Vol.100 広瀬 晴香
感動してもらえるようなダーツ

2019年11月号

ダーツを始めた出発点について教えてください。
当時付き合ってた彼氏がやってたので、一緒に遊びで投げる様になりました。だんだん負けるのが悔しくなって、気がついたらハマっていました。

それはいつ頃ですか?
7年前です。

真剣に投げ始めたのはいつからですか?
ダーツを始めてからわりとすぐに、今勤めてるお店にご縁があって働かせていただくようになったんです。当時はまだCフライトでしたが、それから真剣に投げる様になりました。

ジャパン・レディースに参戦し始めたのはいつからですか?
2014年度からです。最初は関東だけのスポット参戦でしたが、昨年と今年はほぼフル参戦しています。

成績はいかがですか?
去年は年間ランキング8位だったので、今年はそれより一つでも上に行くことを目指しています。

年間ランキング8位はなかなかの成績だと思いますよ。今年のステージ5は3位、ステージ6と7が5位、ステージ10が2位でしたね。ステージ10は鈴木未来選手との試合でしたが、いかがでしたか?
その日はあまり体調が良くなくて、予選と一回戦目は自信もない中なんとか拾って勝てた様な状態でした。でもこのままではダメだとスイッチを切り替えて決勝まで駆け上がったんです。
そのモチベーションをキープしたまま臨めた決勝だったんですけど、勝てなかったですね。自分のベストを出して負けたので、実力の差を見せつけられた試合でした。1ラウンドのチャンスを生かせなかったのが大きかったです。これが力の差だというのを痛感しました。

印象に残った試合はありますか?
2つあります。1つは2018年度のジャパンアワード準決勝で岩田夏海プロと対戦した試合です。この時は5レッグまでいって、クリケット劣勢だったところブルでまくりました。
もう一つは去年、北海道で同じ店舗の宮脇プロと戦って準優勝した試合です。これも同じ様な流れで、劣勢でしたがあきらめない気持ちを持ち続けて勝てたんです。
どちらも「最後まであきらめなければチャンスは来るんだ」というのを実感しました。そしてそのチャンスをモノに出来た試合なので印象に残っています。

同じ店舗にジャパン・レディースのプロがいるのですか?
そうなんです。もう一つの淵野辺店にトリニダードの宮脇実由プロがいるんです。

ジャパン・レディースの舞台裏はどのような感じですか?
みんな結構フランクで、控室ではダーツの話やプライベートの話をしたりしています。選手同士は仲良くて「みんな頑張ろう!」みたいに士気を高め合ったりしています。

和気あいあいとしてるんですね。
そうですね。ピリピリした雰囲気はなくて和やかな感じですね。

ジャパンの魅力はどんなところですか?
私がジャパン・レディースに入った理由は、ダーツライブしか知らなかったからなんです。ダーツライブを使うプロ団体がジャパンだったので、自然に入りその後にパーフェクトの存在を知りました。なのでパーフェクトについては分からないですが、ジャパンにはいくつも魅力があると思います。
実際やっていて感じるのは、見ている人が一番楽しいのが入れ替え戦システムではないでしょうか。上から迎える人と下から向かう人の気持ちの葛藤は、他にはない魅力の一つだと思います。

女子プロプレイヤーが注目されることについてはどう思いますか?
私は今年30歳でダーツ歴も7年になり、もう若手とは言えない存在です。最近の若手のプレイヤーの活躍は目覚ましくて、中堅も負けられないなと刺激をもらうことが多々ありますね。プレイもそうですが、個性的で華やかな女子プロが増えているのは、ダーツ業界にとってはいいことだと思います。

マヨンヌなど大人気ですからね。
彼女とはスポンサーも同じで仲良しなんです。女性としての魅力もそうですが、人としての考え方や強さも兼ね備えてて、年下ですけどとても尊敬しています。

