Vol.62 PHOENIX SUMMER FESTIVAL 2013

2013年7月

今年も世界の選手たちがソウルに集結
これこそソフトダーツを楽しむ真の舞台

毎年、司会を務める元ミスコリアGEUM DAN BIさん

連日、素晴らしいステージで大会がスタートした。
今年の大会の演出は素晴らしかった。特に2日目のオープニングにはアジアで大活躍のAILEEが登場。現れた瞬間に多くの若者がステージを囲み大興奮、大盛り上がり。こんな演出に多くのプレイヤーが大満足したことは疑う余地がない。来年も来たいな!と誰もが思ったことだろう。それにしても、このフェニックス・サマーフェスティバル、本当に楽しい大会に成熟してきたものだ。毎年着実に進化し、同時に韓国ダーツの発展が感じとれる。

AILEE YouTubeの専用チャンネルでマライア・キャリーの”Hero”を歌った動画が1,000万ヒットを超えるなど、インターネットではデビュー前からすでに有名人だった。2012年11月29日、香港で行われたMnetのアジアン・ミュージック・アワードでは新人女子歌手賞を受賞し、2013年のゴールデンディスク賞では”Heaven”で音源部門の新人賞を受賞した。

MEN’S SINGLE優勝 INTERVIEW アレックス・ホン(マカオ)
今日はメンズシングルスでの優勝おめでとうございます。対戦相手の谷内選手も強く、厳しい戦いだったと思いますが、得たものも大きいでしょうね。
本当にそうですね。こんなチャンスをいただけて、全ての関係者の方々にお礼を言いたいです。世界中から、その国を代表するような素晴らしいプレイヤーが集まっているこの大会に、私も参加できて本当に幸せです。

決勝戦を拝見しましたが、良いプレイでした。試合を振り返っていかがですか?
ベストオブ3の試合だったので、出来るだけ多く取って早めにいこうと思っていました。それにラッキーだったとも思います。

対戦相手の谷内選手は試合後相当悔しかったのか、本当にがっかりしていたように見えましたね。
そうでしたか。私は興奮していたので全然気付きませんでした。では後で動画を見直しておきましょう(笑)。
僕はどちらかと言うと、試合を楽しもうという気持ちが強いプレイヤーなんでしょうね。最高のプレイヤーと舞台の上で対戦できることが、楽しくて仕方無いんです。今回の谷内選手のように、強くて予測が難しいプレイヤーと対戦できるチャンスはそんなに多くは無いですからね。
自分と同じようなレベルで、よく知っているプレイヤーとばかり戦っても、それは大きなチャレンジにはなりません。自分より上の選手や未知の人たちと戦うことで、色々なことを学べるんです。
そういう意味でも今回の決勝戦は、本当に楽しかったし、勉強になりました。国際試合ならではのゲームだったと思います。

この大会は何回目の出場ですか?また、どんな印象を持ちましたか?
私にとって、今回の出場が3回目です。この大会が、以前よりどんどん良くなっているという事が肌で感じられますね。来年にはさらに参加者も増えて、もっと注目されるような大会になるといいですね。

あなたはビジネスも含めてフェニックスグループの方ですが。
そうです。私のユニフォームにもフェニックスロゴがあるから分かりますよね。私はマカオでフェニックスのディーラー兼マネージャーとして働いています。
この3年くらいでフェニックスはアジアでは大きい存在になってきました。そして毎年更に成長を続けています。これからもこの躍進は続くでしょう。フェニックスの成長のお陰で、ダーツ人口も増えましたし、ダーツ界に大きな貢献をしていると思います。
もしあなたがダーツ好きなら、ここには色々なチャンスが広がっているのです。ダーツは選手としてプレイするのも楽しいですが、ビジネスとしても魅力ある存在です。

LADIES’ SINGLE優勝 INTERVIEW 松本 恵
レディースシングルス優勝おめでとうございました。最後は田中美穂選手と日本人同士の決勝でしたね。
二人で決勝の舞台に立てたのは良かったと思います。レッグを落とすのは嫌だったので、決勝までは全部ストレートできました。でも決勝の1レッグ目だけは先攻取ったのにブレイクされて……。でも、勝つことができたので良かったです。
特に他の国を意識しているわけではありませんが、アジアの中ではやっぱり日本は強いですよね。日本人プレイヤーにはますます頑張ってもらいたいですね。

