Yukari Nishikawa-1-1-Top

Vol.28 西川 ゆかり
目標を持って楽しく投げたい

2007年11月号

ダーツを始めたきっかけは?
ダーツを始めてから16年ほどになります。当時はビリヤードが流行っていてプールバーに通っていたんですが、そこにダーツが置いてあったので、遊びで投げ始めました。そこにはダーツのインストラクターの方がいらしたのでいろいろ教えていただきました。そのせいかいつの間にか、ビリヤードよりダーツに夢中になり、ダーツの魅力にどんどん引き込まれました。なんて楽しいゲームなんでしょうか。それが始めた頃の印象です。

上達の道のりは?
リーグ戦に参加したのが大きな転機だったと思います。女性だけのチームを結成し、毎週投げるようになってから、上達しなければという意識を持つようになりました。リーグ戦だと、それぞれの人に責任分担みたいなものが芽生えますよね。自然により進歩したいという欲求心が培われると思います。私の場合は20はあまりはずさなかったので、点数は比較的たくさん取れたのですが、フィニッシュのダブルが入らず、それが課題だったことをよく覚えています。
また当時、日本チャンピオンの憧れの選手がいまして、その人に一歩でも近づきたいと一生懸命に練習しました。何事でも目標があるとやるべき事が具体的になると思います。皆さんもぜひ良きライバルや目標とする選手を捜してください。きっと今までよりも一層、ダーツについて真剣に取り組むようになると思います。どんなスポーツでもよく言われることですが、ダーツでも例外ではありません。

練習時間は?
今でも、毎日最低3時間は投げるようにしています。でも練習会やダーツバーに出かけた時にはもっと長く投げていますね。また特別にテーマなどをみつけた場合などは無我夢中になってしまうので、あっという間に7〜8時間が過ぎていることも多くあります。その意味では、ダーツと出会ってから長い時間が過ぎましたが、その魅力は今でも私を虜にして飽きさせないという事なのでしょうか。

ご愛用のダーツは?
バリーテゥモローの24gです。始めてから随分といろいろなダーツを試したんですが、グリップと合うので愛用しています。

昨年のワールドカップは?
2003年のフランス大会は私と渡部選手を除いて、全員がワールドカップ初体験の選手で構成されました。チームとしては残念ながら好成績を残せませんでしたが、それぞれの人が素晴らしい経験をしたと思いますので、それをバネにして次回の大会に臨めると考えています。
私にとっては4回目のワールドカップだったのですが、個人戦でベスト8でした。実は最初の大会でもベスト8の同じ成績だったのですが、今回はその時とは違った自分を感じることができました。最初の時のベスト8の成績はたまたま当日、もの凄く調子が良くてラッキーな面があったのですが、今回は普段と同じ調子のプレイができ、実力でベスト8の成績を残せたと実感できたからです。そのため帰国後はますます練習に力が入るようになりました。
やはりこのような大きな世界大会への出場は、とても刺激になりますね。読者の皆さんも積極的に大会へ挑戦してください。きっと新しいヒントを得ると思います。

Yukari Nishikawa-1-1

世界の舞台で優勝していますが?
シンガポールで開催されたアジアカップで10年前に優勝しました。当時は始めてから6年ほどだったので嬉しくて、本当に感激しました。そして次の大きな大会は5年前にフィリピンで開催されたアジア・パシフィック大会です。アジアカップはその年からオーストラリアとニュージーランドが新しく加わり、大会名がアジア・パシフィックと変更され、より大きな大会へと変わった年でした。決勝戦であたったオーストラリアの選手は勿論強豪だったので最初からゲーム進行は押され気味で、たいへん苦しい試合でした。しかしながら、最後まであきらめなかったのが幸いし、優勝することができました。
人の心というのは本当に不思議なものですよね。その次の大会では完璧な形で優勝したかったため、万全な準備をして出場したつもりでしたが、前回のチャンピオンという気負いがあったためなのか、敗退しました。意識はしていなくても何処かに不必要な力が入っていたのでしょうね。
スポーツには心技一体という言葉がよく登場しますが、それを実感できたので、たいへん勉強になりました。ダーツもまた難しいスポーツですよね。やればやるほどその先に新しい課題が見えてきます。挑戦また挑戦……素晴らしいスポーツです。

最近のダーツブームをどう思いますか?
本当に嬉しく思います。私が始めた頃は「趣味は何ですか?」と聞かれて「ダーツです」と答えるとよく「ダンス?」なんて言われました。今では冗談のようですが、昔はそんな状態だったんですよ(笑)。それが最近のダーツブームで、随分社会的にも認知されたと思います。今のブームを築いたのはソフトダーツによるものですが、私が力を入れているハードダーツにもソフトからたくさんのプレイヤーが参加するようになりました。ソフトから始めたプレイヤーがハードの大会でも活躍していますので、とても頼もしく思っています。
ハードダーツってやはり入りにくい面があると思うんですよね。雰囲気や気軽さが異なるのでしょう。それを強く感じたのは、昨年春に開催されたソフトダーツ大会の九州のハイネケンカップに出場した時のことです。決勝でプレイしていると、まるでハードの大会とは違うんですよね。ソフトの決勝の応援は活気があって、まさにエネルギーの爆発でした。今まで長い間、日本の決勝では水を打ったような静かな環境で投げてきたので、あれほど熱い応援の中での決勝はとても新鮮でした。最初は少々戸惑い気味でしたが、そのうち私も溶け込んで、エンジョイしてプレイするこができました。
確実に日本のダーツは新しい段階にさしかかっていると思います。夢が膨らみます。若いプレイヤーの方々、期待していますよ。

今年の目標は?
まず2月のラスベガス大会、そして5月のゴールデン・ハーベスト、そして秋のアジア・パシフィックが大きな大会ですね。特にゴールデン・ハーベストは昨年ベスト8を逃してしまい、赤い絨毯の舞台でプレイできなかったのが悔しいので、今はゴールデン・ハーベストに照準を定めて練習しています。

読者にメッセージを願いします。
ダーツって本当に誰にでもチャンスのあるスポーツなんです。ハードは自宅でも練習できるし、とても気軽に取り組めるスポーツなんです。特別な場所や用具、施設を必要としませんので、勉強や仕事の合間に気分転換を兼ねて練習できます。これだけブームになっているんですからもっともっと競技人口が増えることを節に望みます。日々の努力で日本の頂点に立つことは、けっして夢ではありません。そして、一緒に世界に挑戦しましょう。私もがんばりますので、皆さんもがんばってください。