Vol.49 Charity Event

2011年5月

ダーツでもみんなで応援しよう!
一人一人の力で…こんな企画が日本各地で広まっている。

東日本大震災で被災されたダーツバーやプレイヤー達を支援しようと、KTM.と赤松プロが立ち上がった。小さい活動を全国で、長く……、東北のダーツが復興して元気になるまで見守りたい、という思いに多くのプレイヤーが集った。
4月19日、川崎にあるダーツバーzac caにてチャリティーイベントが開催された。8時開始、多くの企画をこなし大盛り上がり、10時頃解散となった。当日のチャリティー合計額は72,322円、参加人数は52人だった。

今回の活動はKTM.と赤松プロの二人で始められたのですか?
KTM.
はい。震災の翌日に赤松くんから連絡がきて「僕達にも何かできないか」という話になったんです。それで、何かを大規模に行なうのではなく、まずは自分達が日々のダーツを続けることじゃないかと、それから何かしらのイベントをちゃんとみんなが復興するまで長く続けることが大事じゃないかということになったんです。
じゃあとりあえずロゴを作ろうということになったんですが、これが予想外に反響があって、とても二人ではまとめられないと……。結局ロゴは放棄してしまったんですが、まずは赤松選手と二人で何か始めようと動いてみたんです。

赤松
まずはとりあえずツィッターですよ。我々がやるっていったら各地の人達がそれを見るなり聞くなりして「じゃあ自分たちもやろうよ」という感覚で、小規模ながら全国でそういう運動が広がっていけば、それはそれでいいんじゃないかと思いました。

KTM.
決してまとめることが重要ではなくて、単純に僕達がやろうとしたことが全国に飛び火して、とにかくそれがいつまでも消えなければいいと思ったんです。だから全国で統一してでっかいことをやろうなんていうことはまったくないんです。
今はみんな義捐金を寄付したり、何かできることをしたいという気持ちは強いけど、そういう気持ちは、結局半年もたてば残念ながら消えてしまうんですよね。僕はそういうのをさんざん見てきてるんですよ。中越地震のときもそうでした。あの時はちょうどダーツが流行り始めた頃でいろんな動きもあったんですが、半年も経ったらもうやってる人は皆無でした。それがいけないとはいいませんが、もっと継続して支援していくことが大事だと思うんです。
今僕達が決めていることは、ある程度復興して落ち着いてきたら、自腹で現地のダーツバーを廻ろうということです。何かイベントをするのではなく突然遊びに行って、みんなで笑いながらダーツを投げて、「良かったね」って心から思うことが着地点なんです。そうなるまでやり続けるしかない。
今回のプロジェクトというのはプロとか業界とかは関係ないんです。だから一般の人にもどんどん入ってもらって、カテゴリーは関係なく集まって、みんなでできれば理想的ですね。

赤松
プロも一般の人達も、参加してくれる人はみんなひっくるめてサポーターだと
いうことを意識して、みんなで一緒にやっていけたらいいですよね。とにかく続けたいですね、続けないと意味のないことなので。月に一回や二回くらい、やらせてくれるというお店があるのなら喜んで行きましょうという気持ちです。ただ僕達も負担をしながら続けるのは難しいので、あまり負担になりすぎないようにと考えると月に二回が限度かなと思っています。
小規模でもなんでもいいんです。サポーターが集まれる場所があるのなら、そこに行って楽しくダーツを投げようと思っています。それで募金が集まればいいことなんじゃないかと思うんですよね。

KTM.
僕はこのイベントで関東圏から出てないんですよ。東京は地震の被害は直接ないかもしれないけど、経済被災してるじゃないですか。関東だから、東京だから大丈夫って思う人もいるかもしれないけど、それは大きな間違いでしょう。本当に今の東京の状況もひどいと思います。東北地方は亡くなった方もいるというまた違った次元の状況ですが、今の東京も盛り上がらせないと、義捐金どうこうの話じゃなくなってしまうんです。

赤松
僕達ができること、少なくとも僕ができることはダーツくらいしかないので、僕達が行くことによって、お店が少しでも潤ってくれるのが理想なんです。お店の方でも、僕達が来たんだから募金してくださいなんていうことは言うつもりもなくて、ただ僕達が行ったことでお店が潤って、その上でお店の方が「これだけ
募金します」という気持ちがあるのなら喜んでいただきます、という感じでやっていこうかなと思ってるんです。とにかくあんまり誰にも負担をかけたくないんですよ。いくら寄付しなくてはとか、そんなことは考えなくてよくて、例えば10万円儲けて一円でもいいんです。

KTM.
僕達業界の人間はダーツバーやダーツショップがあって食べさせてもらってるんだから、こういう時は僕達が無償で働いて、バーやショップにもう一回儲けてもらうというのが当たり前でしょうと、今考えてるのはそれだけなんです。

とにかく、KTM.と赤松選手の「何か自分たちにできる事を!」という気持ちは熱い。今回のイベントにもその心意気に賛同した多くの人達が集い、ダーツをプレイする仲間の絆って本当に凄いんだなと、改めて感動した。当日は皆が持ち寄った品々がチャリティーで販売されたり、zac caでのプレイ代金も全て寄付され、東北だけでなく日本のダーツビジネスそのものをもう一度復興しようという思いが一つになった夜だった。特別じゃなくていい。自分がダーツを楽しむことで、変えられることは沢山あるんだ!