林 雄太
実は10年以上イップスなんです

自己紹介をお願い致します。
1998年生まれ26才、出身は京都で現在は奈良に住んでいます。初めてダーツを触ってからは16年ほどになります。

10才ぐらいから始めたということですか?
今自分がやっているTOPGUNというお店は、元々親がやっていたんです。ダーツが置いてあったので、自然に興味を持ち投げるようになっていました。

プロになったのはいつなんですか?
高校を卒業してからなったので19才、2017年ですね。開幕から6戦までプロツアーに参戦しました。そして8月から翌年の3月末まで香港にダーツ留学したんです。

それはどんないきさつなんですか?
以前ダーツライブ・オフィシャルプレーヤーだったマサ・ルイという選手がいるのですが、当時は香港でとても有名なプレーヤーでした。日本で開催されたユースの大会にも時々来ていて、よく対戦していました。勝ったり負けたりでしたね。
彼の両親は香港でユースを育てる活動をしていて、彼の母が日本語を話せたのでコミュニケーションが出来たため、高校1年生の頃から毎年香港に行っていました。
元々JAPANプロは僕がユースの頃は、20才からでないと資格が取れなかったんです。そこで高校卒業してから1年あるので、留学してみようとなったんです。
プロになる前からそこでしか行けないと思っていたので、15才の頃から決めていました。ホームステイさせていただいて、彼は兄弟のように思っています。

香港はいかがでしたか?
日本では20才以上でないとリーグに出れないとかありますが、香港では18才以上なので、勿論参加していました。でも生活もあるので現地で知り合った日本人と一緒に面接に行って、飲食のアルバイトもしていました。
今思い直してみると、楽しい思い出はたくさんありますが、毎日孤独でしたね…。まだ若くて多感な年齢ということもあったと思います。

JAPANにフル参戦したのはいつからなんですか?
2018年から毎年全戦参戦しています。

でもすぐにコロナになってしまいましたね。
そうなんです。お店を引き継いだ頃と重なって耐えるのに必死でした。

今までのJAPANの成績はいかがでしょうか?
納得いくような結果ではないですね。でもダーツの調子はこの5年ぐらい変わっていません。レーティングもずっと18あるし…やはり大事な時にイップスが出てしまっていますね。実は10年以上イップスなんです。
ひどい時は中1の頃ですが、レーティングが15から2まで落ちた事もありました。その後17まで戻ったんですが、また11まで下がったり…辛かったですね。

かなり長い期間、苦しんでいるんですね。
今は受け止めてやっていますが、練習と試合ではまるで違うんですよね。試合で入れなくてはならない場面で、手が止まってしまうんです。

それにしても長いケースですね。
正直やめようと思ったことは数百回あります。でも気付くと家でダーツ持って投げていたり…やっぱり好きなんでしょうね。プロになってからも何回も挫折したんですが、経費も時間もかけて全戦参戦しているのに…勝てないし、悲しく、言い尽くせ無い気持ちはあります。

ところでSUPER DARTS 2025 QUALIFIER TOKYO優勝おめでとうございます。
ありがとうございます。初めての大きな試合での優勝でしたので、本当に嬉しかったです。SUPER DARTS出場権利ですからね。僕たちの世代はこの大会を見て育っていますから、今でも信じられないです。
僕は兄弟でJAPANに挑戦しているんですが、妹の桃加が現在ランキング2位で頑張っているのに、僕は結果が出ていないです。JAPANとJAPAN LADIESで対戦することはないんですが、大きな刺激になっていますね。それだけに今回優勝する姿を見せることが出来て、試合後は感情が爆発してしまいました。

当日のSNSでは彼女の応援が話題になっていました。
そうですか。早く勝てぇ!と言われていましたからね(笑)。去年のワールド・マレーシアでも決勝まで行っているんですが負けていて、いつもあと一歩でしたから…。

彼女は人気もあって現在年間ランキング2位ですからね。
近くで見ていますが、ずっとレーティング16〜17はありますからね。やっと結果が出てきたという感じです。

遠征とかは一緒なんですか?
必ず一緒です。兄弟で力になっているのかもしれません。

TARGETから新しいバレルが出ました?GENERATION 3ですがどんなバレルですか?
売れるといいですが良いタイミングで勝てたのかな、と思っています。特徴としてはストレートで、僕のグリップで握りやすいように51mmで長めです。でもどこを持っても飛ばしやすいバレルになっていると思います。

これからの目標は何でしょうか?
やはりプロツアー年間チャンピオンです。今回の優勝は通過点ですが、目標というよりはSUPER DARTS優勝は「夢」ですね。今シーズンの目標としては同じ大会で兄弟優勝出来たら、いいなぁと思います。実現できたらドラマチックでしょう。

ファンの皆様に一言お願い致します。
いつも応援ありがとうございます。会場で声をかけていただいて力になっています。これからもよろしくお願い致します 。