2019年3月
ダーツとの出会いについて教えて下さい。
友人4人と大学の卒業旅行で行った白馬のスキー場のカフェに、たまたまダーツが1台設置してありました。
当時僕はスノーボードにはまっていて、シーズン中数十回は行ってたんですが、この卒業旅行の前に滑りに行った時に足の甲の骨にヒビが入ってしまったんです。
本来なら行かないんですが、卒業旅行という名目でツアーも取ってたしキャンセル料もかかるという事と、ヒビぐらいなら無理せず滑るぐらいなら大丈夫だと思ったので、行く事にしました。
しかし滑ってみると、全然無理で1本滑って戦線離脱してゲレンデのカフェに入りました。
暇なのでドリンク飲みながらマスタ―と話したり雑誌見たりしてたんですが、店内を見渡すと男性450点、女性400点で1ドリンクサービスの文字が…。
気になりマスターに聞いてみると、奥にあるダーツのカウントアップというゲームで、450点越えたらワンドリンクサービスだよー、って言われてやったのが出会いでした。
ちなみに1泊2日でほぼ2日間、約2万円分ぐらいはやりましたが、一度もいきませんでした(笑)。
真剣にダーツを投げ始めたのは?
卒業旅行から半年後バイク事故で大腿骨を骨折し、2か月入院しました。
退院祝いにと、その卒業旅行の時の友人4人が誘ってくれてビリヤードをしに行ったお店が、たまたまダーツライブ導入の日で久しぶりに投げようということになりました。
その時に一番投げたはずの僕が、負けてばっかりで最下位になってしまったんです。悔しくて次の日から毎日通って練習したのが、真剣にやり始めたきっかけでした。
プロプレイヤーになったのはいつですか?
2007年のDーCROWNプレシーズンからです。
PERFECTはいつから参戦してますか?
2018年度にJAPANから移籍してきて参戦しています。
2018年はどんな流れでしたか?
移籍してすぐはフォーマットだったりルールの違いに戸惑いましたが、4戦目の札幌で9位タイに入ってからは自分のダーツができるようになってきました。
そこからは安定して良いダーツが出来てたんですが、大事な場面で取りこぼした試合があったりして、もったいない試合が多かったと思っています。
全戦参戦しているのですか?
今シーズン35戦全戦出る予定です。
2018年アワードでは最優秀新人賞でしたが…。
毎試合全力で頑張って、年間ランキングをあげる為に努力した結果でとても嬉しかったです。
しかし2007年のDーCROWNの頃からプロダーツプレイヤーとしてやってきて、新人とは言えない僕がもらっていいものかという気持ちにはなりました(笑)。
PERFECTはどんな舞台ですか?
2018年度から参戦して新たな気持ちで戦っているので新鮮です。
それから昔から仲良くして頂いている日本人No・1プレイヤーの浅田斉吾選手がいる事や、大会回数が多いことによって全体のレベルが上がってきているので、最高の環境だと思って戦っています。
試合に臨む前の心がけ、調整、体調管理は?
昔は色々気にしてたんですが、最近は特にないですね。美味しいものを食べて楽しい時間を過ごして、たくさん寝るぐらいです(笑)。
過去に最も印象に残った試合は?
2011年のDーCROWN名古屋大会の決勝ですね。
その日は自分でも信じられないくらい、凄いダーツができていたんです。し
かし初めての決勝に立って、緊張が勝ってしまって、突然その日のダーツが出来なくて悔しい思いをしたのを覚えています。
そしてプロダーツプレイヤーとしてやっていけると思えた日でした。
その日以来、プロの試合では1度も決勝の舞台に立てていません。今年こそは立って優勝して、最も印象に残った試合を変えられるように頑張りたいです。
自分はどんなタイプの選手だと思いますか?
良い時もあれば悪い時もあるんですが、ノリやリズムを重要視するタイプの選手だと思っています。
今までにスランプはありましたか?
