESでは普段のレーティングよりも打ってくる、メンタルの強いプレイヤーが多いんです。私〜、弱いんです(笑)!

え〜、そうなんですか?
そうですよ。打たれ弱いですし、すぐ泣くし…。それがこの2年ぐらいは顕著に出ていたと思います。ダーツのみならず他のスポーツ選手でもあることなので、それについてずっと考えていました。

移籍した時は随分注目されました。
それも辛かったです。PERFECTでは勝てて当たり前と言われていたので、凄いプレッシャーでした。当時は優勝しても「おめでとう」のラインは10件ほどでしたね。
移籍後は「お疲れ」みたいな感じになってしまって…。勝てて当たり前なんて思っていなかったんですが、「勝てるハズ」はどこかではあったんです。
移籍する際にライブカードを作りましたが、レーティングも18ぐらいあったので、ある意味で自信はありました。それもキープできていたのに、なぜか試合では勝てない?なんで?と泥沼に入り込みました。何回も繰り返しますが、メンタリティが伴っていませんでした。技術とメンタル、両面の力があってこそ勝てるようになる、と気付かされましたね。

昨年まではコロナで試合もコワゴワな開催でしたが、いよいよ明けた感じになって来ていますね。
私の場合マスク着でもなくても、影響されないのでいいのですが、支障が出るプレイヤーはたいへんだったでしょう。ここで制約が無くなって環境が以前に戻れることは嬉しいですね。ガッツポーズなども解禁され、パフォーマンスもできて、良いダーツが増え、より盛り上がるステージになると思います。

ユニコーン・チームはいかがですか?
浅田 斉吾プロ、鈴木 徹プロと私の3人ですがお二人とも既に優勝しているので、やっとそこに追いつきました。JAPANは今、戦国時代のようになっていますが、お二人は素晴らしい成績を残していると思います。入れ替え戦でお二人が対戦する時には、なんでそこ引くの?と苦しく観戦していました。
いつも3人で連絡取り合って、頑張っています。

初優勝しました。環境にも慣れてきて、改めて目標はいかがですか?
それほど優勝の実感は無いんです。グシャグシャに泣きましたが…(笑)。やっとスタートラインに立てたと思っています。これからどうしていくか、勿論優勝を重ねて年間1位を獲りたいですね。目標は大きく!です。まず次に向けての準備です!ダーツも人間的にも成長して頑張ります。ただの1勝なのに、インタビューありがとうございました。これからも応援よろしくお願いいたします。

以前のインタビュー
https://newdartslife.com/darts_angel/vol-112-kasumi-sato/
https://newdartslife.com/darts_angel/047_kasumi_sato/
https://newdartslife.com/story/025-rival_sato_fujino/