Vol.107 荏隈 秀一
基礎から考え直しました

2021年3月号

試合があるとそれに追われるんで、突き詰めて修正ができないですよね。どしても次の試合で
どう入れていくのかが最重要テーマになるので、その場しのぎの対処になっていました。
根本的に理想とするフォームを追求できなかったですね。

練習はどのようにしていましたか?
昨年の非常事態宣言中は一人でお店に行って練習していました。

時間や内容は決めているんですか?
時間は決めていないです。僕はお店をやっていて、営業時間が17時〜5時でとても長いんです。休みも月に2日だけしか取っていなくて、お客さんとずっと投げているのが良い練習になっています。

営業時間が長いですね。
そうですね12時間です。まぁ今のうちに頑張ろうと思っています。

今回はツアー中ですとフォームなど怖くていじりにくい事でも、挑戦した選手が多いのですが何かしましたか?
実は2018年から少しおかしいなと感じていたんです。試合があるとそれに追われるんで、突き詰めて修正ができないですよね。どしても次の試合でどう入れていくのかが最重要テーマになるので、その場しのぎの対処になっていました。根本的に理想とするフォームを追求できなかったですね。
それが今回の長いオフで時間があるため、基礎から考え直しました。

具体的にどんなことをしたのですか?
まずスタンス、それからグリップ、テイクバックと全体の流れを見直しました。

どこが変わりましたか?
投げている時は外から見て、大きくは変わっていないと思います。しかしセットアップする前の動きは大きく変化しました。縮こまっていたのが余裕を持って構えられるようになって、ふらつきも無くなりました。
僕の考え方は腕の出し方は結果で、テイクバックの最下点までの準備運動がより重要だということです。そこがきちんと出来ていないと入るものも入らないと思います。

納得いく仕上げになっていますか?
自分で動画を撮って比較しているんですが、よりまとまって来ていて安定したと思います。まだ本当の理想とするフォームには至っていないですが、その思い描く線上には来たかな、と思っています。自分の目指す方向性がしっかり定まったので、迷いなく練習できていますね。

これからの課題は何でしょうか?
余計な動きをしないで楽に投げられるということですね。楽に投げるとはどういうことなのか、というと自然体です。何が自然体なのかについては凄く考えました。自分では自然だと思っているのが、身体にとっては違っているのではないかという辺りは、難しいテーマです。毎日考えているので少しずつ知識を深めつつあります。
でも新しい動きがまだ完全に身に付いていないので、時々以前のフォームに戻ってしまうんですね。そこそこ入るので妥協しそうになりますが、さらに上を目指すために信念を貫きたいと思います。
みんなが出来ることはやれて、みんなが出来ないことも自分は出来るようにならないと、頭ひとつ抜け出せないと思っているんで頑張ります。

たくさん見直したんですね。結果が出てる選手なので怖くないですか?
元々ここ2年ぐらい、きちんと投げられていなかったんですよ。けっこう気合だけで勝ってたような感じだったんです。余裕が全然ありませんでした。言い方は良くないですが、今回取り組めているのはこの長いオフで与えられたチャンスだと考えています。

ランキング1位になった時の動画も観ているんですよね。
勿論ですね。2017年のフォームは一番良いです。スムーズに軽くダーツを飛ばしていますね。ひっかかりが無くて力も入っていないです。それ以降長く力で飛ばしていました。それも今回の改造をしようと思い立った理由です。

今年はどこかでプロツアーが始まると思うんですが、準備はできていますか?
今回の改造フォームをなんとか間に合わせて挑みたいですね。今の時点で始まったら、絶対に勝てないでしょう(笑)。他の選手のスタッツなどを見ると、高いですよね。今の自分では全く無理です。フォーム改造は冒険ですが、きっと結果が付いて来ると思います。

今年の目標を教えて下さい。
やっぱり年間1位獲りたいですね。2019年も5位でけっして悪いわけでは無いのですが、できるだけ上を目指したいです。

最後にメッセージをお願いいたします。
今年はより進歩したフォームで活躍したいと思っていますので、応援よろしくお願いいたします。