2011年10月
9月21日~24日にアイルランドで開催されたWorld Cup
今回は9月21日~24日にアイルランドで開催されたWorld Cupについて書きたいと思います。ダーツにWorld Cupが有る事を初めて知ったなんて人も多いんじゃないでしょうか?ハードダーツの大会で、WDF(World Darts Federation)により2年に1度開催されています。WDFはサッカーで言えばFIFAみたいな団体ですね。今回のWorld Cupは世界から38ヶ国が参加。
日本代表はJSFD(Japan Sports Federation of Darts)のツアーのポイント上位者から選抜されます。
今年の日本代表は、清水浩明、佃賢吾、後藤卓也、石田博生、大久保亜由美、大内麻由美の6名。スポンサードしている清水浩明が出場する為、私も付き添いとしてアイルランドまで行ってきました。他に日本チーム団は、JSFD会長のBayard Raphael Brickさん、毎回参加しているミレーノツアーの上田豊さん、USAGI BOSSの河田慎弥さん、L-Style社長の芹澤甚太さん。
残念ながらアジアからの参加は日本だけ。日本以外のアジアではまだダーツがマイナーで、団体が選手を派遣するお金が無いようです。やはりダーツはヨーロッパ、特にイングランドが中心でアジアのダーツはまだまだなんだと痛感します。
今回のWorld Cupはアイルランド首都ダブリンから、バスで3時間ほど行ったホテルで開催されました。森の中に1軒だけぽつんと建っていて、いかにもヨーロッパの建物って感じの趣の有るホテルでなんですよ。リゾートホテルなんですが、敷地内にグラウンドがあったりして、スポーツイベントも請け負っていそうなホテルです。
大会前日には夕方から開会式が。開会式は挨拶や紹介がおこなわれ、メインの各国チームの紹介に。各国の選手団が紹介され、先頭の人間が国旗をもってステージに。私も日本チームのメンバーとして名前を呼ばれたのですが、入場には参加せずにステージ下から撮影していました。流石に1時間以上の長い入場式で、後半はだらけムードでしたが、最後ホスト国のアイルランドの入場の時はスタンディング・オベーションです。非常に華やかな雰囲気の開会式でした。
初日は女子がダブルスの予選で、男子が団体戦の予選。ロシアと同じロビンだったのですが、Anastasia Dobromyslovaがパンフレットに写真は有るのに出場できず。亜由美や麻由美ちゃんがAnastasiaと勝負する所見たかった。そうなるとロビンの中では負けそうな相手はいませんでしたね。しっかりと全勝で予選を通過。
男子の団体戦が面白いルールでした。各チーム4人で、シングルスで1レッグずつ総当り戦をするんです。合計で16レッグですが、どちらかが9レッグを勝つとそこで終了に。8-8になると代表1名を選抜して決勝戦をするんですよ。日本チームは初戦のイタリア戦が非常に硬かった。全員が初のWorld Cupで緊張していたんでしょう。勝てる相手でしたが初戦を落とし、強豪U.S.A.にもわずかに及ばす、2勝2敗で予選敗退。最初だったなあ。
2日目は女子がダブルスの続きで、男子がシングルス。女子はスコットランドに接戦の末勝つも、続く試合で強豪ウェールズに惜しくも3-4で敗退。いい試合していましたね。勝つチャンスあったんだけどな~。Best8です。
男子は清水の試合を全て見ていたんですが、2週間前のWorld Mastersも精彩が無く、前日もあまり良い感じがしない。このままWorld Cupが終わっちゃうんじゃないかと心配していました。この日の初戦も悪いなりに拾った試合だったのですが、2試合目で地元アイルランドの選手とやった試合で爆発しました。最初のレッグを160をアウトして取ると、相手もスイッチが入ってくる。140の応酬があったり、お互いに130残りを決めたかと思えるようなダブルを打ったり、凄い試合でした。最後は清水が4-2で勝つのですが、アイルランド人からも拍手がおこり、お互いの応援団が握手をするような素晴らしいダーツでした。ここからは清水もいいダーツをしていました。Best32でウェールズの選手と対戦。それが普通のおっちゃんなのに入れる入れる。アベレージで90前後は出ていたと思います。清水の方も気持ちを切らさずに、80以上は打っていたと思うのですが、仕方ないと思える程の打たれっぷりで1-4で敗退。
同じ頃、後藤君も同じウェールズの選手に見事に打たれたそうで敗退。この日はウェールズにやられましたね。これが世界の壁なのか?と思ってしまう程強かった。
3日目は女子がシングルスで、男子がダブルス。この日は麻由美ちゃんが良かった。ステージいけるんじゃないかと思いながら応援していました。Best8まで勝ち進みフィンランドの選手と対戦。隣ではTrina Gulliverが試合をしていて、これに勝つと準決勝でTrinaと。しかし、何故かこの試合だけらしくない内容で敗退。Trinaと試合するところ見たかったなあ。
男子のダブルスは3日目って事で、全員いいダーツをしていました。ただ、それでも勝てないのが世界の壁なんでしょうね。後藤・石田がBest32で強豪オランダに負け。清水・佃もBest16でスコットランドに敗退。佃がハイオフ決めたりしていいダーツしていたんだけど、フルセットの末最後は16ダーツで決められました。日本チームの日程はここで終了。うーん、悔しい。
4日目は全ての決勝戦がステージ上でおこなわれました。ユースの男子シングルス以外は、全てイングランドの選手が優勝。圧倒的強さでしたね。当然総合優勝も男女共にイングランドです。日本チームは男子が総合14位、女子が総合5位。男子は初戦のイタリア戦が全てでしたね。もっと上に行けたと思います。女子はヨーロッパの強豪国を押さえて5位ですから頑張りました。
最後は閉会式。再び全ての国の選手が紹介されながらステージに。この間はもう会場中で記念撮影会。ユニフォームを交換している選手も多数いました。私も男子シングルス優勝のScott Waitesと記念撮影をしてもらいました。彼は今年のWorld Mastersも優勝しているので、BDOでは今一番のっている選手といえるでしょうね。
World Cupは本当に夢のような5日間でした。プロの大会とは違った華やかさがあり、ダーツのお祭りのようでもありました。選手達は試合中はもちろんピリピリしていますが、それ以外の部分では非常にフレンドリーでしたね。World Cupは全ての選手関係者が同じホテルに泊まっているので、試合以外の時間は他国の選手と交流する機会が沢山ありました。試合の待ち時間だけでなく、朝食の時間や、夕食後BARに集まってビールを飲みながら語らったりダーツをしたり。閉会式まで有る為、負けた選手も帰らずにホテルに滞在しているWorld Cupならではの光景ではないでしょうか。
3日目の夜に翌日シングルスと団体戦の決勝戦を控えた、イングランドのScott WaitesとBARで話す機会が有りました。ジョークを言っているんでしょうが、残念な事に全く何を言っているかわからない。英語が出来ないと駄目だなあと痛感しました。ダーツの事で色々と教えて欲しい事が有るんですけどね。他の日本人も多くの人が英語が出来ない為、その辺では苦労していましたね。ただ、唯一のアジア人ですので覚えてもらえ、話しかけてもらえる事は多かったかな。やっぱり英語勉強しようかなと、海外は行く度に思いますね。来年はWorld Cupが無く、Asia Pacific Cupがオーストラリアで開催されます。