Nami Watanabe-Vol.54.2012.3-Top

Vol.54 渡辺 菜美
どんどん輪が広がっていくこと

2012年3月

ダーツを始めたきっかけを教えてください。
22歳の時に、友人に誘われて初めてダーツをやったのがきっかけですね。ちょうど6年前くらいです。

それではまってしまったんですか?
そうですね。すごく単純な理由なんですが、行った先のダーツバーの店長が格好良くて、通い詰めている内にはまっちゃいました。リーグ戦などもあって簡単に参加できるので、そこで同じくらいのレーティングの人に負けて悔しかったのもありますね。

Dークラウンプロを取ったのはいつ頃ですか?
ちょうど2年前くらいです。Dークラウンプロが始まった頃ですね。

2010年・2011年の2年間でどのくらい試合に出場しましたか?
去年、2011年は3分の1くらい、7回くらいは出場したと思います。2010年は5月くらいから出始めたので本当に少ないですね。数えるくらいです。

昨年は満足のいく結果でしたか?
シングルス戦であまり結果を残せなかったので満足はしていないのですが、すごく勉強になりました。

今年3年目が始まりますが、何か特別に抱負などはありますか?
今年はシングルス戦しかないのですが、とにかく結果を残すことですね。いつもベスト8までしか行けなくて、去年はベスト8で小峯尚子選手や保土田真理選手に負けてしまって。毎回ファイブレッグ目までいっているのに勝てない、という状況が多かったので、今年はしっかりシングルス戦で勝っていきたいと思います。
後はメンタルの強化ですね。馴れない場所に一人で行ったり、試合の間隔が開いてしまうとすごく緊張してしまうので…。今年は全部回る予定なんですが、間を開けずに出たいですね。今年はメンタルを鍛えるためにDークラウン以外のシングルス戦にも出て、勝てるようになりたいなと思っています。

先日開幕戦がありましたが、いかがでしたか?
ロビン落ちだったんですけどね。でもスタッツだけ見ればD-クラウンで出た中で一番良かったんですよ。自分の中で分析すると本当にうまく上がれなくて、01を全て落としてしまったんです。それでクリケットを取って、という試合でした。
いつもはセパブルであまり負けたことがなかったのですごく自信があったんですが、ちょうどその日はセパブルで3レッグ目まで行って勝てなくて、レッグ負けが多かったんです。
大内真由美選手も同じロビンで、その時はすごく集中して投げて入ってはいたんですけど、ここぞという時にナインマークを出されてまくられて負けてしまったり、3レッグ目までいったのにやっぱり最後の上がり目でダブルに入らず1チャンス回してしまって、本当にあと少し足りないところがあるな、と思いましたね。久々だったのですごく緊張しました。

今のダーツの調子自体はどうですか?
去年よりは上がっていますね。今まで飛びが不安定だったんですけど、ちゃんと飛ばせるようになってグルーピングが良くなって来ました。緊張さえしないで普通に打てていれば、すごく入るようになってきたんです。課題はモチベーションの保ち方ということですね。

自分自身はどんなタイプのプレイヤーだと思いますか?
基本的にはみんなに「いつもヘラヘラしてるねぇ~、うるさいねぇ~」と言われるような感じなんです。でも試合中は集中していて、イライラして舌打ちしてしまったりするので、みんなにそのギャップが怖いと言われますね。

意外と癇癪持ち、負けず嫌いですか?
いやすごいですね。試合が終わった後トイレで泣いてしまったり、この前は大内選手に負けた後に、後ろで浅野ゆかり選手が見ていて「頑張ったね」と言われてその場で泣いてしまいました。

今までの6年間でスランプはありましたか?
特に感じたことはないですね。本気でやり始めてから常に、徐々になんですが自分の中では成長していると思っています。昔はすごく入っていたのに今はなんだか入らなくなってきてしまった、というような時期はあまり感じたことがないです。
たまに入らなくなったら調整してまた入るようになって、少しずつ変えています。急激に伸びることができないタイプなので、本当に少しずつしか成長できないんですけどね。

練習方法と時間を教えてください。
もちろん対戦するのは良い練習になりますが、お客さんと投げているだけではあまり練習にならないので、自分で一人の世界に入ってひたすらフォームを確認しながらカウントアップをしたりしています。また自分よりも上手な人に練習に付き合ってもらって、ひたすら無言でメドレーをずっとやり続けてもらったり、たまに知らないお店に投げに行ったり、いろいろ工夫しています。
自分は集中力に欠けていると思っているので、特に大会前は集中して長時間投げていられるように、誰にも邪魔をされずに自分の世界に入って2時間ぶっ続けで練習したりしていますね。

試合の前日などに何か心がけていることはありますか?
とにかく体調に気を付けるようにしています。もちろん前日入りした場合はよく寝て、と思っているんですが、でもやはり当日に仕事明けでそのまま会場入りすることが多いですからね。体力勝負なので少しでも体力がもつようにと、本当に体調管理が一番気になります。