スランプとはあまり感じてなかったんですが、3年前ぐらいにダーツが手から抜けなくなることがありました。
狙ったところに届かなくなったので、グリップを4本から3本に変えて1からやり直したのですが、3か月ぐらいはレーティングも下がって自信が無くなった時がありました。良くするための我慢と思って、必死に練習しましたね。
練習方法、時間などを教えて下さい。
まずアップの時にできるだけ狙わないで腕を振るだけの練習をします。投げ方を作ってから、狙うように心がけています。
短くて1時間、長い時は何時間にもなります。一人でする練習よりも対戦の方が多いですね。
ここ数年で技術的、精神的に何か大きな変化は?
スランプのところでグリップを変えた経緯を話したんですけど、どうせなら左回転を意識したグリップにしたいと思い、変えたのが一番の変化ですね。
精神的には移籍が決まって最後のJAPANの日、悔いの残らないように精一杯投げようと思って、吹っ切れて楽しく投げられたことがよかったですね。大会ってこんなんやったなぁって、気持ちを思い出すことが出来ました。
勝ちたい、結果残したいばかりで硬くなってることが分かったんです。自分のダーツのスタイルを思い出せてからは、それを意識して2018年度に臨めたことが良い結果に繋がったと思っています。
今、ダーツについて一番、大事にしていることは?
少しでも多くの方にダーツを知ってもらい楽しんでもらって、ダーツ人口や観戦する人を増やしたいです。今後のダーツ界が盛り上がっていくように、という気持ちを大事に活動しています。
プロダーツプレイヤーについて
僕がダーツを始めたころはプロなんて無くて、ただ漠然とうまくなりたいくらいだったんです。
今はプロ団体が2つもあってそれを目標として、ダーツを続けていくモチベーションの1つになっていると思います。
今の日本ダーツの環境についてはどう思いますか?
ソフトダーツの環境はすごく良いと思います。ただハードダーツはもっと環境を良くしていかないと世界で活躍できる選手は出てこないと思います。
ハードダーツのプロでソフトダーツのプロと同じぐらいの事を毎年やっていければ、世界で活躍できる選手も出てくると思います。
そうなれば今後の日本のダーツは、さらに発展していくんじゃないかと思っています。
お仕事について
2018年の4月からコスモダーツの社員として働いています。
主に大会前後にその地域のダーツショップやダーツバーに伺って、コスモダーツの試投会を行う普及活動をしています。
2019年からはコスモダーツの大阪事務所を立ち上げて大阪を中心に全国を飛び回っています。
あとは新商品の開発に携わったりもしています。
コスモダーツについて教えて下さい。
コスモダーツは、超精密プラスチック金型メーカーのコスモ精機が生み出したダーツ・ブランドです。「本当に確かなものを作りたい」という信念のもと、ダーツ界に革新的なプロダクトを提案しています。
1━1000mm単位の精度を求められる金型メーカーとして培ったMADE IN JAPANブランドならではの繊細さと、妥協を許さない確かな技術によって支えられています。
チップ、バレル、シャフト、フライトまですべてを製造販売する数少ないメーカーです。
所属プレイヤーは世界各国で活躍している選手も多く、また選手間では技術や情報などを共有し切磋琢磨して頑張っています。
尊敬するプレイヤーは?
楠谷 慎吾(Billy)さんと浅田斉吾さんです。昔から身近に居て一緒に戦ったチームメイトです。
Billyさんに憧れてダーツにどっぷりはまってしまいました。斉吾さんは今でこそ日本No・1プレイヤーですが、当時も群を抜いてめちゃくちゃ強かったです。
ダーツの魅力とは何でしょうか?
老若男女誰もがプレイでき、今まで出会うこともなかったであろう方々とお話しでき、仲良くなれる最強のコミュニケーションツールだということが1番の魅力だと思います。
今後の目標と夢をお聞かせください。
一番近い目標はやはりプロトーナメント初優勝です。
今まで大阪で一緒に練習してきた人みんなに先を越されてしまいました。昔からずっと応援して頂いているスポンサー様やファンの皆様に優勝する姿を見せたいです。
そしていつかはイギリスのPDCの舞台に立ってダーツをしたいです。
最後に読者にメッセージをお願いいたします。
魅力的なプレイを心がけて毎試合全力で戦っています。
近くでPERFECTが開催される時は是非一度会場に足を運んで頂いて生グリコを見に来てください!(笑)。
応援よろしくお願いします。