Natsumi Iwata-Vol.93.2018.9-Top

Vol.93 岩田 夏海
まだまだ未熟ですが

2018年9月

ダーツの出発点を教えてください。
20歳の時にアルバイトしていたバーにオフラインのスペクトラムがあったんです。そこで女の子達やお客さんとワイワイ投げてたのが始まりです。

真剣に投げ始めたのはいつ頃ですか?
投げ始めてからすぐマイダーツを買って、それからは真剣に練習する様になりました。

JAPANレディースに参戦したのはいつからですか?
2013年の8月からです。東京ビッグサイトが初めてのプロの試合でした。現在プロ5年目です。

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結構長いですね。
でも本格的にツアーを回り始めたのは3年目なんです。それまでは昼間の仕事が忙しくて、スポットで出るのも難しい状況でした。

今年は現在15位という成績ですが、それについてはいかがですか?
去年の最後の方から初めて入賞出来る様になったので、今年はスタートから気合いを入れて頑張ろうと思っていました。今のところなんとか良いスタートを切れているのではないでしょうか。でもまだまだ安定感がないので、もっと頑張らなくてはと思ってます。

今までに印象に残った試合はありますか?
初めて入れ替え戦を突破した時の試合が印象深いです。鈴木未来選手と当たったんですが、下にいては対戦できない選手なので、すごく良い経験になりました。

JAPANレディースの舞台裏はどのような雰囲気ですか?
以前はよく「女の戦いって怖いよね」みたいに言われがちでしたが、全然そんなことはないんです。試合は真剣ですがそれ以外ではみんな仲良くて、仲間同士で支え合ったりしています。
もちろんロビンが始まればみんな真剣になりますが、私はそういうオンとオフを切り替える空気がすごく好きですね。

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女子プレイヤーに注目が集まっていることについてはどう思われますか?
もっと注目されてもいいと思います。可愛いと言われているプレイヤーも多いですが、もっと女子のカッコ良さも解ってもらいたいと思いますね。可愛いだけじゃないんだよと(笑)。

昔に比べると今の女子は本当におしゃれで、ヘアスタイルやメイクやネイルにも気を使ってますよね。
そうですね。ヘアにしても奇抜なカラーやスタイルにしている人もいるし、ファッションなども個性的なプレイヤーが多いと思います。私も今は黒髪ですが、始めた頃はベリーショートで金髪でした(笑)。そういう変化にも気付いてもらいたいなと、女子なりに思いますね(笑)。

ご自分でどのようなプレイヤーだと思いますか?
最近は名前を知ってもらえる機会も多くなって「おなつ、おなつ」って声をかけてくれるんですけど、みんな妹や子どもをいじるような感覚で絡んできてくれるんです。そういう感じの立ち位置なのかなと思いますね(笑)。

一年間のツアーをこなすためにどうやって体調管理をしていますか?
我慢しないことです。ツアー前だから練習しなければいけないとか、無理にガンガン詰め込んだりしないようにしています。もちろん練習はしますが、ダーツ以外にも友だちとカラオケや食事にも行きます。必要以上にダーツだけにならないことがストレスをためない方法だと思います。

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今ダーツで一番大事にしていることは何でしょうか?
イメージですね。
ダーツというのは手から離れて自分よりも遠くにある的に向かって投げるスポーツです。私が行くお店はビリヤードがメインなんですけど、ビリヤードは常にキューを持って球を突く競技ですよね。でもダーツは常に触れているものではないので、よりイメージ力が大事だと思うんです。
良いイメージも悪いイメージも自分でいくつか持っていて、そのイメージを日々進化させていくことが大事だと思います。

ではお仕事について教えてください。
私は二児の母なので、普段は子育てをしながら事務の仕事をしています。
そしてプレイヤーとして何店舗か行かせていただいています。

とてもお若く見えますが、二児のお母さんなんですか?
そうなんです(笑)。

 

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尊敬するプレイヤーはいますか?
野毛駿平さんです。年間ランキングを獲った時代もあり、野毛選手のダーツには芯があると思うんです。私は同じ歳なんですが、あの存在感はなかなか出せないと思いますね。

コスモダーツとはいつから契約されているのですか?
ツアーを回り始めた2015年からです。3戦目くらいで運良く入れ替え戦に行けたんですが、その時に声をかけていただきました。

コスモにはプレイヤーもたくさんいますが、居心地はいかがですか?
コスモダーツは関西の会社なので関西のプレイヤーさんが多いんです。関東のプレイヤーは少ないんですが、そんなのは関係なくすごく良くしてくれます。みんな本当に仲がいいなと思いますね。

