Hirokazu Osaki-Vol.68.2014.7-Top

Vol.68 大崎 裕一
感動できるようなダーツ

2014年7月

ダーツの出発点を教えてください。
今から11〜12年前にパブで働いてたんですけど、そこで「今こんなものがあるんだよ」と言うことでダーツを置くことになったんです。その頃の茨城にはダーツはあまりなくて珍しいものだったんで、遊びでやっているうちに「これは楽しいな」と思う様になりました。それが僕のダーツの出発点です。そうですね、ダーツ暦としては約11年になりますね。

真剣に投げ始めたのはいつ頃からですか?
遊びで投げてたのは最初の一年くらいで、その後は真剣に投げ始めました。ダーツライブのカードを刺すようになってオンラインになってからは本気になりましたね。

現在ジャパンに参戦されていますが、2012年は20位で昨年は31位、そして今年は9位という成績を残されています。この成績についてはいかがですか?
一昨年も昨年もあんまり良い成績ではなかったので、今年は自分の趣味も遠ざけて今まで以上に気合いを入れています。仕事もダーツ、趣味もダーツという環境にしているのでばっちりですね。
お仕事のことをお聞かせください。
今は毎週火曜日と水曜日は神田小川町のダーツハイブさん、それ以外の曜日は千葉のリアル松戸店さんで仕事をさせてもらってます。

内容としてはどのようなことをなさっているのですか?
ハイブさんでは主に対戦です。僕はダーツの投げ方を説明するのが下手で、どう言ってあげたらいいのか言葉が出てこないので、教えることが苦手なんですよ(笑)。リアル松戸さんでは本当に少しだけ教えることもありますが、やっぱり対戦がほとんどですね。

ここ数年はジャパンで頑張っていらっしゃることと思いますが、技術的に大きな変化はありましたか?
今年に入ってからなんですが、僕の中ですごい変化がありました。いつも使っているグラディエーターというバレルはものすごくカットがきついんですけど、それをまろやかなカットのものに変えてから成績を残せるようになってきたんです。カットに頼らないダーツを投げてみようと思っていた時に、ダイナスティの社長が「ダメでもいいからこれで投げてみたら」という案を出してくれたんです。それを試してみたらすごくいい感じで投げられたんです。
ジャパンに参戦するようになってから、僕のことを応援してくれる人が徐々に増えてきてくれています。その人達にもっと良い結果を見せるためにはどうしたらいいかと考えた結果が、バレルのカットを変えることだったんです。

ダーツ以外のスポーツは何かされていましたか?
スポーツは基本的にはなんでもやるんですけど、中学の頃はバドミントンをやってました。その時は全国中学生大会で優勝してるんです。以前はネットで「オオサキヒロカズ」と検索すると、ダーツじゃなくてバドミントンが出てきてたんですよね(笑)。

ご自分でどのようなタイプの選手だと思いますか?
アホなやつだなと思います(笑)。自分で自分をどうしようもないやつだなと思います。でも挨拶などはかかさないようにしているので、礼儀だけはちゃんと出来てるかなと思ってます。

試合前の調整や特に気をつけていることなどはありますか?
今年からカイロプラクティックのスポンサーさんがついてくれたので、そこに試合の3日前の木曜日には必ず行くようにしています。ずっと投げてると背中や足が張ってくるので、それを取ってもらって体を整えてもらっています。そのせいで体が楽になってすごくいい状態で試合に出られるようになったんで、「カイロプラクティックって、すごいな」と改めて思いました。

お酒は飲まれますか?
嫌いだけど飲みます(笑)。

試合中はどのくらい飲みますか?
あまり飲みすぎると思考力も体力も無くなっちゃうのでそんなには飲みません。飲まない時は2〜3杯なんですけど、最近は肩が痛くてその痛みを忘れるためにも7〜8杯飲んでますね。

今までにスランプはありましたか?
去年です。2013年はとにかく何をやってもダメでした。いくら練習しても入らなくて、それによって投げれば投げるほどストレスが溜まるという悪循環でした。なので今年は「悩む前に投げる」という作戦で頑張ってます。

