No.2 「1番大切なことはダーツができることではない」

2016年11月

Big Baby_column_No.2-1

前回のNDLで読んでくれた方も多いかもしれませんが、今回からこのように記事を書かせていただくことになりました。コラムと言っても何を書けばいいのか、見当もつかずに今書いていますがぼんやりと書きたいことはあります。 皆さんは以前、鈴木健太郎選手が記事を書いていたことを覚えていますか?その時はイギリスのダーツ事情について詳しく書いていただいていました。
なので僕は違った観点から記事を書きたいと思います。

テレビやネットが普及している今、何かの情報を探してインプットすることはそれほど難しくはありません。
ただ、ことイギリスのダーツ事情ということになるといきなり情報量が少なくなり、本当かどうかわからない情報でも、それを頼りにするしかないという
ネット的にもマイナーなスポーツだなと思わせられます。
なので僕がこちらに来て50日目で感じること、準備しなければいけないことを伝えたいと思います。

とりあえず行ってしまえと渡英したわけですが、日本でやっておけばよかったと思うことは「英語」です。日本は先進国の中でも特段に英語学習が進んでいませんし、それに伴って成績もアジアの主要国のなかでも特に低いです。僕は大学までスポーツ推薦で行ったいわゆるスポーツ馬鹿として学生時代を過ごしてきました。別に高校、大学と成績など残してはいないのに勉強をほっぽり出してスポーツに打ち込んでいたのです。 そのツケがいま回ってきているのではないかというほど、勉強をしてこなかったことを悔いています。
ただ、今になってこんなにも勉強が楽しいのかということがわかったのは僕にとって渡英してよかった、と思えた一番最初のことでした。

僕が住んでいるロンドンは世界屈指の移民都市。ですが様々な国の人も話す言語は一つです。もちろん話せない人もいるかとは思いますが、生活のために英語は必要なことで皆使用しています。
僕は毎日語学学校へ行き英語の授業を受けていますが、それだけではきっと話を理解して、会話ができるようになることはできないでしょう。様々な人と、様々な場所で話すことを続けなければなりません。
かといって、それでは日本で準備できないではないかと思うかも知れませんが、日本でも準備できることはあります。まず大切なのは「単語」。単語は武器です。これがわかるだけで大体の会話の内容が頭に入ってきます。そして自分の伝えたいことを伝えることも可能です。 私、今、あなた、一緒、ダーツ、したい。日本語の単語を並べただけでも意味は分かりますよね。全く会話ができなかった僕にとってこれがわかったことはすごく気持ちが楽になりました。そして次に「耳」です。これはいまだに僕も苦戦しています。きっとこの先も苦しめられるだろうと思いますが、いまはただひたすらに英語に慣れるために、通学中や今こうして記事を書いているときも英語を聞き流しています。ネイティブの会話は僕にとってはすごく早く、聞き取ることはおろか、長い会話の中で単語を拾うことすら困難です。特にイギリスの方は話すのが早いということを先生も言っていました。
僕はもし読者の皆さんが本気で海外に挑戦したいと思っているならば、ダーツの練習時間を減らしてでも英語を勉強するべきだと思います。

練習時間を減らしたくなくても、練習しながら英語を聞くことはできます。いまはラジオの数も多くなっていて海外のラジオ、英語教材などもダウンロードすることができます。今は海外の新聞も日本で入手することは容易なのではないでしょうか。PDCのオフィシャルページでもいいと思います。出てくるわからない単語を調べてみてはどうでしょう。
ダーツと同じで毎日コツコツやることが勉強も大切だと思います。たしかに日本で生活する以上、英語を話す必要性はありません。それだけ日本という国が日本語だけで豊かな暮らしができるということです。
ただ英語を話せるだけで一億人というコミュニケーションの範囲から数十億人とコミュニケーションができるということを覚えておいてください。僕はいろいろな国の人からいろいろな話を聞きたいです。
世界のダーツ業界で友達を作りたい。今はその気持ちが強いです。若い方は特にですが、今すぐにでも英語の勉強を始めてください。そしていま現在しているという方は、その勉強法が本当に海外の生活で役に立つことか今一度再考してください。英語というのはあなたの世界を広げてくれます。それはダーツという世界をもっと楽しくさせてくれることでしょう。
もちろんダーツで世界を目指す方は、英語をマスターするよりも高い壁があります。村松プロと先日ロンドンで食事をさせていただきましたが、やはり世界が違うと言っていました。

また、何もかもが足りないということも。村松プロですらそのように感じているわけです。彼は日本では屈指のダーツプレイヤーであることは間違いありませんが、そのような感想を抱いてしまうほどPDCという場所はレベルが高いのです。しかも、今PDCやBDOという世界的なダーツ団体には世代交代の波も起こっていると感じます。去年まで知らなかったプレイヤーが一年でブレイクすることもあります。先日バーンズリーでのプレイヤーズチャンピオンシップ最終戦を観戦しに行きましたが、有名プレイヤーが下位のプレイヤーに敗退することが多かったです。ただ日本ではまだ知られていないだけで、もちろん実力的には折り紙つきなのでしょう。

僕は地元のリーグに参加していますが、チーム内のプレイヤーは名前も全く聞いたこともありませんでしたが、自分のモデルを発売していたりするのです。こうした層の厚さを見ても、海外で成績を残すことは容易ではないことがわかります。

初めての記事いかがでしたでしょうか。僕が伝えたいことはとにかく『英語』も『ダーツ』と同じぐらい必死にやることが大切で、それはあなたにとってダーツよりも大切なものになるということです。
僕のように学生として渡英した場合、期限は短いものになってしまいます。しかし英語が話せて様々な英語の試験で高得点を稼いでいればこちらで働ける可能性も高くなります。結果的にあなたの海外で活躍したいという夢を近づけてくれるのです。