Vol.102 小森 麻理
私は幸せ者です

2022年1月号

前回のインタビューは2019年1月号でした。その後なにか特別なことはありましたか?
その後私のバレルが2回リリースされました。2019年の夏に最初のモデルが出て、そして先月新しいものが発売されました。

東京の各ショップを訪れて宣伝活動されたようですね。
今年はダーツハイブのオフィシャル・プレイヤーなのでハイブ巡りをしました。自分のモデルなのでできるだけ協力したかったからです。

2020年2月に突然コロナが始まり世の中も大騒ぎとなりましたが、どうしていましたか?
実はコロナにその頃感染したんです。最初の頃だったんで、誰にも言えませんでした。その前の年末、愛猫が亡くなってふさぎ込んでいました。そして引っ越しをすることになって、家からはほとんど出ずに荷造りをしていたんです。コンビニや薬局ぐらいしか行っていなかったので、感染経路は謎で不思議ですね。
誰もが気を付けていたとは思うんですが、それからは私の場合は特に神経質になってしまい、どこにも行けず仕事にも消極的になってしまいました。
前向きになってきたのは、ごく最近のことです。外にも出れるようになり仕事も入ってくるようになって来て、ワクチンも打てて安心できるようになりました。この2年間は本当に空白の時間でしたね。何も出来なかったです。

プロツアーやイベントなど全て中止されてショックでした。モチベーションの維持はどうしていましたか?
モチベーションは無かったです。その期間でもトッププレイヤーの方々などはきちんと練習していたんでしょうが、私は試合が始まるなど全く想像できなくて何もしていませんでした。本当にこもりきりで真っ白でしたね。それでツイッターに依存するようになりました(笑)。
またこのコロナ禍で女子プロプレイヤーについても考えるようになりました。私は今33才なのですが結婚や子供のことなど将来を考えると、リミットが迫っているという課題ですね。きっと私と年齢が近い多くの女子ダーツプロプレイヤーが、思い悩んでいるのではないかと思います。時間があったためどうしてもいろいろ突き詰めてしまいました。
近頃はようやくイベントの仕事も徐々に増えてきて、忙しくなって来ました。そこで気付いたのが、久しぶりに会うファンの方々の素晴らしさです。2年ぶりなのに変わらないんですよね。その期間でも私のグッズを買っていただいていたり、本当に支援していただいていたと再認識できました。「変わらず応援しているから頑張ってください」と声を掛けられると、なぜか泣いちゃうんですよね(笑)。
一時期は思いつめて引退も考えるほどだったからでしょう。でも今はファンの方々に再会して、新しい勇気が湧いて来ています。私は本当にファンありきのプレイヤーだと思います。ファンに会いたいのでずっと続けていきたいな、と考えるようになりました。

ジャパンが再開されました。最初に発表を聞いた時はいかがでしたか?
えっ?と思いました。準備はできてないし、すぐ参戦には迷いましたね。そこで出る試合を限定して、とハロウズに連絡致しました。
岐阜から参戦したんですが、でも1回でも出場すると次にもエントリーしてしまうんです(笑)。やはりダーツは楽しくて嬉しくて、再開には感謝しています。

久しぶりの試合ですがどんな雰囲気ですか?以前と変わったことはありますか?
無観客なので雰囲気は違いますね。やはり寂しい感じです。私はすぐに負けてしまうのでカッコいい姿をお見せできないんですが、それでも応援がほしいです。中継される試合まで残れないのが悔しいですね(笑)。
あえて言うと試合中に水が飲めないのがしんどいです。飲み物を取る場所も決まっているので、試合中はマスク必須ですので辛いです。緊張で喉カラカラになるので厳しかったです。

コロナも落ち着いてきてイベントは大忙しですか?
それでもまだ以前のようには戻っていません。でもダーツ界が再始動したことは肌で感じていて、呼ばれた時には今まで以上に張り切りたいと思っています。

イベントではお客さんの反応は以前と変わってきていますか?
今の状況ですとまだ全力でワーと出来ない感はあります。集合写真撮影の文化もなくなっていて本当に悲しいです。大切な思い出になりますからね。

ダーツ業界が再開されつつありますが、どう思いますか?
う〜ん、まだ怖いという気持ちもあります。大騒ぎもできないですし、しばらく手探りで工夫しながらですね。プロツアーやイベントで悪いニュースが出て来ないことを心から願っています。行動に気を付けてマスクや消毒、手洗いをみんなでしっかりやっていきましょう。

女子プロダーツプレイヤーとしてどんなことが出来るとお考えですか?
私なんて何もできないのかなと思っています(笑)。

そうですか?イベントも多く参加していて、着実にダーツファンを増やして貢献していますよ。
そうなんでしょうか。そうだったら有り難いですね。私は目の前のファンのために一生懸命やっているだけで、難しいことは考えていないです。

最近はいろんなキャラのプレイヤーが出て来て注目されていますね。ご自身ではどんなタイプの女子プロだと思われていますか?
難しいですね!どうなんでしょうか?あまり考えないで地でぶつかっていく感じで、いつも同じテンションで生きています(笑)。ファンになっていただけている人たちは本当に良い人ばかりで、私は幸せ者です。

ハロウズ・プレイヤーも頑張っていますね。
愛すべき後輩がいっぱい出来て仲間が増えました。みなさん頑張っていますので、注目していただくようお願い致します。

改めてこれからの目標を教えて下さい。
とりあえず目標はやはり入賞でしょうか。一度でもいいからエイトに入りたいなぁ(笑)。

読者にメッセージをお願い致します。
前回は私が一流になるまで応援して下さい、と言いました。一緒なんだよなぁ。まだなんだよなぁ(笑)。
ハロウズと契約したのが4年前なんですが、その頃は4年でゴールだと思っていたんです。いろいろなことで結果を出して区切りを付けようと考えていました。今はお客様に10年後にも一緒に飲みましょうね、とお願いしています。
ダーツって最高!