Vol.40 PDJ START 最後に

2009年11月

PDJ Presidents Interview

左:Garry Plummer Target社長 以下:P 右:森本 高仁 DMC社長 以下:M

予選2戦、ファイナルとたいへんだったでしょうが、終わってみていかがですか?
P:最高の気分です!それにしても、素晴らしい決勝戦でした。イギリスのPDCに匹敵するようなトーナメントを、日本で見られるとは思ってもいませんでした。

M:今年からスタートしたわりには大成功だと思っています。

よかった点、または改良すべきところなどありますか?
P:唯一改善すべきだったのはファイナルでのカメラの位置取りですね。フィニッシュのダブルを撮るためには、カメラは素早く動けなくてはならなんです。これはとても難しいんですよね。PDCでは、エリック・ブリストウとキース・デラーの二人で指示を出しています。
M:良かった点は日本のトッププレイヤーがたくさん参加してくれた事。悪かった点は予選で1位2位3位4位を確定させた事でしょうか。

300人以上が挑戦したようですが、満足していますか?
P:凄い数ですよね!そんなにたくさんの人が参加してくれたなんて、信じられませんでした。皆質の高いプレイヤーでした。PDCのイギリス予選でも、普通エントリーするプレイヤーは100人前後ですからね。

M:現在のトッププレイヤーの数を考えると満足しています。

コーラーのラス、PDC社長も来日しましたがそれについてはいかがですか?
P:彼らもPDJを熱く応援してくれて、凄くうれしかったです。ラスは世界一のコーラーですし、選手にアドバイスしてくれたりと、素敵な方でした。今回のトーナメントも心底楽しんでいたようです。マットは、会場の設営やトーナメントの運営、そしてプレイヤーの質が高い事に、とても感心していました。PDJトーナメントのステージに、マットとラスを迎えることが出来て最高でした。

M:コーラーのラス、PDCのマットの目の前で日本で一番強いプレイヤーを連れて行く事を証明出来たので大変感謝しています。

来年以降の企画などお聞かせください。
P:来年もまた予選トーナメントを二回、そして決勝を行う予定です。ハードダーツへの関心が高まっていることを考えると、来年のトーナメントは今年より更に大きなイベントになるでしょうね。

M:来年も今年同様に西日本、東日本予選を行いファイナルで決定させる予定です。

これからのPDJの抱負、希望、あり方について聞かせてください。
P:PDJはこれからも、日本のハードダーツシーンを盛り上げ続けて行きたいと思っています。私の望みは、今後2~3年の間に日本人プレイヤー数人が、PDCの世界レベルの大会で活躍するようになることです。そして叶うなら、いつの日か日本人世界チャンピオンに誕生して欲しいです!

M:確実に実績を作り選手の為にメインスポンサーを獲得し、世界に通用する選手を育てていきたいと思っています。

PDCのステージがまるで再現されたような大会だった。
会場は格式あるホテル、運営スタッフを初め関係者のほとんどはスーツ姿、舞台周辺には最新鋭の撮影機器が並び、設置された大スクリーンには、プレイヤーが狙うであろうターゲットがクローズアップされていく。
『THE VOICE』ことラス・ブレイのコールにより、それぞれの映像が流れる中、テーマ曲をBGMにプレイヤーが入場してくる様子は、まさにPDCのプロプレイヤーと同じだ。そして何よりも素晴らしいのは、どの選手もこの舞台にふさわしいプレイを繰り広げたこと。観客席のテーブルには『180』のプレートが置かれていたが、それが何回上がっただろうか。ラス氏のコメントにもあるように、本場でも十分通用する試合がいくつもあった。
初めてPDCの大会を見たのは2003年のアイルランドだったが、ダーツというスポーツの人気度や選手たちの高い位置付けにただ驚くばかりだった。その時はソフトが主流だった日本のダーツシーンとはかなりの差があり、日本人プレイヤーが同等に並ぶことはとても難しいだろうという印象だった。しかし実際は、わずか数年でここまで追いついてしまった。これはプレイヤーのみならず、彼らを取り巻くダーツ環境が大きく変化した証ではないだろうか。
PDCはダーツにおいての頂点である。今回決勝に残った8人が口を揃えて語っているが、他にも何百人ものプレイヤー達がこの頂点の舞台を目指している。その舞台に立つことが出来る唯一の切符『ワイルドカード』は、今までは誰もが挑戦できるものではなかった。様々な問題を克服し、そのチャンスを全てのプレイヤーに平等に与える道を作り、そしてここまでの舞台を作り上げたPDJ運営スタッフに改めて敬意を表したい。
今回、見事ワイルドカードを手にした村松選手は、実にユニークなキャラクターである。何人もの強豪を倒したダーツも素晴らしいが、彼の強さはもっと内面にあるのではないだろうか。終わった試合はほとんど覚えていないというその集中力を生かして、本場の舞台に圧倒されることなく、ぜひとも勝利を重ねていってほしい。そして日本人プレイヤーが世界で通用することを、目指せば夢の舞台も夢ではなくなることを、全ての日本人プレイヤーに見せてくれることを願う。
この大会によって、日本のダーツシーンが大きく前進したことは間違いないだろう。PDC社長のマシュー・ポーター氏が語るように、日本のダーツが世界のダーツの牽引力となることを信じて、プレイヤーも、業界もさらに努力を重ねよう。その先にはきっと明るい未来が待っている。