「“まぐれかどうか試される年”─
─ランキング2位プレーヤーの覚悟」
初めてのインタビュー、よろしくお願いいたします。まず、ダーツとの出会いを教えていただけますか?
地元に新しくダーツバーができると聞いて、高校の友人と一緒に19歳の時に遊びに行ったのが最初の出会いです。そこからダーツ歴は、もう19年から20年ほどになります。
最初はどんな感じでしたか?
そうですね。当初はなかなかうまくならなくて、身内で投げていても負けてしまうことが多くて、悔しい思いをしたのを覚えています。一番下手だったんですけど、お店が家から近かったこともあって、頻繁に練習に通っていました。
それで少しずつ上達していったわけですね。
はい。今の若い方のように、急激に上手くなるような感じではありませんでしたが、徐々にうまくなっていったと思います。当時はまだプロ制度もカードもない時代でしたが、もうすっかりハマっていましたね(笑)。
プロとしてのデビューはいつからですか?
2017年の北九州大会がデビュー戦でした。その年はスポットで4大会に出場して、ベスト8が最高成績だったと記憶しています。
プロになったのは少し遅めでしたが、当時は「プロになりたい」というより、「もっと上手くなりたい」という気持ちで資格を取りました。皆さんのレベルが高かったので、自分が活躍できるとは正直思っていなかったですね。
全戦に参戦するようになったのはいつからですか?
コロナ明けの2022年から本格的に全戦に出るようになりました。それ以前の2018年・2019年ごろは、年間で15戦ほどに出場していて、一度だけ決勝に進出しました。
第8戦・大分での優勝、おめでとうございます。
ありがとうございます。地元・九州での開催だったので、とても楽しかったです(笑)。
決勝の相手は芦沢一輝プロでしたが、どんな試合展開でしたか?
「どちらが先に決めるか」といった緊張感のある展開でした。最終的には、運が自分に寄ってくれた結果だったと思います。芦沢プロはマイペースな方という印象でしたし、的にしっかり入った時の強さはさすがでした。
当日は1日を通してどのような流れだったのでしょうか?
3回戦まで1レグも落とさずに勝ち上がれたので、調子はかなり良かったと思います。地元開催ということもあり、移動の疲れもなく、体調も万全でした。
これまでの優勝回数は何回になるのでしょうか?
今回で4回目です。最後に優勝したのは、昨年の最終戦から2つ前、新潟大会でした。
やはり優勝は特別なものですか?
はい。1回も負けずに会場を後にできるというのは、やっぱり最高ですね。
優勝当日は、だいぶお祝いされたのでは?
いえ、実はすぐに帰宅して、次の日からはいつも通りの生活に戻りました。特に何もしていないんです(笑)。

ちなみに、年間ランキングは2022年が12位、23年が10位、24年は2位、そして25年現在も2位と好調ですが、ご自身ではどう見ていますか?
昨年は「出来すぎ」だったなと感じています。開幕戦で優勝した後、いろいろなプレーヤーが優勝していたので、そのぶんランキングが高く維持できたのだと思います。
今年は「去年の成績がまぐれだったのか」が試される年だと考えていました。なので、今回の優勝には正直ホッとしています。
現在1位はヒューゴ・リョンプロですが、これまでの対戦成績はいかがですか?
これまでに6回から7回対戦していて、2回だけ勝っていますが、全体としては負け越しています。彼はシュート力がとにかくすごくて強いですね。勝ったことがあるので、向こうも多少は警戒してくれているとは思うんですが…。
後ろから見ていると、あの飛びは本当にプレッシャーを感じます。彼のダーツは映像ではなく、ぜひ生で見てほしいと思います(笑)。あれだけ強く飛ばして、試合を通して体力が持つのは本当にすごいです。
彼の弱点はありますか?
ゼロワンは盤石の強さですが、あえて挙げるならクリケットですかね。
時々、思うようにいかず落としている印象があります。ソフトとスティールで投げ分けているので、日によって合わないこともあるのかもしれません。
今年のPERFECT男子は、優勝者が多数いて混戦ですね。
そうなんです。誰が優勝してもおかしくない状況です。僕自身は、いつも通り淡々と投げていこうと思っていますが、年間を通してどんな結果になるのか楽しみですね。
昨年は変に意識しすぎて、最後に阿部悠太郎プロに抜かれてしまいました。あれもいい経験でした。そこから何かを学んで、少しでも成長できていたらいいなと思います(笑)。
佐賀県にお住まいとのことですが、全戦まわるのはやはり大変ですか?
