Vol.40 Russ Bray
世界最高のダーツコーラー来日

2009年11月号

今日のトーナメント、いかがでしたか?
最高でしたよ!会場もすばらしかったし、構成や流れも良かったですね。ほんとに、このトーナメント大好きになりました。日本人プレイヤー達はどうでしたか?
どんどん上手くなってますね。前回私が見たときより、10倍くらいの勢いで上達しているんじゃないですか。今日のトーナメントでも、良いダーツをたくさん見せてもらって感心しました。日本人プレイヤー達が、世界のトッププロに混じって活躍する日は、もうすぐそこまで来ていると確信しました。

日本人プレイヤーのプレイスピードはどう思いますか?
とても良いですね。
日本ではソフトが主流で、ソフト出身の日本人プレイヤーがほとんどなのですが、彼らのダーツを見て、アレンジについて何か気になった点はありますか?
確かに、カウントをもっとしっかり自分のものにしたほうがいいなと思うプレイヤーはいましたね。ソフトでは機械がやってくれますから。
でも、ハードではそれを自分でやるのですから、しっかり頭に叩き込んでおかないとだめですね。

今日最も印象に残った試合はどれですか?またその理由は?
今日の第一試合、アニーとジョニーの戦いですね。世界の舞台を飾ってもおかしくない、質の高いダーツが繰り広げられていました。最後のレッグまで興奮の連続のゲーム展開でしたね。

今日のトーナメントで、誰かあなたの目に留まったプレイヤーはいましたか?
出場した8人全員、才能あふれるプレイヤーです。その中でも特にアニーは凄いですね。しっかりと安定したプレイで、カウントも良く出来ていました。将来活躍するプレイヤーだと思います。

今日出場した日本人プレイヤー達とPDCトッププロの間には大きな違いがありますか?
確かに違いはあります。PDCトッププロ達は、大きなトーナメントでステージに上がることに慣れていますからね。これは経験を積む以外に対応策がないものなんです。でも今日のトーナメントで、日本人プレイヤー達は最初緊張していましたが、だんだん状況に順応して自分の力を発揮できるようになっていましたよ。

PDCトーナメントで、日本人プレイヤーに勝算はありますか?
勿論ありますよ!技術や才能は十分なのですから、あとは多くのトーナメントに出て経験を積み重ねていけばいいんです。

PDCのコーラーを始めてどのくらいですか?
私がPDCに参加したのは1996年です。その年のワールドマッチプレイで、コーラーとしての初仕事をしたわけです。

コーラーという仕事で一番難しいところは何ですか?
長時間に渡る試合で、集中力を持続させるのはとても大変です。私がコールした最も長い試合は、2時間45分もかかったんですよ!

あなたのコーラーとしての歴史の中で、最も興奮した試合を教えてください。
興奮した試合はたくさんあります。あえて一つ挙げるなら、フィル・テイラーとレイモンド・ヴァン・バーナベルドがワールドファイナルで激突した試合でしょうか。この試合はもつれにもつれ、最後のセットの決め手のレッグでようやく決着がつき、バーナベルドが勝ったんです。

強いプレイヤー達の性格的特徴とはどういうものでしょう?率直な意見をお願いします!
強いプレイヤー達は、自分の才能を絶対的に信じています。集中力をしっかり維持できるくじけない心と、自らを律して練習にのぞむ大いなる意思の力を持っています。

コーラーとして、また日本にいらしてみたいと思いますか?
絶対また来たいですね。良いプレイヤー達が参戦するトーナメントで、コールしてみたいです。私が日本で経験したことから言わせてもらえば、そんな凄いプレイヤー達は日本にいますよ!

日本の読者にメッセージをお願いします。
私をこんなに歓迎してくれた日本の皆さんにとても感謝しています。ほんとうに、ファンタスティックな経験でした。日本のダーツプレイヤーには、練習をがんばって欲しいです。ビッグになりたければ練習あるのみ。PDCに参加して成功するのも夢ではありません。ダーツファンの皆さんはプレイヤー達を応援し、サポートしてあげてください。そうすれば、プレイヤー達はファンの前で良いプレイをし、楽しませてくれるでしょう。トーナメントの熱気は独特の雰囲気があり、プレイヤーとファンが一緒になって造る特別な時間は何ものにも代えがたい経験です。私が今回横浜で経験したのも、そういう素晴らしいトーナメントでした。