Tsukimi Ito-Top

Vol.31 伊藤 月三
ディーラーの仕事、役目

2008年5月号

どんな理由でディーラーを始めた
縁ですね。たまたま行き付けのバー(三宿のCraps)に突然ダーツマシン(Spectrum)が設置されていて、マスターから「やってみます?」と誘われるままにやってみたら面白くて、その場でマイダーツを買っちゃいました(笑)
当時働いていた会社が渋谷の桜丘にあったんですけど、ある時、同じ階の隣の事務所に引っ越しをされて来た会社があったんですね。どうやらそこはダーツの会社っぽい(笑)その頃、会社にダーツボードを掛けて練習するくらいハマってた僕が、たまたまエレベータ待ちでそのダーツの会社の人に遭遇したんですね。で、思わず「ダーツの会社なんですか?」って聞いてみたら、「ええ、そうなんですよ。(中略)是非遊びに来てください」と不躾な質問に丁寧に答えて、遊びに来るように誘ってくれたのが、現在のMJSport(株)の中島社長だった(笑)
確か2000年だったと思います。それからはちょくちょく遊びに行ってはグッズを貰い、コーヒーを頂き…みたいな(笑)で、ある時、中島社長から「ダーツを広げる仕事を一緒にやってみませんか?」とお誘いを受けて(中略)2001年の暮に実家から近い名古屋へ帰って独立をすることになり、大好きなダーツを仕事として取り組むことに決めました。創業は…2002年1月1日が創業。と言っても最初は何から始めていいのかまったくわからず、初めてのロケーションが出来たのは2002年3月でした(笑)
結局2002年はわずか7軒のロケーションしか出来ませんでした。

ディーラーの存在
諸先輩のディーラー様を差し置いて、この場所で語るのはかなり気が引けますが、自分の感じている事を書き連ねてみます。
まず、奢りではなく、断言出来るのは、ディーラーが存在しなければ現在のダーツ環境は成り得なかったと言う事です。
そして、この重要なディーラーと言う存在を作り上げた、ロケーションビジネススタイルを確立されたMJSport(株)による多大な影響・貢献にあると思います。
ディーラーの存在とは、端的に言うと、地域に密着し、ダーツの楽しさをお店のオーナーやスタッフに伝え、ある時は直接お店のお客さんにもその楽しさを伝えることで、お店側とお客様のより太いコミュニケーションを作り上げる環境作りだと思います。
ディーラーの多くは、ただ単にダーツブームを盛り上げたり、ビジネスとして利益追求だけを求めている訳ではなく、永続的にダーツがスポーツのひとつとして、卓球やバレーボール、ボーリングの様にジュニアから、シニアまで、生涯スポーツとして身近な存在に成ることを目的として活動しています。
その為に、地域に密着したディーラーが中心となって様々なプロモーション(環境作り)を積み重ねることが大切です。代表的なものが「ハウストーナメント」「ビッグトーナメント」「リーグ」「情報共有」などです。

苦しんだこと、悩んだこと
間違いなく「資金繰り」です(笑)
ディーラーは、ディストリビューターからダーツマシンを購入し、ロケーションに設置しています。創業当時、1台何十万円もするマシンを、問い合わせをしてくれたお客様から、いとも簡単に「じゃあ3台置いてもらえる?」なんて言われて、嬉しい反面「お金どうしよう!」みたいな(笑)
現在は、金銭面を別に考えると、理想とするダーツ環境と、企業としての取り組み方の違いによるギャップです。
具体的な例を挙げるなら、一プレイヤー、一お客としての個人的な感情では「みんな仲良くやろうよ」だけど、現在のようにダーツボードメーカーやディストリビューター・ディーラー・代理店が増え、企業としてのダーツに対する価値観・ビジネススタイルが多様化していくと、ダーツを仕事として取り組む中で「ただ単にダーツブームを盛り上げたりビジネスとして利益追求だけを求めている訳ではなく、永続的にダーツがスポーツのひとつとして、卓球やバレーボール、ボーリングの様にジュニアから、シニアまで、生涯スポーツとして身近な存在に成ることを目的として活動している」環境が崩れて来ていると感じることです。
この事は本当に残念だし、悲しい。しかし、諦めてはいられないので、地味に粘って粘って「より良い環境作り」を目指してます。

