Vol.104 稲垣 亜衣
心身共に健康になること

2020年9月号

ダーツプロとボディメイク、両立の魅力

私がボディメイクを始めたのは、友人への憧れが大きかったからなんです。
その友人がトレーニングを始めてボディメイクの大会に出場した時に、間近で見ていてどんどん綺麗になっていく、自信に溢れていく様が素敵でカッコ良かったですね。
初めはシンプルに痩せたいな程度に思っていただけで、ボディメイクの大会に出て勝ちたいなんて全く考えてもいませんでした(笑)。大会に出たのはトレーナーさんの何気ない「出てみれば」の一言からです。
以前はびくともしなかった高重量が普通に上げられた時、何とも言えない達成感が味わえます。ダーツのレーティングが上がっていく感覚に似てますよね。

筋力は加齢と共に衰えるのが当たり前なのですが、60代の方でも普通にトレーニングで上がります。自分に自信がつきますし、ストレス発散にもなります。筋力がつけば体幹も良くなりますし、有酸素運動を取り入れることによって持久力も上がります。これってダーツにも良いことありますよね。
大人の趣味としてはそれほどコストもかからず、かっこいい身体が手に入れられるんですよ。たまに「なんでそんなことやってるの?」と聞かれますが「逆になんでやらないの?」なんて答えてます(笑)。
また、ボディメイクの大会に出ることによって人から見られることに慣れるというのも、プロのダーツ選手には活きるなと最近思っています。

私はもともと緊張のコントロールが下手なんです。昨年PERFECTの大会に出場して思い知りました。
ありがたいことにスポンサーさんがスポットライトを当ててくれたり、SNSでの訴求のおかげで、たいした戦績も残していない私の予選ロビンでの試合を後ろで応援してくださる方がいて、見られてる!良いとこみせなきゃってガチガチに緊張していました(笑)。
もし今後勝ち上がることができたなら中継台等に上がるわけで、その時ダーツちゃんと握れるのかなと(笑)。
そんな時ボディメイクの大会で、大勢に見られていた経験はメンタル的に良いかな?なんて思っています。あれだけ見られたんだから、ダーツの試合でも大丈夫的な。そうなればいいな。そんな甘くないか(笑)。

ちなみにいい事ばかり言っててもなんなので、デメリットというか両立のポイントです。
それは「筋肉痛」との付き合い方。ダーツって小さなターゲットを淡々と狙う競技な訳で、ちょっとした筋肉の動きや感覚が重要ですよね。がっちり上半身トレーニングした後にくる筋肉痛の時は感覚が狂います。男子のダーツトッププロの方に、追い込んだ筋トレメニューをこなしてもらった翌日、筋肉痛のない私と勝負させていただいたら、どうなるか?私勝ちます。たぶん(笑)。
下手すればダーツがボードまで届かないくらいになっちゃうかも。なので、ダーツとトレーニングのスケジューリングは緻密にすることをお薦めしますね。
今私にとってダーツは一番頑張りたいことです。勝敗が誰の目にも明らか。がむしゃらに勝ちにいきたいです。とにかく上手く強くなりたい。

その目的のためにもボディメイクは当たり前に日常的にこなしていくものだと思っています。大会となればもちろん勝ちたいですが、勝敗は審査員がその大会の掲げる最高の身体に近づけた人が勝つわけで、身長や手足の長さ、骨格など先天的なものがどうしたって評価される部分があります。勝敗をつけるのが難しい競技ですね。
なので、自分のなりたい身体を作って、「心身共に健康になること」がゴールだと思ってます。
最後に、ダーツとボディメイクは私にとって最高のライフワークです。私自身が楽しんでいることなので、皆さんにも絶対の自信をもってお薦めします。
年齢や性別の垣根を超えて、楽しめる方が増えると嬉しいな。