はい、かなり大変です。多くは福岡空港から羽田か成田へ飛び、そこからレンタカーか電車で移動しています。最初に15戦ほど出場した時は、すべて車移動でした。仙台へは7人で乗り合って、片道18時間かかりました。本当に笑えないです(笑)。
現地に到着した時点で、すでにお疲れなのでは?
毎大会、身体はバキバキでした。関東の選手と比べると、移動時間も経費も倍くらいかかるので、当時は必死でした。初優勝した新潟も車で行きましたね。今は状況も少し変わってきていて、試合によって移動手段を変えています。
佐賀県のダーツ事情について教えてください。
若いプレーヤーの新規参入はそれほど多くありませんが、昔から投げている方が多く、皆さん本当に上手です。ダーツバーの数は多くないですね。僕が参加しているリーグは、2店舗で開催されています。
体調管理については、どのようなことを意識されていますか?
地域によって気候も異なるので、体調には気を使っています。僕は花粉症もありますし、喘息も持っているので、体調管理はとても大切です。プロプレーヤーであれば、誰もが考えるテーマではないでしょうか。
練習についてお伺いします。週にどれくらい、どのような練習をされているのですか?
ほとんど対人戦はせず、ひとりで投げています。ほぼ毎日2〜3時間は練習していて、時間が取れる日は5時間ほど投げることもあります。体調が悪い時は、基本的にブルのカウントアップだけです。体調が良い時は、「20」で950点、「19」で900点…と、50点ずつ下げて「15」で700点までを目安に、順にカウントアップをこなしています。
ゼロワンとクリケット、どちらが得意ですか?
どちらも苦手意識はないのですが、明らかにクリケットの方が得意だと思っています。ブレイクできるのがクリケットで、逆にブレイクされるのがゼロワンという印象ですね。反省点でもあるんですが…。
やはりゼロワンはシュート力が必要ですし、クリケットは戦術で勝てる要素があります。僕は20にこだわりすぎる傾向があって、入らない時に19に切り替えればいいのに、それができないことが多くて…理由は自分でもはっきりわかりません(笑)。
これまでで特に印象に残っている試合はありますか?
やはり今回優勝した大分大会です。地元だったこともあり、僕が教えている若い子たちが会場でずっと応援してくれていて、すごく楽しい時間でした。

スティールダーツには取り組まれているのですか?
あまり投げていないですね。ソフトダーツの感覚に影響させたくないのと、これ以上遠征や試合で時間を取られると、家族との時間がなくなってしまうので…。それが一番大きな理由です。
尊敬しているプレーヤーはいますか?
西哲平プロです。僕がレーティング25くらいあった時でも、本番の試合では勝てなくて、彼からリーグに誘っていただいた年に、全国優勝も経験できました。うまいダーツと勝つダーツの違いを、そのリーグで学ばせてもらいましたし、ダーツに対する情熱も教えていただきました。
トリニダードとの契約はいつからですか?
プロになる前からですね。テスターとして契約したのはアマチュア時代で、たしか25歳くらいの時だったと思います。もう約15年になりますね。
トリニダードチームは強いメンバーが揃っていますよね。
そうですね。哲平さんが常に声をかけてくれているおかげで、チーム全体に「負けていられない」という良い緊張感があります。ライバル意識も持てていますね。
普段のお仕事についても教えてください。
兄が継いだ仏具屋を手伝っています。自由に時間が取れるので、ダーツに取り組めていて本当にありがたいです。感謝しかありません。
これからの目標をお聞かせください。
まずは、今年1回優勝できたので、今後は複数回優勝して年間チャンピオンを目指したいです。
では最後に、ファンの皆様に一言お願いします。
やっぱり応援が一番の力になります。YouTubeやSNSでも応援していただけると、もっと勝てる気がしています。引き続きよろしくお願いいたします!








