Paul Lim
JAPAN 初優勝

どういう流れで日本に来て、JAPANに挑戦することにしたんですか?
理由はコロナによるものなんです。元々は日本で挑戦することを考えていたわけではありませんでした。当時は香港に住んでいたんですが、PDC World Championshipに参戦後、香港行きのフライトがすべてキャンセルになってしまったんです。そこでダーツライブ社からシンガポールや日本に行って、弊社を手伝ってくれるのはいかがですか?とオファーをいただいたんです。香港のコロナ規制はとても厳しかったので、いつ帰れるのか分からない状況で、本当に困ってしまいました。そこで大好きな国日本を選びました。
そして2年半ほど前になりますが日本に来ると、JAPANに挑戦するのも良いアイデアかもしれない、となったんです。とてつもなく盛り上がっているソフトダーツプロツアーですからね。今やJAPANプロは千人ほど登録されていますし、毎ステージ多くのプロがしのぎを削っていますから、挑戦しがいがあるな、と思いました。PDC Asian TourやTHE WORLDも両立できますし、よかったです。

STAGE-4 新潟 優勝おめでとうございます。
ありがとうございます。やっと勝つことが出来ました。次のステージでも決勝に進みましたが、残念ながら敗退しました(笑)。いやぁ、JAPANで勝つことは実にたいへんなことですね。改めてそう思っています。

優勝した時は70才と4ケ月ということでしたので、誰もが驚いていました。
ハハハ、そうですか!自分でも驚いていますよ!絶対可能だと続けて来ましたが、嬉しく思っています。年間ランキングも上がって満足ですね。
やっと馴れて来たのかな?と思っています。シンガポールや香港では言葉も出来ますし、カルチャーも分かっています。しかし日本は全く違いますからね。どこかに行くのに迷ったり、コミュニケーションでは理解できないことも多いです。
これからは勝てるチャンスが増えるのではないでしょうか。

STAGE-5では現在ランキングNo.1の畦元 隆成プロでした。
彼とはPDC Asian Tourでも何回も対戦していますが、良いプレーヤーですね。ソフトだけではなく、スティールでも実力を付けていると思います。これからどこまで成長するのか楽しみですね。
コロナ以降多くの新しいプレーヤーが登場しました。きっとその期間、黙々と練習していたんでしょう。彼のみならず楽しみなプレーヤーが増えています。確実に毎年ステップアップしていると思います。

多くの試合に参戦していますが、そのタフさはどうやってキープしているのですか?
忙しい方が好きだからですね。自分でもよくやっていると思いますよ。でも最近は大きな変化もあります。昔は5〜6時間ストレートで練習していましたが、今は1時間やっては休憩してとなっています。もしJAPANが2日も3日も続けて開催されたら厳しいでしょうね(笑)。先日SUPER DARTSで久しぶりにフィル・テイラーに会いましたが「ポールはクレイジーだよ」と言われてしまいました。

約20年ほど前ポールは日本各地を周って、ダーツの普及に貢献していただきました。今の日本ダーツの状況はいかがでしょうか?
最初に来日したのはスティールダーツで30年ほど前だったように思います。そしてソフトダーツマシンのメダリストのスタッフとなってからは、日本国中をエキシビションで駆け回りましたが、懐かしいですね。ソフトダーツがここまで広まった一助になったのではないでしょうか。
今の日本はソフトでは世界をリードする素晴らしい環境の国となりました。その移り変わりを見てきて、お手伝い出来て、嬉しく思っています。日本は僕にとって特別な国ですね。

PDCでの活躍という面では物足りないという声もありますが…。
日本人はそう思うかもしれませんが、やはり環境が違い過ぎますよね。言葉、食事、天候、文化、しかもスティールダーツですよ。もしそこで活躍したいのであれば、首までそこにつかって挑戦する覚悟が必要だと思います。きっと近い将来、若いプレーヤーからそんなプレーヤーが出て来ることでしょう。

ところで引退とかは考えているのですか?
何も決めていませんが、数年後でしょうか?体力、気力がある限り続けたいですね。だって楽しいですから…。

これからの目標はありますか?
もし引退したら、ユースを教えるような組織を作りたいですね。次の世代にダーツを繋げること、夢がある仕事だと思います。