2022年1月号
初めてののインタビューは2018年9月号でしたが、その時の取材は覚えていますか?
ダーツ祭りの時でした。けっこういろんな事をインタビューでお話しましたが、その後のジャパン・レディースで初優勝して、追加のお電話をいただいた事をよく覚えています。
取材でモチベーションが上がったのかと考えていました。
そうですね。言葉にするのってとても大事で、自分の目標など再確認出来てそれが良い結果に繋がったと思いました。
その後、2018年、ブルー6位、レッド3位、2019年は年間ランキング2位と突然成績が上がりましたが、何か特別な理由はあったんですか?
初優勝してから応援していただける方々が増えて、やはりやる気になりました。単純に一発屋では終わりたくないという思いもあって、奮起したからでしょうか。いろいろな方面に恩返しするのは勝つこと!という気持ちが強くなって集中して投げるようになり、安定したダーツになったということです。
練習時間を増やしたりして技術的に何か掴んだんですか?
お仕事をいただけるようになって忙しくなって、むしろ練習量は減ったんです(笑)。しかしイベントで交流が増えて、いろんな人と投げる機会にも恵まれるようになるとさらに「ダーツって楽しい」と思えるようになって、どんどん舞い上がる
ようになったのが良かったですね。
試合ではエイトにとにかく残りたいと考えるようになりました。そうでないと戦えないプレイヤーがいるからです。鈴木未来プロとかは海外遠征後でもない限り、ロビンでは登場しないですからね。どうしてもエイトにしがみつきたいという思いが強くなって、前向きになっていきました。
では技術というよりは精神的な面の変化なんですね。
そうです。その前はロビン落ちしたくないとか、決勝トーナメントでは負けたくないという考え方でした。それがやることをやれば、自信を持ってダーツに向かえるという風に変わりましたね。
その後2020年2月に突然コロナが始まり、試合も延期や中止となりましたがどう思っていましたか?
最初の自粛では何でも制限されるようになったので、仕方がないとは思っていました。でも人との関わりが多いダーツでは何も出来ないので、一気に後ろ向きになりましたね。明日は何をしようか?これから先はどうなるんだろう?と真っ暗でした。
その後少しゆるくなると少しずつ馴れていって立ち直れるようになりました。ダーツ界全員がそうであって、私だけではありませんからね。
でも寂しかったというのが本音です。お店には行けないお客さんにも会えない、虚しかったです。
2015年から全戦参戦しているんですが、暫定でも1位というのは初めてなので嬉しいです。
鈴木未来プロがいなかったから出来たと思われたくないので、今季はマジで頑張ろうと思っています。でも彼女は本当につよいですね(笑)。
最初の頃は練習はしていたんですか?
まったくしていなかったです。元々家投げの環境が無くて、帰ったらダーツのことを考えないで身体を休ませる時間と決めています。
お店も開いていなかったので、2ケ月まるまる投げていなかったです。その後週に2日、やがて5日という感じでした。身体が太って重くて、なまっちゃってるわぁ、と思っていました(笑)。
プロツアーは最終的には全て中止されましたが、モチベーションの維持はどうしていたんですか?
プロツアーは延期そして中止と繰り返されましたが、ホテルなどの予約もあったので振り回されました。でもやがてこの状況では子供がいておばあちゃんとも同居しているので、もし開催されても参戦できないかもしれないと考えるようになりました。
最後に全てが中止となりましたが、逆に安心しました。ワクチンも打てていないし不安ばかりでしたからね。プロツアーの存続も心配したくらいです。
ジャパンが再開されました。最初に発表を聞いた時はいかがでしたか?
疑心暗鬼はありましたが、でもワクチンを済ませていたプレイヤーが多かったのでワクワク感の方が強かったです。でも日程が詰まっていて体力的に大丈夫かな?長期間仕事が無かったので、周る経費は?と思いました(笑)。
久しぶりの試合でしたがどんな雰囲気ですか?以前と変わったことはありますか?
慌ただしいですが徐々に思い出しています。忙しいですが、こんな感じだった!と楽しんでします。
今はエキシビジョンが無いので、今までは午前中にそこで調整していたんですが会場で試合感を掴むことが出来にくくなりました。現在は午後に集合してアップして、いきなり試合となりました。エンジンの掛け方が難しいです。ロビンから抜けて来たプレイヤーは、準備万端ですからしんどいです。
一投でも多くなげなければと思いながら、一気にトップギアに入れるにはスタミナを消耗しますね。現状ではそこを一番意識しています。
開幕2連勝、出だしは順調ですね。
2015年から全戦参戦しているんですが、暫定でも1位というのは初めてなので嬉しいです。鈴木未来プロがいなかったから出来たと思われたくないので、今季はマジで頑張ろうと思っています。でも彼女は本当につよいですね(笑)。
マスク着用での試合ですが、プレイに支障はないですか?