去年も思いましたが、全体的に楽しそうですよね。
そうですね。いろんな選手もいるし楽しいですよね。だから、海外の試合の経験のないプレイヤーにはぜひ経験してもらいたいですね。
例えばホームだけで投げてると、そこにいる上手いプレイヤーに投げ方が似てきたり、攻め方が似てくるんです。なんとなくワンパターンになりがちなんですよね。でもいろんなプレイヤーと対戦すると、いろんな攻め方が出てくるじゃないですか。クリケットなんかは特にそうだと思うんですけど、同じプレイヤーとばっかり対戦してると、どうしても同じ様な展開になってしまうんです。だから、いろんなプレイヤーと対戦すると、こういうプレイヤーもいるんだ、こういう攻め方もあるんだって広い視野で見られるようになるんです。勝っても負けてもとても勉強になりますよ。それはすごく楽しいし、自分の世界観から抜け出せるというか……。
みんな一生懸命練習しますが、たぶんそれは自分の視野の中だけだと思うんです。それをもっと違う世界を知る事によって振り幅が広がるというのはとっても刺激的ですね。だからみなさん、機会があったらぜひ海外の試合にも出場してみてください!

INTERNATIONAL COMPETITION MATCH
国別対抗戦 優勝 INTERVIEW
日本代表選手(男子)山田 勇樹 谷内 太郎 本間 篤 (女子)松本 恵
山田 勇樹
見事団体優勝おめでとうございます。
ありがとうございます。

お気持ちは?
もう、嬉しいですね。初優勝ですから。毎回良いチームだって言われるんですけどなかなか勝てなくて、今年はやっと勝てて本当に嬉しいです。

何度も出場している韓国大会ですが、今回の印象はいかがですか?
大会自体がどんどん大きくなっているような気がしますね。最初の頃はちょっとエキシビジョンして終わりというか、選手として出られなかったりすることもありましたが、最近はちゃんと試合させてもらっていますからね。大きくなってもいるし、「しっかりダーツしているな」という印象です。

決勝はスペインチームでしたが、相手もなかなか手強かったですね。
そうですね。相手も入れてきましたね。でも僕が負けても太郎さんは勝つだろうと思っていたので、そのへんは少し余裕を持って投げられました。シングルスではねばろうと思ってましたね。たぶんどこの国も4番目が勝負どころみたいな感じでしたが、日本は最後に太郎さんがいたので、僕が勝てば勝ちだし、負けても日本は勝つだろうと思っていました。

昨日のシングルス戦は予想に反して残念ながら敗退してしまいましたね。
僕、正直言って優勝すると思ってたんですよ。今まで僕はアレックスに一回も負けた事がないんです。それなのに準決勝で負けてしまって、もうショックでしたね。絶対決勝行くつもりでいたんでショックすぎました。日本人との決勝だと思っていたので、アレックスに負けたのは辛かったですね。甘かったです。

今回はキャプテンとしての参加でしたが、外国チームのプレイヤーとの交流など、何か感じられたことはありますか?
僕は5回目の参加なのでほとんど戦った事のある選手ばかりでした。だから自分のダーツがちゃんと出来れば相手が緊張してくれるかなと思って投げてました。

わりと余裕だったんですね。
そうですね。毎回自分のダーツが出来てるとは思ってるんですが、それでもなかなか勝てなかったですね。

谷内 太郎
今回が初参加ですが、印象はいかがでしたか?
大会自体もちゃんと流れがあって、国別対抗も質の高い戦いになってましたね。雰囲気も良いですし、しっかりしたなかなか気の抜けない良い大会だと思いました。

昨日のシングルスの決勝では惜しくも優勝を逃してしまいましたね。
アレックス選手のベストが出てたのに対して、僕の方はちゃんとした対応が出来てなかったですね。ベストにベストを尽くせなかったところが問題点です。
僕も良いダーツを打っていたつもりなんですけどね。だから仕方ないというのは言い訳になってしまいます。結果を出したかったですけど、そうできなかったことは今後の課題だと思います。

国別対抗戦はなかなか良い試合でしたが、印象はいかがですか?
山田選手が引っ張ってくれたと思います。特にクリケットで良いダーツ打ってくれてたのが助かりました。僕にはアメリカ戦で回って来ましたが、そこでは「打ちたい」という気持ちが上手くハマった気がします。国別は何回もやっているんで大事な場面でも対処ができて、良い結果が出せたと思います。
昨年も日本代表は優勝しているので2連覇が欲しいというのも頭にありましたから本当に嬉しいです。日本のダーツは質が高くなってきているので、その高い質をどこまで出せるかもポイントだったので、それがしっかり出せたのはとても良かったです。

