2020年9月
この度、初めてコラムを書かせて頂きます、高木と申します。宜しくお願い致します。私がスティールダーツを始めたのは、2年前、YouTubeでPDCの試合をたまたま見た事がきっかけでした。
そして、PDCというエンターテインメントに強く惹かれ、現地に観に行ってみたい！と思ったことから、今迄にイギリスやオランダ、オーストリア等へ行き、様々な試合を観に行きました。
そして、今年もPDCプレミアリーグを観に行ってきました。
PDCにおけるプレミアリーグとは、イギリスやオランダやドイツを開催地として、2月から5月の毎週木曜日全17週にわたって開催される、PDCメジャートーナメントの一つです。
このトーナメントの流れについてご説明します。まず、メインプレイヤー9人による総当たり戦を9週目の「ジャッジメントナイト」と呼ばれる審判の日まで行い、9週目終了時点での最下位1名が脱落します。
その後、残った8人で再び総当たり戦を16週目まで行い、16週目終了時点での上位4名が最終週のプレーオフに進みます。
プレーオフでは、準決勝・決勝を行い、優勝者を決めます。優勝賞金は25万ポンド、日本円で3千5百万円です！
今年は、賞金ランキングであるPDCオーダーオブメリット上位4名の「マイケル・ヴァン・ガーウェン、ピーター・ライト、ガーウィン・プライス、ロブ・クロス」に加えて、ワイルドカード5名の「ネーザン・アスピナル、ギャリー・アンダーソン、マイケル・スミス、ダリル・ガーニー、グレン・デュラント」、計9名のみがメインプレイヤーとして出場しています。
又、昨年よりチャレンジャープレイヤーとして、9週目までは各週開催地域のPDCプレイヤーが各週1人ずつ参戦しており、計9人出場しています。
ここからは、実際の体験談です。
会場についたら、チケット確認と手荷物検査を済ませ、中に入ります。自分の席を確認して荷物を置いたら、試合開始まで時間があるので、バーカウンターでビールを買って現地の人達と話したり飲んだり、ブックメーカーのブースで出場選手に賭けたり、と会場内をぶらぶらします。
そうこうしていると、試合開始の時です。デイブ・クラーク、ウェイン・マーデル、マーク・ウェブスターの３人による前説があり、デイブ・クラークの「Are You Ready for Darts? Let`s Play!」から試合が始まります。まずは、選手のウォークオンです！観客席中心部からのウォークオンロードをウォークオンミュージックと共に舞台へ上がってゆく選手達！憧れのPDCトッププレイヤーが目の前にいるのですから、これだけでもうテンションは最高潮です！
選手達が舞台に上がり、アップスローを終えると、ゲームがスタートします。選手から放たれたダーツはトリプル20やトリプル19に吸い込まれて入ってゆき、100・140は当たり前と言わんばかりに出し続け、180をサラッと出してしまいます！その光景は凄すぎて異次元の世界としか言えません、何度見ても言葉を失い見入ってしまいます。
更に凄いのは、選手たちのダーツの飛びです！特にガーウィン・プライスとマイケル・スミスの飛びは、芸術的と言えるほど美しいです。軽く投げているのにも関わらず、放たれたダーツがまるで生きたような動きをしながらターゲットに吸い込まれてゆく様は、ずっと見ていたいと思えるものです。
そして、このプレミアリーグを観戦してきた中で、マイケル・スミスの9ダーツを見ることが出来ました！
アイルランド・ダブリンで開催されたNight4、マイケル・スミスvs.ダリル・ガーニーの一戦です。
4レグ目、スミスが180を1ラウンド目・2ラウンド目と打ち、141レフトとなりました。この時、スミスは141を上がって9ダーツを達成するだろうと、私は何となく感じていました。
私は今迄にスミスの9ダーツトライを2回生で観ており、以前のトライの時と比べて、スミスから腰を据えたオーラや9ダーツを絶対に決めるぞといった意思を、観客席から見ていて感じられたからです。
3ラウンド目、1本目がトリプル20に2本目もトリプル19に吸い込まれてゆくスミスの放ったダーツ。そして3本目を迎えようとする時、9ダーツ達成の瞬間を見られるかもしれないという期待から、私は胸が高鳴っていました、2本目と3本目の間は、時間にすれば１秒にも満たない時間ですが、体感時間はもっともっと長く感じました。
そして、スミスが3本目にダブル12を決めた瞬間、会場はお祭り騒ぎ、観客の大歓声に包まれる中、私は座っているテーブルの近くの人達と、この瞬間を見られた事を喜び合い、歓喜に震えていました。
そんな中、後ろの方の客席から大量のビールカップが飛んできて、私の座っていた辺りの席に沢山降ってきました（笑）。服はビショビショになり、ビールの匂いもしっかり付きました（笑）。
試合が終わり帰路に着きホテルに戻ったあとも脳汁が出続けていたのか、暫く寝ることができませんでした。
9ダーツ達成の瞬間を生で見たことは、今でもその時の事を鮮明に思い出す事が出来くらいに、かけがえのない一生の思い出です。
