Vol.16. 2005年11月号
自己紹介をお願いします。
やあ、僕はマーク・ダドブリッジ、32歳。イングランド南西部のブリストルに住んでいる。身長は約175cm。ニックネームは「フラッシュ」だ。妻のジーナと4歳になるダニエラと2歳のブルックのふたりの子供がいる。現在はプロのダーツ・プレイヤーだよ。英国ダーツシーンついて。
状況はとてもいいよ。ダーツ・チームがあるパブやクラブはたくさんあり、毎週大会が開かれている。
ダーツの将来についてどう思いますか?
PDCによってきちんと運営されると思うよ。賞金は常に上がっているし、プレイヤーがスポーツ化によって高い生活水準を得られるということを認識したことで、ダーツはプロ化しているし。世界中でテレビで見られるようになってきたことがダーツのイメージを良くし、この競技を始める人を増やしているよね。これからは僕たちプロプレイヤーがいろいろなイベントやチャリティーなどにも積極的に参加して、よりダーツという競技を認知させる事なども求められるだろう。プロなのだから当然の義務と認識している。
ダーツを始めたきっかけは?
ブリストルで父がダーツをするのを見たことで、僕も始めたんだ。父と同じチームでプレイするようになったのは僕が13歳ぐらいのときで、15歳になる頃までに徐々にチーム内でのレギュラーの地位を獲得していった。その後、16歳という若さで州代表になったんだ。
プロのダーツプレイヤーにはどうやってなったのですか?
ダーツ界のトップたちと試合ができるかと思って、2〜3年前にPDCに入ることにしたんだ。それまでダーツをテレビで何年も見ていて、彼らと試合ができるのではないかといつも考えていた。その後、B・D・O・トーナメントのワールド・マスターズ参加の資格を得て、ここで優勝できた。これが僕にPDCサーキットに挑む大きな自信を与えてくれたんだ。ここでも僕はいい成績を収めているよ。
ワールド・チャンピオンシップの決勝でフィル・テイラーと試合をして初めて僕はプロになれたんだ。決勝で得た賞金と世界中のテレビに出たことが、たくさんの扉を開けてくれ、現在僕に関心をもってくれている企業に引き合わせてくれた。現在も他の多くの企業と交渉中だ。
練習方法についてのアドバイスをお願いします。
練習では、それが意味がないならやりすぎないようにしている。僕は自然に投げることだけを考えている。主にスタイルのことを考え、スコアのことは考えない。主に考える3つのこととは…
● 肯定性(常に自分のアクションに対して肯定的であること)
● 姿勢(投げるとき、身体と頭が静止していること)
● グリップとリリース(グリップ及びリリース・ポジションが毎回同じであること)
大切なのは、練習を楽しむことと練習を楽しいものにすること。そして上達のためには、できるなら自分よりも上手いプレイヤーとプレイすることだろうね。
上達のためのアドバイスをお願いします。
上達のための唯一の方法は、自分よりも上手いプレイヤーとプレイすることだ。試合形式というのが秘訣だね。自分に勝つか負けるかのプレッシャーをかけるというのは、つまり身体と心が普段と違う状況に置かれたときにどう反応するかを学びはじめることなんだ。どんなショットを自分がこれから放つのかを頭が教えてくれるときに、悪いショットをたくさん放たなくなる方法が学べるんだ。それから、対戦相手に合わせるのではなく、自分に合ったリズムやペースを保つことも大切だ。
ダーツをする際、一般的に言って、心と技の両面で一番大切なのはそれぞれ何でしょう。
いいダーツプレイヤーになるには、技も心の状態のどちらもとても重要だよ。ダブルに的中させるつもりがないなら、世界一の技術を持っていても何の役にも立たない。それはプレッシャーに立ち向かえるほど精神的に強くないということだからね。勝者になりたいなら、このふたつを切り離して考えることはできない。トーナメントで勝つために長い期間に渡ってプレイできるようにするためには、一貫性もとても重要だ。
ダーツをする際、もっとも重要なのはなんですか?
僕にとって一番重要なのは、ダーツをするときはどのレベルでも楽しむことだ。そうすることで、もっとプレイをしたいと思うし、それが最終的に上達につながる。それから自分の犯したあらゆるミスを研究して、同じ事は二度としないようにしているよ。
ソフトダーツは日本で大人気です。スティールダーツとは、どう違うとお考えですか?
ソフトのプレイヤーができるゲームは様々で、僕もその豊富なバラエティを楽しんでいるよ。ふたつはほぼ同じだ。でも、ソフトはトリプルとダブルの的が大きいから、当てるのは多少はラクだよね。
ソフトをプレイしたことはありますか?
あるよ。遊びで家でするだけだけれど。でも、この間日本へ行ってトーナメントに出て優勝したよ。これはとても誇りに思っている。
日本についての感想は。興味をもちましたか?
日本での滞在はすごく良かったよ。食べ物も気に入っているし、どこの町もとても清潔で信じられないほどだったよ。僕が出会った人々はみんな話好きで、礼儀正しく、僕の面倒をとてもよくみてくれた。
過去のトーナメントや試合で印象的だったものを教えて下さい。
これまで僕が出た最高のトーナメントはブラックプールのワールドマッチプレイだ。会場がとても印象的だったし、観客もダーツについてよく知っていたから素晴らしい雰囲気だった。僕にとっての最高の試合は、フィル・テイラーとの決勝。この試合で僕は多くのことを学んだよ。
ダーツ・プレイヤーで尊敬する人は? デニス・プリーストリー。彼は僕にとって最高のプレイヤーだよ。そして彼の態度やプロ精神は伝説だよね。
ご自分の将来をどうお考えですか。特別な目標がありますか?
今から5年以内に世界チャンピオンになるのが目標だよ。
日本のプレイヤーに何かメッセージを。
今の調子で頑張ってほしいね。あとは経験さえ積めばもっと強くなれるよ。日本が世界のダーツで主要な地位を獲得するまで、それほど時間はかからないはずだ。