今までで印象に残っている試合はありますか?
初めてプロの大会にアマチュアで出場した試合ですね。その時はアレンジなども全然知らなかったんです。残ってた数字が126だったんですけど、たまたま60・60・3ダブルで上がったのを後になって考えると「ほんとアホだな」と思いますね(笑)。パッと見た時に「あ、60・60・3ダブルでいいや」と単純に思って、それをきれいに決めてガッツポーズもしないでスーッと退場したら「何あれすごーい」って観客の人が言っていたんです。でも当時の僕には「何がすごいんだろう?」と意味も分からない。結局負けたんですけど、戻ったらみんなに馬鹿にされました(笑)。
それから「アレンジって難しいんだな」ということを理解しましたが、それまでは「偶数だったら偶数を狙えばいいんでしょ」程度で、上がり方なんか意識したことはなかったんですよね。あの試合は「アレンジ」というものを知った印象的な試合でした。

普段の練習方法や時間を教えてください。
いつもインブルを狙う練習をします。イーグルズアイですね。インブルを狙う集中力がずっと続けば試合でも有効的だし、小さいところを狙ってるので形も固まると思うんです。これは僕の場合ですけど、インが確実に入るようになればどこを狙っても入るだろうと思うので、とにかく集中してインブルを狙う練習を続けています。
今年中にイーグルズアイで1000点出してやろうと思ってるんですけど、なかなか出ないですね。さすがに1000点は簡単じゃないですけど、ぜひ頑張ってみたいですね。

今ダーツで一番大事にしていることは何ですか?
体力です。前回の広島大会の時は体力が続かなくてどうにもならなくて悔しい思いをしました。集中力を使うということは体力が消耗されるし、お酒を飲んでもそうですよね。ある程度のプロの人達は、技術的にはほぼ同じだとしても体力とメンタル的な部分で差が出てくると思うんです。なので今は体力をつけることに重点を置いて、故障をしないように筋肉トレーニングに励んでいます。筋トレだけだとちょっと足りないので、インナーマッスルも鍛えられるようなメニューもいろいろ取り入れてます。

ずいぶん早くから筋肉トレーニングを始めてダーツに生かされてるということですね。
ダーツを始めるずっと前から筋トレはやってたんですけど、たまたまやらない時期が何ヶ月かあったんです。そうしたら肘を壊してしまって、その時改めて「筋肉って大事なんだ」と再認識して、それ以来また続けるようになりました。それから僕の場合は筋肉があった方が見た目もいいかなと……(笑)そんな感じなんです。

プロダーツプレイヤーとはどのようなものだと思いますか?
プロになりたいという人達の目標になれるような存在であるべきだと思います。

尊敬するプレイヤーはいますか?
やっぱり木山選手ですね。

ダーツの魅力はなんですか?
僕はこう見えてすごい人見知りなんです。なので、ダーツを通していろいろな人と知り合えるのが一番の魅力だと思います。

ダーツ以外の趣味はありますか?
今年は趣味をダーツにしたんですけど、去年は麻雀でした。去年は調子が悪くてストレスが溜まってしまって、それを発散するために麻雀をやってたら趣味の域を超えてしまったという状況でした。もうそうならないためにも今はダーツ以外の趣味はありません。

ダイナスティについてはいかがですか?
社長はちょっと強面なんですが(笑)、すごく良い方なんです。僕があまりにも勝てないんでバレルに気を使ってくれて、プロトだけでもうたぶん20種類くらい作っていただいてるんです。
やっとそろそろ形になって来てるところなんですが、納得のいく物を作っていただいて感謝しています。本当に良いところに入れたなと思っています。

今後の夢や目標を教えてください。
まずはジャパンで上位に食い込んで、スーパーダーツに出て、日本だけでなく世界の試合で優勝することが目標ですね。そうすればお世話になってるダイナスティさんにも顔が立つかなと思っています(笑)。

最後に読者にメッセージをお願いします。
これからもこういう楽しいダーツをしながら勝っていきたいと思ってます。笑いながら投げていたりするのでふざけているように見えるかもしれないですが、あれが僕のテンションが上がっていて良いダーツが打てる状態なんです。
見ている人たちが楽しんでくれたり感動してくれるような、見せるダーツが出来るように頑張っていきますので、これからもよろしくお願いいたします。