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No.34 プロツアー・プロダブルス・リーグという連携が取れたりしたらボリューム感が出ますからねぇ

2017年5月

この前SUPERDARTSの解説をやらせて頂きましたが、まぁ究極の「個人戦」。シングルスなわけですから当たり前なんですけど、今現在のプロツアーにしても、やはり持て囃されるのは個人戦であるのはご承知の通り。

それでですね、いざオリンピックの競技と観ていると「ダブルス」だったり「チーム戦」だったりと「仲間と協力して」金メダルを競う競技もありますよね。
最近、ダーツは個人戦傾向が強いから「ぼっち練習」が増えたの?って思うくらいに他のフォーマットがない。
例えば社交ダンスとかだと男女ペアでやるわけじゃないですか。そうだとしたら、「ミックスダブルス日本一決定戦」なるものがダーツにあってもいいんじゃないかと思うんです。確かにプロツアーの場合にはシングルスにして賞金額を競い合った方がわかりやすくファンもつきやすいかもしれない。
でも、せっかくダーツには「ダブルス」ってものもリーグ戦に代表されるように「チーム戦」があるわけで、特にリーグに関してはいいコンテンツにも拘らず各地で行われているリーグに地方色的な差異があるために、なかなかしっかりとした足並みが揃わずに「じゃあ、せめてこれだけは…と基本的な部分を決めるだけでプロモーションとしての活動やその先の魅力的なコンテンツに昇華されていないのが現状。

「とりあえず各地の優勝者を集めて、そこで優勝したら海外連れて行きますか」という発想から長く企画のアップデートがされていない。例えば各地で行われているリーグ戦。ハードだったらミニマムというものが存在し、ジュース一杯でも2、500〜3、000円は一回の試合で掛かります。試合でお店使うんだから、最低でも3、000円頼んでよねという発想。
元々、ダーツバーに毎週決まった収入が入るように「ビジネス的」要素がふんだんに詰まっている割には、そのリーグの運営はボランティアだったりすることが多いので揉める(笑)。
とにかく、その土地で優勝するためには結構なお金を使っているわけですし、これを平均4シーズン制で行なっているわけですから参加している人は「何か明確な目的」に邁進しない限り、徐々に毎週行くのが億劫になり辞めて行くんですよね。
更には、「ホームアンドアウェイ」方式なので異様に遠いところとかにアウェイで行かなければならない場合、一般サラリーマンからしたら時間的な問題もあるし、現実問題「毎週出なくてはならない」というチームの暗黙の掟に縛られて抜けて行ったりすることが多い。
これはこれでどうしてもシステム的に仕方がないと言っていたら、この先ずっとこのままで続いていくのかというと難しい。
チームの解散だったり、そもそもその地域のリーグ自体が消滅したりとスクラップアンドビルドを繰り返している。これが前に進むためのものならばいいんですけど、少なくなったものが「補充」されていくだけにしか見えない。

僕もAKDO参加時にインターリーグの選手になったことがあるんですけど、上のレベルはいいんです。「勝ちたい」という勝負事として捉えているので、別に特殊なニンジンをぶら下げなくても熱い戦いが毎週あるだけで楽しい。
でも、全体的に考えるともっとリーグは大きく変革しないといけないと思うんですよね。だって、今どのチームが強いのかなんて参加している人しかわからないし、プロツアーの試合は放映されてもリーグは毎週放送されているわけじゃない。「チーム戦」だからこそ楽しいという視聴者に対しての伝え方が変わってくれば、かなり面白くなるんだろうと思うんですよね。
他のスポーツみたいに「お気に入りのチーム」が出来たりして、それを観たいと思わせるコンテンツに持って行かないともったいない。「あの選手が移籍した!」とかそれだけでスキャンダルになったりしたら面白いじゃないですか。
参加者にアピールするだけではダメなんですよねぇ。そりゃ運営側やお店はチーム数を増やしたいので、勧誘時には頑張るでしょうけど、その先の露出度が低すぎる。入った途端になんか魑魅魍魎としたとまでは言わないまでも、「リーグ独特の雰囲気」に飲まれてしまいますしね(笑)。

まだまだ考えられることはたくさんあるはず。ハードの場合には根底に「ソフトのビジネスより儲からない」ということがあるので、ソフトダーツのリーグとは一緒に出来ない状況があるんですけど、せめてソフトはもっと出来ることがあると思うんですけどね。「どこからお金持ってくるの?」と仰る方もいるでしょう。
でも、よく考えてみると、意外とお金は集まっていますからねぇ。それを店の売り上げにするのか一部を放出して、チーム数を倍以上にすることを考えるのか。
特に地方の場合には、そもそものダーツ人口数が少ないのも承知しています。でもこれを打破して行かないと安定した業界基盤は作れないでしょう。
なので、この業界は「自転車操業」と呼ばれる。結果的に外部からお金が入ってこないからダーツ界で生まれたお金はそのまままたその業界に回って行くという仕組み。

閑話休題。
DーCROWNの時には「プロダブルス」があったんですけど、同日開催なので「シングルスのアップついで」みたいな状態になってしまったですよね。それでも、あの頃は有名プレイヤー同士が組んだりしてそれが話題になったりしましたよねぇ。
単純に考えても、「プロダブルス」を今のプロツアーに当てはめた場合には例えばプロシングルスの試合で256名の参加があったとしましょう。ダブルスは単純に倍なので賞金額も上がるかもしれないし「ダブルス職人」的なキャラクターが出てくるかもしれない。一時期の女子プロレスみたいに、そのペアにファンがつくかもしれない。
プロツアー・プロダブルス・リーグという連携が取れたりしたらボリューム感が出ますからねぇ。「ミックスダブルス」だって面白そう。あ、トリオスって意外と観ている方はわかりづらいのでダブルスまでがいいかなと。

とにかく、コンテンツはまだ作れるということです。
一人で動けるプロシングル戦よりも、二人以上で参加する必要のあるコンテンツの場合には各々のスケジュール調整なりで、参加チーム数を増やすのにハードルが高いのも事実。
なので、今のプロシングル戦よりも開催数は減るのは当然なんですが、なんか一年に数回でも出来たら、また違った未来が広がるような気がします。

DARTS MANIAX