2016年1月
ダーツとの出会いを教えてください。
僕がダーツを始めたのは12歳の頃です。一番のきっかけは父の影響でしょうね。僕の父は熱心なダーツプレイヤーで、地元では結構名の知れたプレイヤーだったんですよ。だから、僕にとってダーツは身近なものだったし、父の背中を追うように、自然と自分もプレイするようになりました。
他にも色々なスポーツがある中で、ダーツを選んだのには特別な理由がありますか?
僕が子供時代から大人になる過程の中で、最初に得意としていたスポーツがダーツだったというのは大きいでしょうね。それにうちでは父だけでなく兄もダーツをプレイするので、家族皆で一緒に楽しみながらプレイしていました。そこからダーツの魅力に取り付かれていったんです。
プロになる前はどんなプレイヤーでしたか?
僕はアマチュア時代からスーパーリーグでプレイしていましたし、地元のダーツ大会でも優勝していたので、良いプレイヤーだったと思いますよ。僕の父は僕に、どんな状況になっても決してあきらめないということを教えてくれました。アマチュアの頃から大切にしているその教えは、プロになった今でも僕にとって大きな財産になっていますね。
現在のPDCの大躍進についてどう思いますか?
PDCが世界的に成功を収めているおかげで、ダーツは以前よりずっと大きなものなってきていると思います。試合の内容やプレイヤーの質もどんどん上がっていますよね。
これによって、多くのビッグスポンサーも付くようになり、メディアの露出も増えています。おかげで、更に多くのお客さんにダーツを届けることが出来るようになったと思います。
これまでで最も印象に残った大会や試合は?
2012年のワールドチャンピオンシップで決勝に出場したのが、強く印象に残っています。僕にとってはこの大会が、これまでのダーツ人生で最大の結果を残せた戦いだったと思います。やはりワールドチャンピオンシップはダーツ界最高峰の舞台ですから、そこで良い成績を出せたのは嬉しかったです。
現在は多くの若手プレイヤーが台頭してきていますが、それについてはいかがですか?
ダーツの世界では、これまでに無いくらい賞金金額が大きく跳ね上がってきていますし、ダーツのステイタスが上がっています。それに連れて、ダーツプレイヤーになって一旗上げてやろうと考える若者が増えるのは当然のことだと思います。彼等について言えるのは、恐れを知らないということでしょうね。
試合に備えて、身体的または精神的に何か特別にやっていることはありますか?
僕は試合の日には、会場に入る前に特にリラックスして過ごすように心がけています。試合で遭遇するどんな厳しい状況でも対処できるように、十分精神的に準備をしておくためです。これが僕にとってはとても大切なことなんです。
あなたはどんなダーツプレイヤーですか?
僕の場合、試合の結果はどれだけその時のダーツに集中出来たかということにかかっています。したがって、投げるダーツの一投一投全てが、自分なりのダーツ理論に基づいて規則正しいものなるようにしています。これが僕のダーツプレイヤーとしての特徴を表しているかも知れませんね。自分で自分を言い表すとしたら、「絶対あきらめないプレイヤー」ですかね。
ソフトダーツについてどう思われますか?
実を言うと、僕にはソフトダーツを投げた経験がほとんど無いんです。だから、あまり良く分からないとしか言い様がないですね。
尊敬するプレイヤーはいますか?
僕は子供時代からダーツをプレイしていますが、その頃からずっと大好きだったのがジョン・ロウですね。
あなたにとってダーツの魅力とは何ですか?
ダーツの一番の魅力は、誰でも簡単に始められるスポーツだということです。プレイするのにそんなにお金がかかるわけではないのに、プロになって大成すれば見返りは大きいですよね。僕自身にとってダーツは、大好きなスポーツを仕事としてやっていけるという、大きなチャンスを与えてくれたものです。
あなたにとってダーツとは?
僕の仕事です。でもただ単にそれだけではなくて、大好きなものでもあります。僕は本当に、ダーツをプレイすることを愛してるんです。プロになった今でも、地元のリーグでプレイしているくらいですからね。
ダーツ以外に何か趣味はありますか?
僕はサッカー観戦が趣味です。マンチェスター・ユナイテッドが僕のお気に入りのチームなんですが、時間があるときには試合を見に行きます。家にいる時は、映画を見たりして家族と過ごすのが好きです。たまにですが、エアーライフルを撃ちに行くこともありますよ。
あなたの成功の秘訣は?
経験、断固としたやる気、それから、長時間集中力を持続させることが出来る能力を持っていること。この3つでしょうか。
何か特別な練習方法などを取り入れていますか?
