KTM_column_Top-28

No.28 無風及び限りなく空気の流れがない

2016年5月

ダーツ会場における「環境」について、前から気になっていた「空調」について考えていたんですけど、「ダーツは室内スポーツ」であるとしたら、ある程度の空調の一定化というのはこれから実施されるのかな?ということ。
これは普段投げているダーツバーやその他の遊技場でもあり得ることなんですけど、空調によってダーツの飛びに及ぼす影響をどれくらい意識しているのかなぁと。
いつも投げている場所であれば、段々さほど気にならなくなってくるんでしょうけど、明らかに空調の下とかその日の冷暖房器具の強弱で変わってくる時ってありますよね?
元々、全重量が非常に軽いものですしちょっとした風の影響を受けやすいのはもちろん、フライトまで付いちゃっているわけですから毎日同じ状況で投げているつもりでも結構測ってみると違うと思うんですよね。いやこれ、実際に測ったことはないので推測なんですけどね。
お店側の対処法では、空調の吹き出し口を調整してなるべく影響のないようにしていたり会場では、暑さ寒さを無視して空調を運転させないという処置を講じたりしているのはご承知の通り。

では、ダーツは「無風及び限りなく空気の流れがないと感じられる場所を提供しなければならないのか?」という疑問が浮かぶんです。完全にそういう部分をシャットアウトするのであれば、結構シビアな環境が必要になってきますのでダーツマシンを設置する場所が限られてくる。
それか「いや、ある程度の基準値を設けてそれ以下であれば選手たちがその日の風の流れに対応してください」というジャッジが決定するのであれば、これフライトのその日の選び方やそもそもフライトを製作する際の作り方まで変わってくる可能性がありますよね?(笑)この辺が前から「非常に曖昧だなぁ」と思っていたんですね。
空調ないし風があるもので、その中でプレーしないといけないとなれば、飛ばし方も風に限りなく負けない飛ばし方になってくるわけで、人によっては飛ばし方を変えないといけないかもしれない。
いやいや、そもそも今実際に投げている環境でその人の飛ばし方って各々変化している可能性だってある。
最初から実は結構空気の流れが強いところでダーツを始めた人がいたとしたら、その人は気づかないうちに風に負けない飛ばし方をしていると想像出来ますよね。そうなると、しっかりしたリリースをいつのまにか会得していて「きれいに飛ばすよね」と言われている選手たちの少なくとも一部が元々飛ばし方が上手なわけではなく、与えられていた環境下で培ったものだとしたら。
ゴルフの場合とかで考えると、住んでいる地域によって打つ球の高さが変わるということが起きるときがあるんですね。風の強い地域だと必然的に風の影響をなるべく受けにくい低い球を練習し始めて結果的に、低い球が持ち味になる選手がいたりそんなにひどく風の影響を受けない地域だと、それに乗じて球筋が高くなる傾向に。

これ実はダーツでも「飛ばし方」という部分で考えると結構あるんじゃないかなと考えられるわけです。
選手の中でも会場内の空調だったり風の流れを敏感に感じて、運営側にクレームをつける選手の矢の飛ばし方って結構大きく揺れるタイプか、テイクバック最下点でかなり絞って矢の角度がいわゆる一般的に理想とされている角度から大きく外れている選手が多い気がしています。もちろん、これだけではないんですけど綺麗に矢が出ているタイプかつある程度その効果で矢速が出ている選手と比較すると、空調に左右されやすいのは容易に想像出来ます。
なので、僕は昔から飛ばし方は上達途中であれば不問として、ある程度投げられるようになってきたら風に影響されにくいようにしっかりしたリリースをアドバイスしてきたんですけど、これがこの先「一定の空調環境を提供しなければならない」という条件が付加されたときには、結構いろいろなリリースタイプがいてもいいんじゃないかと思うんですよね。
ただ、今の現状ではなるべく風に負けないというか環境にあまり左右されないダーツのセッティングとリリースの仕方が必要になるのではないかと思っています。
まぁここまで話すと頭がおかしいんじゃないかと言われそうなので、今迄10年間近く人前ではあまり話してこなかったんですけどね(笑)。
レッスン等をしていると、どうしてもこの部分が気になってくるんですよねぇ。アドバイスする側の人間として、曖昧になっている部分に対してどう技術的な方向性を示すべきなのかで迷います。
人によっては、周りの状況を受けにくいリリースが不得意な人、いわゆる「イメージしにくい」人もいるでしょうしこれを排除したら途端に上達する人がいるかもしれない。
でも、今の状況ではやはり外部からの影響を受けにくいリリース方法によっての矢の飛ばし方が必要になってくるというのは、上記のことを踏まえると必要になるわけで。

特に、大きな会場だったりすると結構大きく影響していたりするんですよねぇ。
普段矢の飛びがあまり良くない人が飛びが良かったり、逆に飛びがいい人が矢が刺さらなかったりと環境が勝敗を左右することが多々あるはず。
ただ、「条件はみな一緒」なわけで、それであれば普段から環境に影響されにくい技術を身につけておく必要性があるんじゃないかと。ただ、これも「今の状況」で言えるだけでこの先レギュレーションが変更されれば技術も大きく変わってくると。
いっその事、「ダーツはその環境の風等も込みでプレーしなければならない」と明言されてしまえば、変にリリースであれこれ悩む必要がなく「一択」になるんですけどね(笑)。
こうなるとプロがセレクトしてくるセッティングとか相当変わってくるだろうなぁと推測されます。今の時点では、投げる人も「環境に影響されない状態が、その主催者及びお店側から提供されるはず」と暗黙の了解的な部分で技術を磨いているでしょう。
でも、実際には主催者側もそんなにシビアに環境を作っているわけではないですし、人が沢山入ればそれだけでも設営時と変わって来て、それがどっちに転ぶか分からないでしょうしね。

もうこの辺は統一したレギュレーション作ればいいのになぁと思います。

DARTS MANIAX