始まる前は気にしていたんですが、いざスタートするとそんなこと考えられないぐらい必死です。
マスクにすっかり馴染んで必需品になってしまいました(笑)。うっとうしいということはありますが、安全安心のために必要だと思います。メディアでは映えないですが、開催していただけていることに感謝しています。
初優勝でもそうでしたが、鈴木未来プロとの対戦がジャパンレディースの名勝負になってきていますね。
そう言っていただけるのは光栄です。今季はパーフェクトのプレイヤーも参入して来ていて、レベルが上がっています。その中で彼女と決勝で当たって勝負できることが、発奮する気持ちになっています。
彼女はずっと絶対女王という存在です。以前はワンチャンを外したら勝てないと思っていましたが、最近は必ずしもそうじゃないと思えるようになって来ました。大きな壁ではありますが、越えられないことは無いように考えています。
ところで前回の試合前に転んだんですか?
そうなんです。恥ずかしいですね(笑)。いつもツアー前は数日空けることになるので、家事をやりゴミなど整理するようにしているんです。朝方まで雨が降っていて通路が濡れていて、ゴミ出しに行って滑って転んでしまいました。でも迷惑を掛けるのが嫌だったので、強行出場することにしました。
それでも入れ替え戦で勝てて、次の試合で佐藤かす美プロとだったんですが、フルレッグまでいきましたが力及ばずでした。反省しきりです(笑)。
フレンドリーなことかなぁ?最近年下のプロプレイヤーから慕われることが多くて、お姉さんみたいな感じでしょうか。
世話好きでお節介な中堅プロプレイヤーです(笑)。
コロナも落ち着いてきてイベントでは大人気、大忙しですね。
今季途中からダーツライブ・シーズンプレイヤーにも選んでいただいて、新しいテーマの配布もあり、たくさんお仕事をいただけるようになりました。例年年末は忙しんですが、お店が開いたことで日常を取り戻せたと思っています。
イベントではお客さんの反応は以前と変わってきていますか?
以前から伺っているお店に変化は無いんですが、新しく呼んでいただいたお店では「ユーチューブで見た有名プレイヤー」みたいな目で見られているのを感じます。とても丁寧な扱いをしてくれるんですが、私はフレンドリーな性格「お夏」なので戸惑うこともあります。
最近は若い層からの応援をいただくことが増えて来ていて、励みになっていますね。
イベントではどんな内容をされているんですか?
基本的にはチャレンジマッチで人数によってはメドレーもしますし、写真撮ったり会話したりですね。ハウストーナメントで呼んでいただくと、お客さんと組んだりします。テーマ配布をメインでやっていますね。
大打撃を受けたダーツ業界ですが再開されつつあります。どう思いますか?
繋がりを大事にしている業界なので期待しています。プロツアーやリーグが再開されて、ダーツを好きな人達のモチベーションが上がってほしいです。どうし
ても交流できないと離れてしまいますからね。私も尽力を惜しみません。
女子プロダーツプレイヤーとしてどんなことが出来るでしょうか?
出来ることはたくさんあるでしょうが、例えばオフ会や初心者限定イベントなどを思い浮かびます。始めてから1年ほどの方々を集めて、技術的なこと、ダーツの楽しみ方を伝えるなど積極的に関与していきたいですね。
女子だけを集めて新しいコミュニティーを作るなどもいいですね。まよんぬさんがやっていたフレッシュなどを見ると、新しい潮流で新鮮だと思います。
最近はいろんなキャラの女子プロプレイヤーが出て来て注目されていますね。
個性があって華やかですからね。プロプレイヤーの層が厚くなって来たからだと思います。さらに多くの人が参入して欲しいです。
ご自身ではどんなタイプの女子プロだと思われていますか?
フレンドリーなことかなぁ?最近年下のプロプレイヤーから慕われることが多くて、鈴木未来プロがお母さんだとしたら、私はお姉さんみたいな感じでしょうか。世話好きでお節介な中堅プロプレイヤーです(笑)。
女子プロは皆さん仲がいいですね。プライベートでも親交はあるんですか?
そうですね。ダーツしないでご飯だけ行ったりしています。仲の良いプレイヤーは皆さんそうしているようですね。
SNSもあるので連絡も簡単にできることもあると思います。
SNSでも多くを発信していますね。
私の活動の告知が中心ですが利用しています。フォロワーの反応もあるので、活用しています。
改めてこれからの目標を教えて下さい。
目の前の目標は今季年間チャンピオンですね。また徐々にダーツ界が再開されているので、それに貢献したいと思います。新しくダーツを始めた方々に発信していきたいですね。
最後に読者にメッセージをお願いいたします。
コロナ禍で皆さん自粛して厳しい生活を送っていたと思うんですが、それでもプロツアーが始まってから変わらず応援していただいていて感謝しています。期待に応えられるように頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。