僕の考えでは、ほとんどのプロダーツプレイヤーはさほど変わった練習はしていないと思います。僕も皆と同じようなものですよ。僕は特に上がりの練習を念入りにしていますね。それから501のゲームを実際にやること。これが僕の練習の主なメニューです。
将来の夢や目標は?
僕の夢は世界チャンピオンになることです。今後の目標としては、ダーツをプレイし続けること。そしてダーツプレイヤーとして、自分に出来るだけの最高の位置を目指したいですね。
読者の皆さんにメッセージをお願いします。
皆さんの中には、本気でプロのダーツプレイヤーになりたいと思っている方がいると思います。もしそうなら、大切なのは自分の力を信じることです。そして、あなたの全身全霊を賭けて 努力してください。そうすれば、結果は必ず付いてきます。人生において、達成できない願いは無いと思います。
【ダーツ テクニック】
グリップ
僕のグリップは人差し指と中指、そして親指でダーツを持つやり方です。持つ位置はバレルの後方ですね。グリップはあまりきつくせず、リラックスした感じでグリップしています。この持ち方は、僕がダーツを投げ始めた頃からずっと変わっていません。
それからグリップで大切なことは、しっかりチョークをつけて、手が乾燥し過ぎないようにすることです。重量挙げの選手がよくチョークの粉を手につけていますよね?あれと一緒で、グリップを補助するために、僕は必ずチョークを使っています。
スタンス
僕がスタンスで気をつけていることは、身体を出来るだけ前に出すことです。足は止まっていますから、身体を前に出すと姿勢が倒れがちですが、これをしっかり補正してきちっとした姿勢で立つことを心がけています。この立ち方もずっと変わらずにやっていますね。
テイクバック
僕のテイクバックは、いつでも目の高さまで引きます。このときグリップを緊張させないよう、強くなり過ぎないよう気をつけます。
リラックスして引くことが大事です。それから、テイクバックの時はダーツを回したりはしません。
狙い
僕は狙うということについては特に持論や特別な方法は持っていません。ダーツで的を狙うとき大切なのは、焦点を合わせることと集中力ですね。
リリース
僕は、腕を精一杯伸ばした時点でダーツをリリースします。
フォロースルー
フォロースルーはダーツを投げる時とても大切な動きだと思います。フォロースルーを決めることで、毎回同じタイミングでダーツをリリースしていることを確認できるからです。ダーツはミリ単位で競うゲームですから、フォロースルーを意識することで、結果に大きな差が出てくることもあります。それくらい重要な要素ですね。
飛び
僕がダーツの飛びで気をつけていることは、狙ったところにダーツが飛んで行くということです。当たり前のように聞こえますが、とても難しいことです。それを達成するためにも、ダーツが飛ぶ軌道は真っ直ぐで厳密でなければなりません。
リズム
全てのダーツプレイヤーが自分のプレイに合ったリズムを持っています。僕もそうです。僕だけのリズムを持ってダーツを投げていますね。でも、これは口で説明できる種類のものではなくて、感じるものなんです。
これまでに投げ方やスタイルは変化してきましたか?
いいえ。僕の場合、投げ方はずっと同じです。僕は今の投げ方で結果を出していますからね。一度何か少しでもスタイルを変えようとすると、全てが変わってしまいます。そうすると試合そのものに影響が出かねません。
練習
僕の場合、ほとんど自分一人で練習します。たださっきも言いましたが、僕は今でも地元リーグで週に2回程度プレイしているので、それが実践の試合練習になっています。
練習方法としては、試合に出てくる全ての要素を練習します。つまり、スコアリンング、フィニッシュ、各ナンバーのトリプルやダブルなどそれぞれの場所狙いなどです。でも、特に念入りにやるのはフィニッシュの練習ですね。だって試合に勝つためには、上がらないとなりませんからね。こういった練習を、毎日2時間欠かさずやります。
スランプ
大きなスランプと言えるかどうかは分かりませんが、僕にもフォームに迷ったような時期はありました。でもそれもダーツというスポーツの一部だと思いますし、どんなプレイヤーだってそういう経験はするものです。
スピリット
自分の気持ちを上げていき、闘志を高めるためには、常に自分を信じる心を持つことが何より重要です。対戦相手がどんなに強い敵でも、ただひたすら今やるべきことに気持ちを定めて、集中力を高めるようにすることで、精神面が安定するんです。
僕はこのやり方で、これまでに苦しい場面をたくさん乗り越えて来ました。