2015年1月
2015年最初の号ですね。
例年やっていますが今年も2014年に気になったバレルをご紹介したいと思います。
その前に2014年は大きな事件がありましたね。フィル・テイラーのターゲットへの移籍。
2013年夏ぐらいから噂として広まっていましたが、その事実を世界へ最初に伝えたのはフィルが表紙となった本誌の65号。
正式に発表になったのは2月ですが65号はそれよりも早い1月末の発売で、ダーツ屋どっとこむでも表紙をフェイスブックに載せたところ海外からのコメントがいくつもつきました。
皆さんも御存知のフィル・テイラーのあの表紙は、編集長がフライングしたわけでもターゲットにお願いして作ったわけでもなく、ターゲット社から世界的に数少ないダーツマガジンの表紙にという要望で生まれたんですよ。
ターゲットから発売されたフィルのダーツは日本でも売れましたが、海外での売れ方は更に凄かったようです。
日本では5年位前から有名なダーツメーカーとなっていましたが、元々はハロウズ等の下請けをしていた町工場のような会社でした。
それが日本へのOEMで力を蓄えエイドリアン・ルイス、スティーブン・バンティングに続きフィル・テイラーを獲得する事により、ユニコーン、ハロウズ、ウインマウといった英国のビッグブランドに肩を並べるメーカーになりました。
日本でも後発のバレルメーカーが有名選手を迎えブランディングをしようと努力をしていますが、ターゲットのこの戦略は見事なブランディングでしたね。
では、本題に戻り2014年に私が気になったバレルをご紹介しましょう。
MONSTER × CORE DARTS 24 CHROME
モンスターによる赤松大輔プロのダーツ。
赤松大輔プロのダーツは、過去にも数モデル作られていますがどれも手離れの良さが印象に残るダーツなんですよ。
ここ数作はカットが余計な事はせず、リリースしたい所で手の中からパッといなくなり感触も一瞬で無くなる、そんな感じが特徴的でした。
ではカットが無い方が良いのではと思うかもしれませんが、カットが無いと余計なかかりは無くなりますが、ダーツの状態を伝えるインフォメーションも減りますし、グリップに余計な力が入ります。
指先への情報伝達とヌケの良さを見事に両立しているカットと形状なんですよね。
私のダーツのリリースに対する認識違いを教えてくれたのも歴代の赤松大輔モデルでした。
そして今作はそこから更に一歩進んでいると思うんですよ。
「ダーツを投げる」って行為から無駄な意識を極力減らし、「狙う」「ラインをトレースする」って事だけに集中できるダーツになっているように思います。
赤松選手に話しを聴いたわけではありませんが、投げる時にする作業を極力シンプルにしようと考えているんじゃないかと思うんですよね。
このダーツはネット等で写真を見ただけでは良さが伝わらないんです。見た目の派手さは有りませんし。
でも、イマジンで投げてもらった時の購入率が非常に高いんですよね。
私が合うと思った人におすすめした場合、印象では8割近くの方が購入しているんじゃないかな?
近年稀に見る購入率のダーツです。手にした事の無い人は、是非お近くのダーツショップで投げてみて欲しいですね。
DMC batras MAVERICK
DMCが考えだした新しいバレル・システム。
ここがもう少し長かったらとか、前にもう少し重心があればと思った事ありますよね?そんな事を出来る限り可能にしようと考えられたのがこのバトラスです。
芯となるコア・シャフトにフロント・パーツとリア・パーツを組み合わせて、自分に最適なオリジナルバレルを作ろうっていう遊び心満載のシステム。現在は未だマーベリックを基本としたバリエーションしか発売されていませんが、今後違う形状のパーツも発売されるでしょう。
また、他のメーカーからの参入もあったりすると組み合わせの自由度が広がり、非常に面白い世界になりそうですね。
GREEN ROOM Aerial
ジャパンで活躍する宇佐美慶選手モデルのバレル。
私が昨年個人的に最も気に入ったのがこれ。数値的には41mmと私にはやや短いのですが、フロントのカットで中指の位置がちゃんと決まりしっかりと握れて、ターゲットに対するダーツの向きもイメージしやすいのがいいんですよね。
指の感覚でダーツの角度をターゲットに対し合わせながら、グッと押すだけで非常に力強く飛んでくれるんですよね。
このダーツの発売の翌月にPDCチャレンジ東日本予選が行われたんですが、宇佐美選手と同じ予選組だったんですよね。
対戦中もリリース瞬間ばかり見ちゃったりして勝負どころではなかったです(笑)。
ダーツの向いている方向を中指や薬指で意識している人には、是非とも試してみて欲しいバレルですね。
DYNASTY The EAGLE 2
ワールドで活躍するラリー・バトラー選手のバレルの第2弾。
前作も非常に長いのが特徴のストレート・ダーツで、隠れた人気商品だったのですが、今作は更に長く太くなったんですよね。全長55mmで最大外径が6.5mm。
この数字だけで駄目だと思う人と、試してみたいと思う人にはっきり別れますね。
カットは間隔の狭いエッジの効いたカットを配置し、指へのかかりはかなり強力になりました。
指にかかるカットでリリース時に自然と回転のかかりやすいダーツになっています。リリースパワーを全て受け止めるカットの力強さと重さによる推進力、長さによる直進性、そしてダーツが回転しジャイロ効果による安定性。
ダーツの角度がラインと合った時の飛びの凄さは本当に凄いです。