横浜にある老舗のダーツショップ「NOB」。約20年前から海外でダーツを仕入れていたという、正にダーツ界の今昔を知るオーナーの話は興味深い。
ソフトもハードも充実の品揃えで、どれも納得行くまで試投して選ぶことが出来る。こだわりのオリジナルダーツやグッズもあり、あらゆるレベルのプレイヤーから指示されているショップだ。京浜急行線戸部駅下車徒歩0分。
ダーツショップを始めたきっかけは?
以前は中華そば屋を経営していて、その傍らでダーツを売っていたんです。当時はショップではなく、仕入れた商品をお客さんを回って卸すというようなことを20年くらいやってました。
なぜダーツを売ろうと思ったのですか?
自分もたまにダーツを投げていたのですが、グッズが高いのでもっと安く手に入らないかと考えたのが始まりです。
どうやってグッズを仕入れたのですか?
知り合いでオートバイの買い付けをしている人がいたり、結婚して渡米した友人などがいたので、イギリスやアメリカでいろいろ探してもらいました。
そのうち中華そば屋をやめることになり、とりあえず生活のためにダーツショップを始めました。それが約4年前ですが、そろそろダーツがブームになりつつあるな、という時期でしたね。
ショップを始めた頃と今とではどのような変化がありますか?
売れ筋の違いはそれほどないと思います。ハロウズやユニコーンの3〜5,000円程度のダーツが一番売れてます。
強いて言えばハードは売れるようになりましたね。最近の傾向としては、70歳くらいのお客さんが買いに来るのですが、それはJDAなどが講習を行うせいでダーツに興味を持ち始めた年輩の方が増えているということではないかと思います。
それから女性のお客さんが増えてきました。最近はレディースプレイヤーのレベルもどんどん上がってますからね。
最近のダーツブームについてどう思われますか?
急激に広がりすぎたかな、できればもう少しゆっくり広まってほしかったですね。
急速なブームのせいで様々な企業やメーカーが色々な企画をしてますが、例えば外人プレイヤーなどが来日しても、だんだんありがたみがなくなってしまう。昔だったら大変なことなのに、「どうせ毎年見られる」みたいな…。
ダーツショップもかなりの数になってきて、うちは全国的に見てもそんなに高い方じゃないと思うけど、もう値段で勝負してもかなわなくなりました。とにかく細く長くやっていくしかないという感じですね。
プレイヤーについてはどうですか?
プレイヤーのレベルははるかに上がりましたね。ダーツ人口が圧倒的に増えたせいで、上手なプレイヤーもどんどん出てきています。個人的にはトッププレイヤーの中ではやはりワンタンはすごいと思います。今のダーツがあるのも、ある意味彼のおかげと言えるのではないでしょうか。最近のプレイヤーは知らないことだろうけど、昔は「ワンタンに勝ちたい」と目標にしてきたプレイヤーがたくさんいたんです。ワンタン自身も昔から今までずっとトップを保っている、これは並の努力ではないでしょう。
これからのダーツ界はどうなると思いますか?
ダーツ人口についてはこれから急激には増えないだろうけど、減りもしないと思います。例えば頻繁にプレイしていたけど結婚してしばらくやめたとしても、子育てが一段落したあたりからまた始めるとかね。体力的にもそんなにきついスポーツじゃないから年を取ってからも出来るわけです。
ダーツ業界については、ソフトもハードも1つの団体になってほしいです。1つの会費でどんな大会にも出場できるようになることがプレイヤーにとっては一番良いことだと思います。そうすればもっと技術も向上するだろうし、いろいろな意味でさらに盛り上がっていくのではないでしょうか。
年輩の人や子ども達のプレイヤーを増やすためにも、ダーツ業界がもっとまとまってほしいですね。
ノブオリジナル商品について教えて下さい。
世界に一つしかない自分のダーツが作りたくて、2年ほど前からオリジナルダーツの製作を始めました。これは図面を元にイギリスの職人がひとつひとつハンドメイドで作るので、出来上がりまで約1ヶ月かかり、大量生産はできません。図面はお客さんに持参していただくのですが、自分が作る自分のためのダーツとあって、中にはものすごい図面を描いてくる人もいますよ。
他にはダーツケースやチップ、シャフトなどもあります。
今後の展開についてはいかがですか?
ノブブランドのダーツを数種類イギリスで作ります。価格としては8,OOO円程度で今年の夏頃の発売を予定しています。
ノブの魅力と読者に一言お願いします。
ソフトもハードも品揃え豊富で、どれでも投げて選べます。わからないことはスタッフに何でも聞いて下さい。みんなでダーツをもっと楽しみましょう。