Noriyo Hayashi-Vol.87.2017.9-Top

Vol.87 林 倫代
ダーツを通じて、本当に沢山の方と出会えました

2017年9月

ダーツの出発点を教えてください。
高校1年生の時に遊びに行ったお店にダーツがあって、そこでダーツに触れたのがきっかけです。

真剣に投げ始めたのはいつ頃からですか?
勝ち負けにこだわりはじめて大会などに出場する様になったのは結婚してからなので、22歳くらいからでしょうか。
主人のお店は当時、皆が楽しく飲んだりできるようにマシンやゲーム機が設置してあるようなお店だったので、ダーツの大会があるとは全く知りませんでした。ある時、近隣のお店から「大会に出ようと」誘われて出場したのがきっかけで、試合での楽しさや悔しさを感じるようになって、真剣に投げ始めました。

パーフェクトに参戦したのはいつからですか?
5年前に一度プロ試験を受けて、キングスジャパンのお世話になりながら一年間参戦しました。でもその時はまだ子どもが小さかったので、出場できたのは3〜4回しかなくて中途半端な形になってしまいました。
その後もプロ資格の更新はしていたんですが翌年からは試合に参戦できず、もうパーフェクトに出ることはないかと思い一昨年は更新しませんでした。それが当時の店長が辞めたことがきっかけでお店に立つようになり、また投げる機会が増えてきたので、自分の中で目標をつくり、もう一度プロテストを受ける事に決めました。本格的に試合に出る様になったのは去年の冬からです。

第14戦の神戸では3位タイでしたが、どなたと対戦したのですか?
ベスト4の試合は大城明香利選手とでした。

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大城選手といえば現在人気実力共に上位のプレイヤーですよね。
大城選手の実力はよく分っていたので、なるべく変に意識しない様に努力しました。この大会はロビンでは大内麻由美選手や高木静加選手、トーナメントでは島村麻央選手など、今までずっと動画で見てきた有名プレイヤーと当たることが多かったんです。
たぶん意識してしまったら緊張してもう自分のダーツが出来なくなると思ったので、とにかく意識しない様に、何も考えないようにしてたんです(笑)。ベスト4まで上がれて大城選手と試合できたことは嬉しかったです。

今までで印象に残っている試合はありますか?
長野県の最強女子を決める『華花』という年に3回のトーナメントが始まったんです。1回目と3回目は優勝出来たんですが2回目は準優勝でした。年間優勝を獲らせていただきましたが、自分では3連覇して年間優勝を決めたかったので、2回目の決勝は楽しくもあり悔しくもありで印象に残る試合になりました。
プロに戻るかどうするか迷っていた時期で、この大会の結果によって決めようと思っていました。結果、年間優勝を獲れたのでまたプロに戻る決心がつき、私にとっては大事な大会になりました。

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女子ダーツプレイヤーが注目されることについてはどう思われますか?
私が最初にプロになった5〜6年前は本当に強い女子しか注目されなくて、女子のトーナメントが取り上げられるのは、ベスト4の試合くらいからだったと思うんです。でも今は強いだけではなく、容姿やキャラも関係してると思いますし、注目されることで綺麗になっている方が多いと感じます。やはり人気のある女子プレイヤーの方は、会場でのお客さんやファンと接する態度もちゃんとしていて、さすがだなぁと納得しますね。

自分のことをどんなタイプのプレイヤーだと思いますか?
愛想がなくツンツンしてるプレイヤーかもしれないです(笑)。試合中は鬼みたいな顔で怖いと言われますし、普段は人見知りなので素っ気ないと言われます(笑)。試合中は集中しますし、その試合に集中できてる時は周りの音が耳に入りません。この前の神戸は、1戦1戦しっかり集中できていたから、良い結果が出せたのかなと思います。

以前に大病をされたそうですが。
くも膜下出血になりました。子どもを送っている時に後頭部で張りつめた糸が切れる様な音がしたんです。鈍器で殴られたような痛みではあったんですが意識はちゃんとありました。元々偏頭痛持ちなのであまり気にしなくて、そのまま家に戻って頭痛薬を飲んだんですが、だんだん手足が痺れてきたんです。
近所に住む義姉が救急車を呼んでくれてすぐ処置をしたので、今こうして元気でいます(笑)。

普段の練習方法を教えてください。
特に決まった練習はなくて、お店でお客さんと投げる程度です。試合が近くなると、不安のあるところを気にしながら投げるようにしています。ですが、ほとんどが接客しながら練習を兼ねる感じなので、一人で黙々と練習するということはないです。

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現在経営していらっしゃるお店について教えてください。
お店はアミューズメントバーで、DJイベントやダーツイベントなどもやっています。
主人はこの店をみんなが集まれる楽しい場所、例えば一人で飲みに行っても必ず誰か知り合いがいるというお店にしたかったんです。だから常連さんが多くて、いつ来ていただいても誰かしらいて話ができる雰囲気のお店だと思います。
みなさんも機会がありましたらぜひ遊びにいらしてください。

尊敬するプレイヤーはいらっしゃいますか?
五月女真理さんです。

どんなところですか?
私が初めてダーツの大会に出場した時に『USAGI』のメンバーでいらしてたんです。まずダーツのフォームや飛びが素晴らしかったです。私もあんなふうにカッコ良く飛ばしたいと思いましたね。
それからすごく美人なのに鼻にかける様子がまったくなくて、実際お話ししてみると本当にサバサバした方でした。男性からも女性からも好感を持たれる雰囲気がとても好きです。

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ダーツの魅力はなんですか?
これはずっと変わらないんですけど、性別も年齢も問わず楽しめるスポーツだというのが最大の魅力です。お店をやっているせいかもしれませんが、ダーツのおかげで本当にたくさんの人と知り合えました。
県外の人ともたくさん交流を持てるようになったし、こんなに幅広い人達と触れ合えるのはダーツならではだと思います。

ダーツ以外の趣味はありますか?
今はないかな……。お店と子どものことをいろいろやっていると他のことをする時間がなかなか取れなくて、どうしてもダーツが仕事兼趣味といった感じになってしまいますね。

ではこれからの夢や目標を教えてください。
長野県在住で優勝した女子がいないので、まずは私が優勝したいです。そして私をきっかけに長野県に興味を持ってもらえたらうれしいですね。今後も『華花』などのトーナメントも行っていきますし、「長野の大会にも出てみよう」と思ってくれるプレイヤーがいたらいいですね。そのためにもまずは優勝です!

最後に読者にメッセージをお願いします。
プロとしてもまだまだ未熟で結果も残せていませんが、これからも目標に向かって頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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