ご自分でどのようなプレイヤーだと思いますか?
頭では常に冷静に淡々と試合をしたいと思ってるんですけど、実際は結構泥臭い部分が多いんです(笑)。良い成績を残すためには、常にチャレンジャーで「やってやるぞ!」みたいな気持ちが無いとダメなんだなと感じてます。

一年間の調整はどのようにしていますか?
体力面では特に運動もしないし、今まであまり考えたことがなかったんです。でも精神面については試合の時もそうじゃない時も、毎日考えていますね。自分がどういう状態で試合に挑むと気持ちよく投げられるか、常にそれを考えています。
試合の感覚が空いてしまうと、どうしてもモチベーションの維持が難しくなりますよね。そういう時はお店でお客さんと対戦する時などに、もっとレーティングを上げようとか、試合とは違うところに目標を置いて投げる様にしています。そうやって試合までモチベーションを保てる様に努力しています。

練習方法や時間についてはいかがですか?
基本的に練習はお店が終わってからで、一人だとひたすらカウントアップをやってハイスコアを目指すという練習をします。
私はハット率が悪くてなかなか出せないんです。師匠からは「最低でも一日に30回はハットトリックを出せ」と言われているので、よっぽどの理由が無い限りはそれをやる様にしています。

今ダーツで一番大事にしていることは何ですか?
最近は嬉しいことにスポンサーさんがついてくれて、お店のみんなも応援してくれています。地域みんなで応援してくれている感じなので、その方達に恩返しがしたいという気持ちで投げています。
どんなに泥臭い試合でも絶対勝って、みんなに喜んでもらいたいと思ってます。今はそれが一番大事なことですね。

尊敬するプレイヤーはいますか?
大先輩の鈴木未来プロです。いつもいろんなことをやさしく教えてくれて、人としても女性としても素晴らしい方です。
男性では私の師匠の幕内邦昌プロです。最近は会えてないんですが、会うと的確なことをしっかり教えてくれます。このお二人は努力の塊なので、こんなプレイヤーになりたいなといつも思っています。

スポンサーのTARGETについてはいかがですか?
もう感謝しかないです。初めてついてくれたスポンサーがTARGETなのですが、とにかく選手ファーストに考えてくれるメーカーさんです。
プレッシャーをかけてくるわけでもなく、常に「頑張ってね」と暖かく見守ってくれて、遠過ぎず近過ぎない距離感を保ちながらとても良くしてくれます。バレルもすごく良い物なので本当にありがたいです。

日本にも海外にも錚々たるメンバーがいますからね。
そうなんです。すごい先輩達がたくさんいるので目標になります。まだまだ力及ばずですが、いつかそこに入りたいという気持ちで、自然と意識が高まります。

改めてダーツの魅力はなんですか?
みんなよく言うことですが、子供からお年寄りまで男女問わず楽しめるというのが最大の魅力だと思います。

ダーツ以外の趣味はありますか?
私は漫画が好きなので、月に何冊と決めて気になる漫画を集めたりするのが楽しいです(笑)。
それから試合に向けて体力を付ける目的で、来月からジムに通います。なのでこれからは筋トレも趣味にしようかなと思ってます(笑)。

では来年は素晴らしい腹筋のプロになりますね。
ナイスバディ目指して頑張りたいです(笑)。

これからの夢や目標を教えてください。
ジャパンでは女子だと年間ランキング3位まで自分のテーマが作れるんです。まずはそのテーマを絶対に作るというのが目標です。みんなどんどん強くなって来ているのでなかなか厳しいですが、とにかく優勝すること!実力とかでは自分も負けてないと思うので「絶対勝てる!」というチャレンジャー精神で頑張りたいです。
あとは今年からスティールの試合にも出始めているので、スティールでも結果を残して代表選考に選ばれるくらいになりたいと思ってます。

最後に自己紹介も兼ねて読者にメッセージをお願いします。
広瀬晴香、今年30歳になります。がむしゃらで泥臭いですが、みなさんに感動してもらえるようなダーツをお見せできるように頑張りますので、これからも応援よろしくお願いいたします!