Susumu Kasuya-Vol.73.2015.5-Top

Vol.73 粕谷 晋
プロダーツプレイヤー

2015年5月

Susumu Kasuya-Vol.73.2015.5-1

ダーツの出発点を教えてください。 
高校を卒業して社会人になった時に、同期の友人にダーツバーに連れて行ってもらったのがダーツとの出会いでした。

それはいつ頃ですか?
22歳頃だったのでダーツ歴は約14年になります。

真剣に投げ始めたのはいつ頃からですか?
しばらくはみんなでワイワイ投げてたんですけど、その友だちがきっかけでリーグ戦に参加することになったんです。その時負けたのが悔しくてそれから真剣に練習するようになりました。それが初めてダーツを投げてから2年後くらいです。

JAPANの成績ですが、初年度は年間5位、次が13位、去年が3位という結果です。これについてはご自分で満足されていますか?
年間の目標というのは意識していなくて、一試合一試合に勝つことだけを考えて戦っていました。その結果がランキングとして顕われてきたので、良かったといえば良かったですし、もう少し上を狙えたのかなという思いもありますね。

昨年は3位という高成績でしたが、一年間の流れはいかがでしたか?
優勝2回、準優勝1回、3位タイが2回だったので良い流れだったと思います。さらに日本代表として上海にも行けたしいろいろな大会にも出場出来たので、なかなか充実した一年でした。

そしていきなり開幕戦の優勝おめでとうございます。
ありがとうございます。

素晴らしいスタートダッシュを切りましたね。
今年は地元開催で初めて優勝出来たので、この勢いのまま第2戦・第3戦も優勝を狙っていきたいと思います。

スーパーダーツはいかがでしたか?
一試合目の対戦相手がレイ・カーバー選手でしたが、自分は挑戦者という気持ちで戦ったので勝つことが出来て嬉しかったです。二試合目のエイドリアン・グレイ選手との対戦は負けてしまいましたが、とても良い経験になったと思います。

他のスポーツは何かされていますか?
小学生の頃から高校生までずっとサッカーでゴールキーパーをやっていました。でも今はもうやめてしまいました。

自分で自分のことをどのようなタイプのプレイヤーだと思いますか?
あまり相手に流されないタイプで、マイペースだと思います。例えば相手がいくら打ってきたとしても、相手の勢いや流れに乗らずに自分のダーツで対応出来るタイプだと思います。

自分のプレイを守ることが出来るわけですね。それには何かコツがあるのですか?
いえ、たぶん何も考えてないんだと思います。試合中は相手のボードはあまり見なくて自分のボードしか見てないんです。点数を見て攻め方を考えるだけなんで、相手のパフォーマンスなんかを見ないで投げるのがかえっていいのかもしれないですね。

相手が投げているのを待っている時はどんなことを心がけているのですか?
ただ下を向いてぼーっと考えていることが多いです。

でも音は聞こえますよね!?
そうですね。「入ってるな」とか「閉められたな」とかいうのは分かりますね。

一年間の長いツアーで地方遠征などもありますが、体調管理などで気をつけていることはありますか?
試合前は早く寝るということを第一に心がけています。調整はその時の体調に応じて、1時間から3時間投げて整えるようにしています。

Susumu Kasuya-Vol.73.2015.5-2

ダーツ界ではここ数年で大きなプロツアーがいくつも始まるなどの変化がありましたが、ご自身では技術面や精神面で何か変化はありましたか?
プロツアーも4年目になりましたけど、初年度から特に大きな変化はなかったと思います。ただ一年目はプロになったばかりで、プロの世界というものが右も左も分らない状態だったので慣れるまでに時間がかかりました。その頃に比べたら経験も積んだので、精神的には楽になっているのかもしれないですね。

今までにスランプはありましたか?
自分では無いと思っています。入らなければ入らないでいいと思っているので、次の日になれば治ってるかなというくらいの軽い感覚でやってるんで……。スランプに陥ったというほどひどくなったことはないですね。

今までで印象に残った試合はありますか?
2012年のワールドのグランドファイナルに出場したんですけど、ベスト16でベンジャミン選手と対戦した試合が印象に残ってます。5レッグまでいって15残しだったのに1本しか入らなくて負けてしまったんです。ワールドはベスト8からDVDに出るじゃないですか。その一つ前の試合で負けたというのも悔しかったですね。

家庭をお持ちですが、粕谷選手にとって家庭とはどのようなものでしょうか?
支えてくれるものですね。普段から「ダーツ投げに行くよ」と言うと「いいよー」と言ってくれますし、仕事帰りにもそのまま投げに行っちゃったりしてるんで、家族には負担をかけてるなと思います。

ご理解のある家庭なんですね。
はい。感謝しています。

Susumu Kasuya-Vol.73.2015.5-3

お仕事はサラリーマンをされているわけですが、ダーツとの両立は大変ですか?
自分は社会人になってからダーツに出会ったので、ずっとこの生活が続いてるんです。12年間こうやって両立しているので、ダーツが出来なくて苦だと思ったこともないし、特に大変なことはないですね。

具体的にはどのようなお仕事をされているのですか?
船の溶接をしています。

それは体力的にきついお仕事なのですか?
すごく体を使う仕事ではないですが、夏は暑いし冬は寒くて季節に左右されるんです。そこだけはちょっときついですね。

粕谷選手はサウスポーですが、ダーツをする時に意識することはありますか?
自分では右利きも左利きも同じだと思っています。左利きだから何かが違うというのは全く考えたことはないですね。

練習方法や時間を教えてください。
まずカウントアップを少しやった後は人と対戦することが多いです。自分一人で一カ所を狙うよりはいろんな試合の流れを考えながら投げることを練習としています。毎日時間を決めて同じことを繰り返すような練習は特にしていません。

ダーツで一番大事にしていることは何ですか?
腕が大事なので、特に利き腕で重い物を持ち運ぶなどはなるべくしないように注意しています。仕事が造船所で鉄板を扱う仕事なので重い物が多いんですよ。どうしてもの時はなるべく逆の腕で持つようにしています。

プロダーツプレイヤーについてどのように思われますか?
ここまでプロが増えてきたということはダーツがメジャーになりつつあるのかなと思います。プロはプロなのでその中で上下があるとは思いませんし、プロプレイヤーは全てのダーツプレイヤーのお手本になるような存在でありたいと思いますね。

尊敬するプレイヤーはいますか?
ダーツを始めて間もない頃に教えてもらった、横須賀のオオクボシゲノリさんという方を尊敬しています。

ダーツの魅力は何でしょうか?
スローラインからダーツボードまでの距離は2メートルくらいなんですけど、そんな距離なのに狙った所に全部は入らないじゃないですか。それが面白いのかなと思いますね。
狙った所に全部入るようになったらあんまり面白くなくなっちゃうんじゃないかと思うんですよ。思い通りに入らないから悔しくて必死に練習するのが楽しいですね。あとはダーツさえ持って行けばどこでも遊べるのは魅力ですね。

ダーツ以外の趣味はありますか?
車であっちこっち行くのが好きなのでドライブですね。家族とも行きますけど、一人でも行きます。

今後の目標を聞かせてください。
ダーツで勝ち続けることです。夢はまだはっきりとはしてないですが、一番近い目標は年間一位を獲ることですね。こんな自分ですが、これからも応援よろしくお願いいたします!