2004年4月号
ダーツを始めたきっかけは?
たまたま遊びに行ったお店にソフトダーツがおいてあったのが、最初にダーツを投げたきっかけです。本当にはまったのは、ある機会にハードを投げることがあり、最初にあのボードに刺さる音に魅了されてからです。それですぐにダーツを買いに行ったのですが、当時は愛媛では売っていなかったので広島まで行きました。
僕は長らく野球をやっていたのですが、医師になってからは仕事が忙しいので、何もできませんでした。また何か始めたいと考えていた時に練習時間を自分で決められ、一人でできるスポーツ、ダーツという競技と絶好のタイミングで出会ったのです。
そしてダーツには年齢もあまり関係ないし、努力しだいで日本の舞台、その先には世界の舞台が広がっているのですから、僕の時間の使い方とまさにマッチしたのかもしれませんね。
上達の道のりは?
最初は友達とワイワイと本当にただ遊びで投げていました。ところが4、5年前にローランド・ショルテン氏が来日し、神戸に日本のトッププレイヤーが集う機会がありました。それが僕のダーツ人生の転換期、アレンジや投げ方、ゲームの進め方などすべてが新鮮で衝撃でしたね。その時のビデオを後から研究していくうちにどんどんダーツの深淵な世界に、はまりこんでいったというのが実情です。研究し、練習し、まさにそこがターニングポイントとなって一生懸命に打ち込むようになりました。
今の僕がダーツで目指すのはフィル・テイラーでしょう。
前回、来日した際に彼のプレイを目の前で見て、やはり理論的にも正しい道のりだと確信できました。僕は身長172cmなのですが、彼も外国人の中ではけっして背が高い方ではありません。背の高いプレイヤーは上から下に投げ下ろすダーツが可能ですが、僕には20トリプルはどうしても上の位置にあるのです。
そのため彼の直線的にターゲットを狙うダーツは、とても日本人に参考になると思いますし、僕にとってはこれこそダーツ理論と確信しています。読者の皆様もぜひ自分の理にかなうと思うプレイヤーをみつけ、真剣に研究してみて下さい。飛躍的にダーツが変化することを保証します。
上達という意味では僕の場合、今まで述べましたこと、それと経験の積み重ねでしょうか。日本で各大会に出場したり海外で世界的プレイヤーとゲームをすることにより、刺激を受け、感動し、上達してきましたし、これからもその道のりは基本的に同じだと思っています。まだまだダーツにおいては入り口にいると思っていますから長い道のりですね。
練習時間は?
大会前は1日2、3時間練習するようにしていますが、普段は1日1時間ほどでしょうか。できるだけ集中した練習時間を持つようにしていますので、なかなかそれ以上できないでいるのが現状です。
ご愛用のダーツは?
ユニコーンのフィルテイラーモデル、24gです。ダーツは100セット以上持っていますが、フィルテイラーの理論を自分に重ね合わせようとしているのですから、やはりダーツもフィルテイラーです。まだまだ彼にはほど遠いのが現実ですが…。
昨年のワールドカップは?
ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアそれぞれにレベルが高かったのですが、特に英国とオランダは群を抜いていましたね。本当に素晴らしいプレイヤーを見ることが出来て幸せでした。リズムやゲーム進行など、どれをとっても日本人のプレイはまだまだ発展途上にあるということを再確認できたというのは実情です。
しかし、それと同時にまったくチャンスがないとも言えないと思ったことも大きな収穫です。僕個人としてはまず、自分の信じるダーツ理論を確立し、それをものにし、技術的なものを固めてから、メンタル面を鍛えたいと思います。次のワールドカップにもぜひ挑戦したいと思っていますので、応援して下さいね。
最近のダーツブームをどう思いますか?
ソフトダーツのブームによって爆発的にダーツ人口は増えていますね。何時か天才的なプレイヤーが日本で現れることを期待しています。これだけ若い人たちがダーツを始めているのですから、夢ではないような気がします。そのプレイヤーが世界チャンピオンをバッタバッタとやっつけたりなんてしたら、ダーツはブームを超越して、まさに国民のスポーツとなりますよね。もっともっと世界に目を向けたプレイヤーが増えることを節に望みます。
今年の目標は?
JDOマスターズのタイトルをぜひ取りたいですね。あとはチャンスがありましたら、今後は世界のオープン大会に挑戦したいと思っています。特に英国で開催されるレベルの高い試合には魅力を感じています。どんなプレイヤーが出場していてどんなレベルなんだろうか、どんなダーツとの出会いがあるのだろうか、想像しただけでもワクワクしますね。
そんな挑戦を続けていけば、きっと新しいダーツの道が開かれると信じています。
最近、自分のダーツに対して思うことはありますか?
ダーツにおいて、リズムはとても大事な要素だと思いますが、僕は最近特に丁寧に投げることを心がけています。イメージ通りに良いダーツだけを投げたいというのが目標です。プロのダーツと僕のダーツの精度の違いは?そんなことを突きつめています。
世界のダーツの舞台ではワイヤー1本の違いで勝敗が決まるのですから、そこをもっと探求したいわけです。流していても、良い結果が出るダーツの時もありますが、苦しい時には流したダーツでは通用しないものです。プレッシャーに負けないダーツが出来るようになりたいということですね。
医師という職業とダーツの両立は?
僕は脳神経外科の医者なので、仕事が相当激務だということは事実です。しかし、先にも申し上げたようにどんなに忙しくても時間というのは取れるものだと思いますし、ましてダーツは場所もそれほど必要ありません。一人でも練習できるのですから、試合で負けても言い訳にはできないでしょう。
また、現在の職場が時間や環境において、恵まれているという面があると思います。ご迷惑をおかけしているかもしれませんが、本当にありがたいと感じています。
勿論、ダーツは趣味ですが、最近役に立っている事もあると感じています。例えば手術の時など極度の緊張状態に身を置くことになるのですが、そんな時にダーツの集中の仕方などを参考に出来る場合もあります。
愛媛のダーツ事情は?
ハードは年2回、70人ほどで大会が開催されています。団体名は愛媛ダーツクラブで、人数は少ないのですが、先日開催した大会が132回だったので、堅実に歴史を築き上げています。月例、チーム戦、個人リーグなど様々な活動を行っていますので、近くの方、ぜひ気軽に参加して下さい。
ソフトはまだ始まったばかりですが、もう300人ほどの大会が企画されていると聞きます。どんどんダーツバーは増えていますので、これからがたいへん楽しみですね。近い将来、日本のトッププレイヤーにふさわしいプレイヤーがたくさん出ることを切望しています。
ダーツライフの読者に
ダーツは生涯スポーツです。年齢に関係なく、これから国体やオリンピック競技になった時にメダルを獲得するチャンスもあります。ぜひ一緒にこの素晴らしいスポーツを楽しみましょう。