ダーツの魅力は何でしょうか?
長年できることと、どんな取り組み方でも楽しめるところです。
今日みたいな『日本ダーツ祭り』という大きなイベントでは、初心者から上級者までいろいろな層が楽しめますよね。ガチ勢もエンジョイ勢も、年齢層も男女も関係なく楽しめるスポーツというのはそうないと思うんです。

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THE•WORLDは男女の選手が一緒になって戦う大会で、女だから弱いとか男だから強いとかいう線引きがないのが魅力ですね。

ダーツ意外の趣味はありますか?
アニメ鑑賞がすごく好きです。結構インドア派なので、テレビでやるドラマや映画やアニメはだいたい見ますね。ゆっくりのんびり派です(笑)。

これからの夢や目標を教えてください。
今はとにかく、安定して常に優勝を狙っていきたいです。
ゆくゆくは年間ランキングに毎回入れる様になって、いろいろな人達と戦っていきたいです。

最後に読者にメッセージをお願いします。
まだまだ未熟ですが、常に元気と笑顔を絶やさずに楽しくダーツをしていきたいと思っています。応援よろしくお願いいたします。

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取材の翌週に初優勝したので追加インタビュー

初優勝おめでとうございます。
ありがとうございます!

長い道のりでしたね。
そうですね。先日NDLの取材を受けて、自分の気持ちを改めて言葉にしてみたら、意気込みが変わった気がします。

日本ダーツ祭り2018で取材させていただいた次の週に、いきなり優勝されたんで驚きました。
取材の機会をいただいて会話している中で、「自分はこういうモチベーションだったな」というのを明白にイメージできたんです。あの時、気持ちを新たにできて良かったと思いました。

優勝した当日は何か特別に違う感覚はありましたか?
朝ドローした時に、初めて001番を引いたんですよ。160分の1の低い確率なので「001番なんか引けるんだ」と驚いたのと同時に「何か良いことあるわー」と朝からテンションが高くなりました(笑)。

試合はいかがでしたか?
私は入賞できた試合はいつも準決勝で敗退していたので、決勝よりも準決勝に鬼門感があったんです。相手は同じコスモの大先輩山口 祐理子選手で、しかも初めての中継台だったので、試合前は少し硬くなりました。
でもコスモのスタッフの方に、「負けてもコスモ、勝ってもコスモだから全力でやろう」と言われて「思いきってやろう」と気持ちを入れ直して勝つことができました。

決勝の相手は18連勝中の鈴木未来選手でしたね。
決勝が始まる前に未来さんや他の選手からも「楽しまないと絶対損だから」と言われたんです。それで振り返ってみたら、その日の試合は全部楽しみながら投げていたなと思ったんです。「勝ちたい、頑張ろう」と気合いを入れながら投げたのではなく、「ダーツって楽しいな」と心から思いながら投げられてたんですよね。緊張してガチガチになることはなくて、すごく楽しく試合してたんです。
その気持ちを持ちながら決勝の舞台に立てたので、良い結果につながったのだと思います。

鈴木選手は昨年から連勝し続けていて歴史のひとつになったと思います。この連勝を誰が止めるのかと注目されていましたが、それを止めたというのは素晴らしいことですね。
本当にありがとうございます。

改めてどう思われますか?
ダーツは個人競技ですが、私は一人でここまで来れた訳ではないです。私がここまで強くなれたのは、サポートしてくれる周りの人や応援してくれた人達のおかげなので、本当に感謝しかないです。

これでトップ10入りを果たしましたが、もう少し上を狙いたいですよね。
はい。とりあえず前半戦は残り1戦しかないので、やれることをやってキープして、後半戦につなげたいと思います。

最初の取材では「これからも頑張ります」ということでしたが、これでだいぶ欲が出てきたのではないでしょうか。
本当にそれはありますね(笑)。年間ランキング一桁台というのは意識するものが多いなと思いました。「あぁ、こういうことなんだな」と、新しい気持ちを実感しています。

これをきっかけにファンも増えるでしょうし、他の選手からも意識されると思いますが、これからも頑張ってください。
ありがとうございます。頑張ります!

では改めて、この優勝のメッセージをお願いします。
ここで止まらない様に、これからもとにかく突き進むしかないと思ってます。みなさんの応援や支えが私には絶対必要なので、これからもよろしくお願いいたします!