具体的な仕事
プロモーション(環境作り)の代表的なものが「ハウストーナメント」「ビッグトーナメント」「リーグ」「情報共有」などと書きましたが、ディーラー(インストラクター)の日常業務は「マシンメンテナンス」「ダーツグッズの納品」「両替」「集金」などが中心で、お店の状況によっては「即席ダーツ教室」「メニュー会議」にも参加します。こう言った日常業務や、先に挙げた環境作りと並行してプロモーション企画立案・活動が行われます。

トーナメントの取り組み
年に一度開催している弊社主催のトーナメント「D-1 SHOOTOUT SMIRNOFF ICE CUP」は今年で6回目を迎えます。
ディーラーを始めて、最初に見たビッグトーナメントが米国メダリスト社主催のラスベガストーナメントです。とにかくスケールの大きさにビックリしました。日本では岡山でダートワールドウエストジャパン主催のトーナメントが最初でした。
この時点で、弊社主催のトーナメントが予定されていて、「とにかく勉強させてください。なんでもお手伝いします!」と頭を下げてスタッフに入れてもらい、いっぱいノウハウを「戴き」ました(笑)
弊社主催トーナメントの参加者数は第1回が140名、第2回が310名、第3回が750名、第4回が1240名、第5回が1300名と多くのプレイヤーに参加してもらっています。
毎年、試行錯誤と失敗をなんとか乗り越えながら続けていられるのも、すべて、ボランティアで運営に協力していただいている業界関係者と、お客様でもあるプレイヤーの皆様のおかげだと感謝しています。
そして2006年の第4回からは毎年海外選手も参加していて、国際交流も少しずつですが進んでいます。今年(2008年7月13日)も海外から男女の参加があり、トップクラスの素晴らしい戦いが繰り広げられると確信しています。なにより、こうしたトーナメント(プロモーション)が開催出来るのは、すべてリースロケーション様とそのお客様のおかげです。
これからも、より良いトーナメント(環境)を継続的に発展させられる様に努力します。そして、出場出来る機会があるならば、この記事を読まれている多くのプレイヤーの方に是非参加してもらい、もっとダーツを楽しんでいただきたいと願っています。

リーグ
弊社は現在、ダートワールド・ブルシューターグループ内のADAJが管理・運営をしている「D League」名古屋地区の運営に参加しています。
トーナメント以上に日常的な大切なプロモーション(環境作り)です。
リーグが開催される以前は、お店の中が主なコミュニケーションの場となっていることが多かったんですが、リーグが開催されたことによって、その枠組みは大きく変化しました。リーグに参加しているプレイヤーが、行った事の無いお店に行く事となり、より多くの情報やコミュニケーションを得られるようになりました。
それと、リーグでは、スポーツとして取り組む姿勢が強く、ルールやマナーが浸透していると思います。特に「D League」はインターリーグ(全国代表戦)が開催され、日本一のチームを海外大会に派遣しています。この様な環境作りが成されているのは国内で「D League」だけです。
トーナメントと同様に、是非お近くのお店で、多くのプレイヤーの方に参加してもらい、もっとダーツを楽しんでいただきたいと願っています。

これからの目標、夢
大きな目標は、「永続的にダーツがスポーツのひとつとして、卓球やバレーボール、ボーリングの様にジュニアから、シニアまで、生涯スポーツとして身近な存在に成ること」です。
企業内の目標としては、人材育成と企業としての資質向上です。現在取り組んでいるディーラー業務、ダーツショップ、ダーツバー、そしてこれから始めるネットショップ、オリジナルブランドなど、多くの優れた人材が必要です。是非弊社の門を叩いてみてください(笑)
今後、世界の中の日本人選手として、プロダーツプレイヤーが誕生する可能性もあります。もしかしたらオリンピック競技になる可能性だって否定出来ません。
真剣にダーツに取り組み、プロを目指している選手が存在しているのと同様に、ディーラーとして、日本のダーツが世界に通じる様に支え続けられたら、その一端を担えたら嬉しいです。
今後も、出来る限りダーツを楽しんでもらえる環境作りを続けて行こうと考えていますので、よろしくお願いします。