Takumi Niki-Vol.80.2016.7-Top

Vol.80 仁木 匠
練習でここまで頑張って来ました

2016年7月

Takumi Niki-Vol.80.2016.7-1

仁木選手のことはかなり前から存じ上げていますが、ダーツ歴は何年くらいになりますか?
初めて投げたのは2002年頃なので、もう14年くらいです。

長いですね。日本ダーツの歴史をずっと見ながら今でも活躍されているのは本当に素晴らしいことだと思います。ここ数年はジャパンに参戦されていますが、それは心境に何か変化があったのでしょうか?
プロというものが出来て、以前にはなかった高額の賞金トーナメントの制度が確立されました。その中で、自分もプロダーツプレイヤーというしっかりとした意識を持ってやりたいと思いました。

ジャパンにはいつから参戦されていますか?
開幕の選考会から出場しています。

最初の結果はいかがでしたか?
一年目は年間14位に入れました。その後2年くらいは店が忙しくて全戦回ることができなかったんですが、去年はまた全戦に出場して6位になりました。

2015年はステージ11と16で決勝の舞台に立たれましたね。
残念ながらどちらも準優勝に終わってしまいました。次は3度目の正直で優勝したいと思っています。

最近の結果を見ているとモチベーションが上がって来てきるように感じますね。
そうですね。もっと頑張ろうという気持ちが強くなっています。

2015年の年間ランキング6位という結果については満足していますか?
良かった方だと思います。なかなか厳しい状況の中で頑張れたかなと思っています。

お店の経営もあるので全戦出場するというのは大変ですね?
最近メインのスタッフがちゃんと育ってくれて、さらにアルバイトがサポートしてくれるという体制が整ったので、僕は両立しながら頑張れるようになりました。お店を任せて出場する以上は結果を残さないといけないと思っています。

最近のジャパンは若くて強いプレイヤーがどんどん参加してきていますが、そういう状況についてはどう思われますか?
負けられないという気持ちと、まだまだ負けないぞという気持ちとで気合いが入りますね。若い選手が育つことは重要なので、新しい選手がどんどん参戦して選手層が厚くなってくるのはとても良い状況だと思います。

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2016年のステージが始まりましたがいかがですか?
それが、出だしからいきなり挫いてしまって……。最初の何戦かはダメでシードから脱落してしまって、この前の大会でやっとまたベスト8になってシードが戻ってきました。ここからはしっかり16をキープ出来る様に頑張っていかねばならないと思っています。

一年間を乗りきるための調整や体調管理などはどうしていますか?
一番は気持ち的にリラックスするようにしています。毎週試合に出ていると正直「またか」という感覚に陥りやすいので、そうならないようにあまり詰めて練習したりはしません。もともと毎日きっちり練習するタイプではないので、試合前だからといって必死に投げたりはせず、なるべくいつも通りの生活の中でリフレッシュするようにしています。

今までにスランプはありましたか?
ないと思います。メチャメチャ調子が良いというのもなかったですが、逆に壊れてしまったこともないですね。調子悪いなと思ったらその日は無理に投げないです。それでまた次の日に投げてみて、入れば入るし入らなければまた止める、というようにしてきました。調子が悪い理由を追求していったりはしないです。

今までで印象に残っている試合はありますか?
burn.のロビンで江口選手と当たって負けた試合です。その時僕は一位通過してて、ここで勝てばグランドファイナルに行けるという試合だったんですよね。burnで勝ち残ることは当時のダーツプレイヤーにとっては重要だったので、なんとかして勝ちたかったのに負けたのは悔しかったです。
でも負けた僕は泣けなかったのに勝った江口選手は泣いていたんです。それを見た時に「試合への思いの違い」のようなものを感じて、自分の気持ちの弱さも敗因だと感じました。

ご自分でどのようなタイプの選手だと思いますか?
技術面では他のプレイヤーと比べて劣っていると思います。去年は6位でしたが、上から30位までのプレイヤーを並べてみたら、僕は6位にいるような技術力ではないと思うんです。それでも結果を残せたのは、試合に挑む時の「負けないぞ」という気持ちが強いからじゃないでしょうか。だから僕は気持ちで戦うタイプのプレイヤーだと思います。

今ダーツで一番大事にしていることは何ですか?
冷静に投げることですね。慌ただしくなってしまう気持ちを抑えて、とにかく冷静になることが大事だと思います。
あとはお酒の調整というのはメチャありますね(笑)。今までは飲み過ぎてたんです。ずっと飲んで飲み続けて、途中で体力が持たなくなってへばるということをやってたんです。最近はそういうことはもうやめて、飲み過ぎてるなと思ったら途中でお茶に切り替えたりしています。

プロダーツプレイヤーについてはどう思われますか?
今はトッププレイヤーになればダーツで生活していける環境になりましたよね。それは以前では考えられないすごいことだと思うんです。だから僕は若いプレイヤー達に、頑張ればそれは夢じゃないんだと、無理だと思わず挑戦していってほしいと思います。

ダーツ業界にも大型店舗が多数展開されていますが、お店を経営されている立場から、現在のこういう状況についてはいかがですか?
大型店舗がきっかけを作ってダーツ人口を増やしてくれるのはいいと思います。そういうお客さんが個人のダーツバーに遊びに来てくれるのはありがたいですが、価格的な面からしても実際は厳しくなってる部分があると思いますね。

尊敬するプレイヤーはいますか?
同じ兵庫県の谷田選手ですね。性格は良くないですが(笑)。何十年もダーツのトップに君臨してるのはすごいと思います。
今でこそ兵庫でも強いプレイヤーが育ってきたし、県外からも刺激になるような選手が来ていますが、それまでは強い選手はほとんどいなかったんです。そんな中で谷田さんとは切磋琢磨しながら、全国に飛び出して行って頑張ってきました。今の僕があるのも谷田さんがいてくれたおかげだと思います。

ダーツの魅力はなんでしょうか?
上手くいかないところが楽しいのかもしれないですね。いい時はいいのに突然出来なくなって、「なんで全然入らないんだ?」というのは面白いですね(笑)。

今後の目標や夢を教えてください。
まずはジャパンで優勝することです。そしていずれは世界の大会でも活躍できるようなプレイヤーになりたいですね。

最後に読者にメッセージをお願いします。
僕は特別な才能があったわけではなくて練習でここまで頑張って来ました。みなさんも楽しみながら頑張って、ぜひ大会にも出場してみてください。