Vol.104 牧野 百花
「距離の壁」

2020年9月号

アイドルとしてもダーツプロとして全く変わった2020年

「東京オリンピックがあるから、来年はツアーのホテルとか交通機関の手配とか、早めにしとかないと上手く回り切れないかもねぇー」なんて呑気にボヤいていた去年の今頃。
まさかこんな非日常的日常がやってくるなんて思いもしませんでした。もう2020年も折り返し地点を過ぎているというのに、例年に比べたらどう考えてもiPhoneのカメラロールの中身が寂しい…。私の2020年はまだ2019年の延長線を過ごしているような感覚なのです。

ダーツプレイヤーとアイドルという、ちょっとだけイレギュラーな掛け持ちをしている私の場合は、緊急事態宣言発令という異常事態で、ライブ、イベント、試合、撮影会とカラフルだったスケジュール帳が、あっという間に隙間だらけになりました。
「仕事が無くなるということ=ファンの皆さんに会えなくなる」ということなのですが、如何に今まで贅沢な時間を過ごしてきていたのか、ということをこれでもかというほど思い知らされました。

人の暖かさに触れることで明日の自分を奮い立たせることが出来ていたのに、一気に燃料を切らしたような気分でしたね。
しかしながら、その中でも昨今はライブ配信やTwitter、SNSを駆使すればまだ皆と繋がっていられるし、試合とステージ、一番アピール出来ると思っていた舞台を奪われたとしても、物はやり用とは良く言ったもので、Hyper electraでは週に2回のYouTube配信。
アイドルユニットでは「のーぷらん」というユニット名のわりには、運営はきちんとお客さんに寄り添えるプランを考えてくれています。オンラインでチェキ風の画像やメッセージビデオを送ったりと、新しい事にたくさん取り組むことができました。

最近ではアイドルのライブもオンライン観戦チケット制が流行り出して、来場人数は減らせども都心に来れない人たちが、ゆっくり家でライブを見ることもいよいよ普通になってきました。
そこで気付いたのは、普段やらなかった生配信やオンラインサービスによって、今まで遠くに居て距離を言い訳に接する機会の少なかった地方の皆さんと、以前よりもよっぽど関わることが出来ている気がしているのです。
このピンチのおかげで「距離の壁」を簡単に乗り越えられることがわかったし、こんな世の中だけどもこんな時代に生まれて来て本当にラッキーだったなと思ってます。
コロナが落ち着いた頃、どの業界もさらに盛り上がるような布石を、今の間に打っていけたらかっこいいなって思います。