Mikuru Suzuki-Vol.75.2015.9-Top

Vol.75 鈴木 未来
ダーツ業界の中で走り始めたばかり

2015年9月

ダーツの出発点を教えてください。
友人に誘われたのがきっかけです。「絶対ハマるからやってみなよ」と言われて、投げたその日から一年くらい毎日投げてました(笑)。

それはいつ頃ですか?
27歳の頃なので今から7年前くらいですね。楽しかったというより思い通りにならないのが悔しかったんです。

真剣に投げ始めたのはいつ頃からですか?
最初から上手くなりたいと思って一生懸命投げてたんですけど、実際プロとしてやっていこうと思ったのは子どもを産んでからです。それが今から約5年前です。

何か特別なきっかけがあったのですか?
主人が「やりたいならやってみたら」と言ってくれたので頑張ってみようと思いました。そこから日本一を目指す様になりました。

ジャパンレディースに参戦したのはいつからですか?
2013年度の最終戦の岡山大会からです。
そして2014年は年間11勝という素晴らしい成績を残されましたね。
もうそれは運もあったと思います(笑)。もちろん実力を出せた試合もありましたけど、ワンチャンスが回ってきたりすることも多かったと思います。
でもそこまで連勝が続くというのは普通ではないと思いますよ(笑)。何かあったんでしょうか?
もともとそのくらいできたと思うんですけど、それがなかなか出せなかったというか、はがゆい数年を過ごしていた感じです。実力的には2〜3年変わってないので、やっと持ってるものを出して結果として残せるようになったんだと思います。それが2014年度の第4戦目でした。

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2015年度現在のランキングは3位ですが、今年の調子はいかがでしょうか?
今のところ今年の結果には全然納得できないですが、ダーツの仕上がりは悪いながらも頑張ってるという感じです。これから後半に向けて追い上げていければと思っているところです。

ジャパンレディースも上位入賞者の顔ぶれがほぼ定着してきました。先日「私のことも研究されてるし」なんて話していましたが、そんなことを感じることもありますか?
やっぱり私の打ち方などを見てる人は見てると思います。去年何勝もしたので「倒してやろう」という人はたくさんいると思います。去年はそんな雰囲気はあまり感じませんでしたが、今年は「どうにか負かしてやろう」という相手の意気込みを感じますね。

今年は他の選手のレベルが上がった感じはありますか?
上がった感じもしますけど、去年強かった選手は今年も強いですし、どうなんでしょう……!?上がったとしても少しだと思います。去年もみんな強かったです。

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ジャパンレディースの舞台のバックステージはどんな感じですか?
みんな仲いいですね。でも試合になると真剣になって、というメリハリが面白いなと思います。

ここ数年は特に日本の女子プレイヤーが注目されていますが、それについてはどう思われますか?
もっともっと注目してもらって、世界に先駆けて日本女子ならではの舞台なんかができるといいですね。女子プレイヤーだけで華やかな雰囲気の舞台で戦えるとか、そういう独自なものがあってもいいと思います。ボーリングでいうとPリーグという女子プレイヤーだけの試合がテレビで放映されてるんですけど、ダーツでもそういうのがあったらいいと思います。

今はおしゃれなプレイヤーも多いですが、鈴木選手もヘアスタイルなどいろいろ気を使われていますね。
この髪の色にすれば遠くからでも私が試合をしてるのが分るんじゃないかと思って染めてるんです(笑)。

ご自分でどのようなタイプのプレイヤーだと思いますか?
波が激しいと思ってます。

それは技術的にですか、精神的にですか?
どちらもですね。精神的に弱まってるときは技術的にも弱まってることが多いです。こういうところを克服していければ、この先まだ強くなれるんじゃないかなと自分では思ってるんですけど。

全国ツアーを周るにあたって、体調の管理や調整などで気をつけていることはありますか?
去年マッサージチェアを買ったので、それで体をほぐすようにしています。それからツバメの巣を食べてます。

高級食材ですね。
親戚がお店をやってるのでオススメされたんです。私はもともとそんなに体が強い方じゃないんです。疲れてくるとすぐ口内炎ができちゃったりするんですけど、そういうのが予防できるんです。ツバメの巣は胃などの粘膜や皮膚に良いらしいので積極的に食べてます。
それから香川県は銭湯が多いので頻繁に行く様にしています。整体の先生からも銭湯は勧められてますから。

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今までに印象に残った試合はありますか?
何試合かはあるんですけど詳しく覚えてる試合があまりないんです。去年のPDJ東日本の予選で11ダーツを出した試合や、ザ・ワールドでボリス選手と戦った試合、佐々木沙綾香選手と戦って初優勝できた試合などは印象に残ってますね。
みなさんが良かったよと言ってくれた試合は、私自身も心に残っていることが多いです。でも後で映像を見ると、ここをこうすればよかったなんて、どの試合でも思いますね。

普段の練習方法や時間を教えてください。
練習は日中の空いた時間に1日の中で2時間×2〜3回しますが、カウントアップが主体です。毎日手の感触を思い出すために投げてます。

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今ダーツで一番大事にしていることは何ですか?
大事にしないといけないし、これからやっていかなければならないと思っているのは筋力アップです。いろんな場所に試合に行くことで体の疲れが溜まったり、投げる体勢が崩れることがあるんです。
これはもう少し体力を付けないとならないと思って、全体的に筋力アップするためにジムに通い始めました。もともと肩こりや腰痛があるので、それを改善するためにもジムで泳いだりしています。

先ほどお話に出た昨年のPDJ予選では男子も顔負けのすごいダーツを投げていましたね。ハードへはどうのように取り組んでいるのでしょうか?
ハードだからこう投げてるとか、あまり意識はしてないです。ただワンチャンスが多くくるのはハードなので、武器になるようアレンジなどもしっかりやっていこうと思ってます。ハードは普段からリーグに出たりして、投げる機会も多いんです。

ハードでは女子も世界に出るチャンスはありますが、挑戦されているのですか?
はい挑戦してます。今年もJSFDでは日本代表に入りました。今はジャパンレディースが主で空いた時間でハードの試合に出るというスタイルなので全部の試合には出場できませんが、出られた試合でポイントを獲って日本代表になれるように頑張ってます。

海外にも行く予定ですか?
はい、その予定です。

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尊敬するプレイヤーはいますか?
すごいなと思うプレイヤーはたくさんいるんですけど、じゃあこうなりたいと思うプレイヤーはいないんです。プレイは見るんですけど、その人自体をよく知らないんで、尊敬するプレイヤーは特にいないですね。

ダーツ以外の趣味はありますか?
歌うのが好きなのでカラオケにはよく行きます。なんでも歌いますよ(笑)。

結婚されてお子さんもいるということですが、とても理解のあるご家族だと思いますが。
そうですね。主人もものすごく理解があります。

5歳の息子さんとなるとそろそろダーツのことも分るのではないですか?
1歳半くらいからおしゃぶりしながら投げてました(笑)。今は飽きちゃったみたいであんまりやりませんね。

今後の夢を教えてください。
順番にいくとまずは女子の日本一、そして男子を含めても日本一。そして世界の女子の一番になったら、男子のトッププレイヤーとも戦って頂点に立つというのが最終目標です。そこにどこまで近づけるかということなので、その目標に向かって頑張っていきたいです。

最後に読者にメッセージをお願いします。
まだまだダーツ業界の中で走り始めたばかりなんで、上がったり下がったりしながら頑張ってます。それでも少しずつ上がっていくと思うので、長い目で見ながら応援していただけたらと思います。