お仕事は何時までですか?
仕事は朝5時までなので、終わってそのまま新幹線に乗って、トーナメントに出て一泊して帰ってきたりします。当日の朝にそのまま会場入りとなると「お風呂に入ろうかな…?」とも思うんですけど、それならお店で1時間仮眠が取れると思ったら、やっぱり試合の為に仮眠できる方を取ってしまいますね。女の子だったらお風呂に入れよ!っていう話なんですけど、それよりもやっぱり試合の為に体力を溜めたいですね。
ですから、たまにお店でシャンパンなどが出るとお酒を抜くのが大変です。試合中はお酒を飲まないようにしているので…。

試合中、お酒を飲まないんですか?
私は飲むと楽しくなっちゃうんですよね。みんなは緊張するからお酒を飲むと言うんですけど、私は逆にお酒を飲むと力が入らなくなってしまって、全然投げられなくなってしまうんですよ。確かにお酒を飲むと緊張はしなくなると思うんですけど、私の場合はダーツに影響してしまうので、負けるまでは絶対にソフトドリンクしか飲まないですね。でも、お酒はあんまり強くはないですけど、大好きです!

ダーツで技術的に一番大切にしているポイントはありますか?
自分の投げ方や自分の身体の形などで「こうやったら入る」っていうフォームがあるので、常にその点に気をつけて投げるようにはしています。
たまに「あれ?違うな」と思うことがあって「あ、今のはここがこうなっていたから入らなかったんだな」と常に考えるようにしています。

それは一つのポイントですか?それとも色々なものに対してのポイントなのでしょうか?
本当に細かいことなんですけど、テイクバックが早くなってしまったりとか、フィニッシュで手を開きすぎてしまったり、緊張すると手が伸びなかったりするんですね。自分の中で自分が「こうすれば入る」というフォームがあるので、それを常にできるようにしています。

尊敬しているプレイヤーは誰ですか?
浅野ゆかり選手ですね。憧れでもありますし、もちろん尊敬もしています。目標も浅野選手です。D-クラウンの決勝でゆかりさんと戦うのが今年の目標です。

浅野選手のどこを尊敬していますか?
もちろん人間的に大好きです。それに、普段のダーツでもそうですが、試合の時の集中して投げている姿や、長年ずっとダーツをやっていて、若くてすごいプレイヤーもたくさん出てきている中でトップを守り続けているゆかりさんの姿がすごく大きい存在です。
今もパームスに行って対戦してもらったりするんですけど、もう憧れですね。

渡辺さんにとって、ダーツの魅力とは何ですか?
普通に生活をしている中で、ダーツ3本があるだけで年齢の離れた人や初対面の人といきなり対戦したりして、どんどん輪が広がっていくことですね。普通にバーで飲んでいるだけでは他の人との会話はあまりありませんし、交わることもあまりないですよね。ダーツが3本あるだけでどんどんと周りに人が増えていくことがすごいな、と思います。
私も以前は昼間に働いていたんですけど、そこを辞めて今はダーツにどっぷりはまっています。体調を崩して会社にずっと行っていない状態が続いていて、あまり外に出られない時期があったんですけど、ダーツを投げたいな、という気持ちは強くあったんです。
それで復活したというところもあって、今「ダーツをやっていて良かったな」と思っています。

今後の目標や夢はありますか?
もちろんD-クラウンに出ている限りは勝ちたいです。まだ優勝したことがないんですけど、優勝できるようなプレイヤーになりたいですね。今はハードにも挑戦していてすごく楽しいので、ハードもやっていきたい…やりたいことはいっぱいありますね。
知野選手などを見ていて、ダーツで海外に行ってプレイするのも良いなと思いましたね。自分も海外に行って海外のプレイヤーと対戦してみたいです。いつも橋本選手や村松選手を見ているので「凄いな」と思っていて、私もみんなに尊敬されるようなプレイヤーになりたいと思いますね。私、「なみへいは!なみへいは!」っていじられることが多いので、ダーツを通じて人間も成長したいということですね。

好きな男性のタイプは?
男性のタイプですか!?え~と、なんですかね。一緒にいて楽しい人ですかね。本当にそれなんですよ。もちろん顔とかもあるんですけど、だんだん年を取るごとに顔じゃなくて、本当に、性格だなと思います。夜働いて、週末は大会やハウストーナメントなどに出て、いつもいなくてほとんど休みっていう休みもありません。一応週1で休みはありますけど、他のお店に遊びにいってしまったりという生活をしているので、なかなか合う人はいないと思います。そういうのを理解してくれる、大人の男性が良いですね!
…わがままなのでしょうね。

ダーツ以外に趣味はありますか?
3~4才くらいの時からピアノをやっていたので、早く起きた時は気分転換にピアノを弾いています。あとはストレス発散にカラオケに行くのが大好きです。

最後に、読者にメッセージをお願いします。
女の子でダーツをやっている人は、まだすごく少ないと思うんですね。どこのダーツバーに行っても男性ばかりです。大体スポーツでは女性は男性になかなか勝てないと思うんですけど、ダーツだったら勝てたりして楽しいんです。力では男性には勝てないですが、ダーツは力ではなくテクニックだと思いますし、力も身長も体型も関係なくできるものなので、女の子たちにもっとダーツをやってもらいたいです!
自分のことで言えば、まだ全然結果を残せていなくて、でもやっぱり結果がないと何もついて来ないですよね。だから今年は結果を残そうと思っているので、少しずつですがバージョンアップしていくつもりなので、見ていていただけたらなと思います。