本間 篤
レボリューションで選ばれて、今回初参加ということですね。
はい。何もかもが初めてでした。

初参加で優勝されましたが、お気持ちはいかがですか?
いやぁもう、先輩方が凄すぎて……。もうちょっとやりたかったな……。

昨日のシングルス戦はいかがでしたか?
残念ながら予選落ちでした。いやぁダメですね〜。

今日の試合ではあまり緊張しているようには見えませんでしたが。
昨日プレイしたので、それほどは緊張してなかったんですけど、それでもすごくプレッシャーはかかってましたね。

こういう国際大会はいかがですか?
あまりにもいろんな人がいすぎてよく分からないですね。でも、とても勉強になりました。

これからの目標は?
目標ですか?もう次は僕がメインの選手として出場できる勢いでいこうかなと(笑)。

山田 彼は国際大会向きだと思いますよ。
谷内 ホントにそうです。落ち着いていますから。昨日のダブルスでもファーストでいって、自分がやるべきことはちゃんとやっていますしね。
山田 かなり良いダーツ打ちますよ。上がりでもちゃんと上がるし、結構安心して見てられますね。
谷内 ただどこにいるか分からないんですよね。すぐいなくなる(笑)。今日のダブルス戦でも探してもどこにもいなくて、もう間に合わないかと諦めた頃にいきなりひょこっと出てきたりして(笑)。個性ありすぎですよ(笑)。

松本 恵
松本選手はこの大会には何度か出場されていますが、今年はいかがでしたか?
私は今年で2回目なんですよ。去年は一般参加だったので、代表選手としては初めてなんです。
印象としては試合慣れしているプレイヤーがすごく多いというか、私は他の大会ではADAしかないんですけど、全然違いますね。どう説明したらいいか分からないんですけど、なんか違うんですよね。

この大会は規模も大きいですからね。
そうですね。でも大きい大会だから緊張してしまうとかじゃなくて、みんな自分のダーツをちゃんと投げてるような印象の方が強いです。本当にのびのび投げている人が多いと思いました。とにかく、すごく楽しかったですね。

今日は他の選手に対して大きな声で応援されてましたね。
今日は気持ちよく投げられたのに、結果として全然入らなかったんです。私の経験から言うと、今までの試合のフォーマットは女子にかかっているというか、女子がどうなるかによって差がつくというような試合作りという印象だったんです。でも今回の韓国大会はそういうことは関係全然なくて、今までと感覚が違ったというか、めちゃめちゃ空回りした部分がありましたね。だからものすごく悔しかったです。
シングルスで回ってくるのがヤンマーさんだと私は出る幕がないので、もう応援しかないなと、思わず大声になってしまいました(笑)。

ステージの上から写真を撮っていても、黄色い声が聞こえてましたよ(笑)。
もうめっちゃ応援しましたよ。でも、ホントに楽しかったです。出ても楽しいし、見ていても楽しいなんてすごい良いチームだなって思いました。

みなさん結構楽しまれたようですが、日本人プレイヤーとして今後の課題などありますか?
山田 とにかく韓国人プレイヤーのレベルがすごく上がってるんですよね。ダブルスの予選なんかやばいですよ。
松本 ホントにやばかったですよね。
谷内 後半韓国ばっかりだったですね。
山田 アメリカチームもいましたけど、予選落ちしてますからね。残ったのは韓国チームと香港ですから。あとは賞金も大きくなったし、それは嬉しいですよね。20万円とか50万円とかの賞金が出るとなると来たくなりますよね。
谷内 昔は代表戦でもオランダとかスペインが強かったけど、今はアジア勢の力がついてるんで日本もそのへんを意識していかなくてはならないでしょうね。とはいえ、やっぱり日本の方がトーナメントも多いし厳しい試合もやっているんで、こっちに来たら必ず勝つということも大事だと思いますけどね。
松本 逆に海外の選手を集めた試合をもっと日本でやって欲しいですね。日本人ももっと海外選手との試合を経験するべきだと思います。今回も韓国の試合なのに、香港の選手がすごい来てましたよ。「出たい」という気持ちが強いんですよね。日本人にもそういう気持ちが大事なのかなと思いますね。
山田 やっぱりまずは日本での開催ですよね。それで、こういう大会だったら韓国とか香港にも行こうとかいう気持ちになるんじゃないでしょうか。
松本 韓国は近いんだから、もっと日本人がたくさん居てもよさそうだし、居なきゃだめだと思うんです。でもそうならないのは経験や機会が少ないせいだと思うんですよね。だから日本での海外選手との試合をぜひ増やしてほしいです。

すべてのゲームが終了すると隣の会場に宴席が用意されていた。そこでもステージ上でパフォーマンスが繰り広げられ、そして各国対抗のダンスや早飲競争などが続いた。多くのプレイヤーが国の垣根を越えて、親交を深めたことだろう。ソフトダーツだからこそできる結びつきが生まれた。