2021年3月号
日によってダーツに伝わる力が違っている
大きく見てそれから細部を見てと気を付けて検証した結果、日々誤差があることに気付きました。
リリースする瞬間の指についても、もう一度考えましたね。
長いオフになりましたが、どのように過ごしていましたか？
今までツアーが普通に開催されていた時は毎年忙しかったので、きちんと自分を見つめ直すような時間が取れませんでした。今回の長いオフで改めてダーツや自分の身体など、全てについて考える良い機会となりました。
ダーツについては今どんな風に投げているんだろうか？どんな改善が必要なのか？といろいろ考えましたね。
長い期間、練習では量に重点を置いて来たんです。しかし僕も43歳になって、ベテランという領域に入って来ています。果たしてこのまま続けていけるのか？体力的に大丈夫なのか？ということが課題として浮かび上がって来ました。プロダーツ選手もアスリートですからね。そこで身体を鍛え直すことにしました。今パーソナルトレーナーを付けてやっています。今回の出来事がプラスになれば良いのですが…。
練習方法は昔と今では変わっているんですか？
実際に僕の身体に起きたことですが、長く続けているとやはりいろいろな所に負担が蓄積されて怪我するんです。それで今までのフォームが維持できなくなります。すぐに直らない場合、それと一緒に付き合っていかなければならなくなり、当然フォームも変わっていきますよね。
無理した練習もできなくなるので、だいぶ変わっています。若い頃のような練習量はできませんが、知識と経験がありますので今は量より質です。
今回はツアー中ですとフォームなど怖くていじりにくい事でも、挑戦した選手が多いのですが何かしましたか？
先ほども言いましたが、この長いオフ中にトレーニングで下半身強化をしています。それと体幹でしょうか。
また腕の筋肉は前と後ろがあるんですが、僕の場合すごく偏っていたことが分かりました。実際ウェイトトレーニングをやっていると、後ろは強いんですが前が弱っていたんです。それを発見したので、バランスが取れるように鍛えています。
グリップは見直しましたか？
日によってダーツに伝わる力が違っているような感覚があるので、大きく見てそれから細部を見てと気を付けて検証した結果、日々誤差があることに気付きました。リリースする瞬間の指についても、もう一度考えましたね。グリップは以前と見た目の形は同じですが、指のバレルに対しての力の加え方が変わりました。
新しくバレルも発売されたようですね。
今までターゲット社から発売されてきた僕のモデルでは、一番シンプルに見えるかもしれないですね。材質、コーティングなど調整には多くの時間を割きました。タングステン95％なので品質も上がっています。
馴染んでから使いやすくなるという考え方はあまり好きではなくて、買ったその日から即戦力になるバレルを目指しました。リングカットですが持った時から、馴染んでいるように感じる工夫をしました。ぜひ一度お試しください。
今年はきっと何処かの時点でプロツアーが再開されると思いますが、準備は出来ていますか？
いざ始まるぞ！となったら仕上げます。昔から始まる前はソワソワしていたんです。試合の当日に腹がくくれるんです。ですのですぐ始まっても、たとえ延びても対処できると思っています。
今年の目標を教えて下さい。
怪我が長いダーツライフだったので、まずは気持ちよく投げたいですね。今回のオフでトレーニングしたことで、どれだけ戻ったのか知りたいです。気持ちよく投げられれば、外しても清々しいと思います。そしたら前向きに考えていけますね。
最後にメッセージをお願いいたします。
たいへんな状況の中、もしかしたらずっと付き合っていかなければならないかもしれませんが、とりあえず僕は元気でやっています。皆さんもまずご自愛いただいて、心に余裕が出来ましたら、応援いただくようお願いいたします。
この時期でのオンライントーナメントの活用は良いですが、それが通常になっては欲しくないというのが心の中にあります。僕が魅力を感じるのは大勢が見ていてくれて、生で空気感を味わって、いろんな思いをぶつけるステージです。それが戻って来ることを願っています。
