No.62 これからが正念場

2022年7月

ようやくコロナ禍の中で、少しずつ規制が緩やかになってきて、ほんの少しづつですが正常化している気がする人が多いでしょう。
これからが正念場というか、ダーツバーやアミューズメント場、各々の特色や魅力がより注視される時代が来るのではないでしょうかね。
それでなくても、外に必要以上に出歩かなくなっても新しい趣味を見つけたり、ダーツよりも面白いと思うことに目を向ける機会が2年間もあったわけですから、相当苦しい状況となる経営者とそれ以前からしっかりと常連ないしお店自体が発信出来ていた場所との「差」がどんどん開いていくような気がします。
そもそも、2019年までは「惰性」でダーツバー等に通っている人が全体の中で少なからずもいたような気がします。
規制が外れたとしても、以前のようなスタイルで継続することが必ずしも正解とは思いません。この2年間の間に大きく変わったユーザーのマインドセットをもう一度立ち戻らせることが、その店の「求心力」がどれだけ発揮出来るかがこの不安定な状態を乗り切れるファクターではないかと思っています。
そう考えると、以前のまま何も変わらずに営業しているお店というのは自然淘汰されていくでしょうし、ダーツというものに変わらない愛情を持っている人が相当数減少しているという事実を痛感している人は多いのではないしょうか。

それは業界の人間だけではなく、プレーヤー双方にとって心の中で引っ掛かっている懸念事項だと思います。
昔、イベントレッスンでよく言っていたのですが、「別に明日ダーツがなくなっても正直こまらないでしょ?」とよく言っていました。
それくらい、ナイトアミューズの中で確固たる地位を確立しきれなかったダーツをもっと楽しんでもらうように、せっかくやったんだから楽しくやってほしいという願いから問いかけていたのですが、まさか違った意味でこの言葉を、自分自身に突きつけられるとは夢にも思いませんでしたねぇ…。
その2年間で僕の中のダーツへの関わり方も大分変わってきたと思います。もっと、別のジャンルというか自分の“可能性を試すために語学的なスキルやその他のスキルを磨いて「サードキャリア」への布石を作りたいなと”思い始めてきましたし、実際にそちらの方に数少ない時間を費やすことの方が自分の人生を考えたときにより楽しく未来を想像出来るのはないかと、今は考えています。
このコラムでは本心を語ってきたつもりなので、「ダーツ熱が下がった」という解釈に捉えられてしまうのは承知の上で、「次のステップ」というものを見つけられた2年間だったのではないかなと思っています。

レッスン等の地味な活動は元々好きなので、続けていくとは思いますけど、地方でのレッスンというのは一年前から依頼を受けないことにしました。
まぁ、前から仲の良いところや旧知の仲の紹介以外は行かないようにしていたんですけど、ほぼ完全に行かないようにしようかなと。
理由は二つあり、この2年間での体力の衰えと出張レッスンってなんだかんだと時間がとられますから、その分自分のスキルの向上の時間に充てたいということ、あと一つの理由は土日にちゃんと休めるってこんなに良いものだったんだと数十年ぶりに気づいてしまったこと(笑)。
勿論、上述したように「ダーツ理論に対する向上心や教えるというスキル」というのはまだまだ勉強中ですし、あと5年もすれば他のスポーツと同じように「感覚で教えるものではなく、正しい筋肉の使い方、それもこの辺ではなくちゃんと具体的な筋肉名や神経および骨の名称等が説明出来ないと効率的かつ信頼感のあるアドバイスなんて過去のものとなる」と思っています。
それくらい今は、「オカルト的な理論」が横行していて、道具の使い方に対しても、すっ飛ばして「なぜカットが必要なのか・テーパーは適正であるのか」を説明出来る人は数人ではないかと思います。

トッププロだって、「自分の見解」で留めているだけで実際に人に教えるレベルに見る人は限られている。いや、そもそもトップ選手こそ感性が鋭いので、常人には出来ないことを教えている人が多いというのが実際です。
理論を押しつけるのは誰でも出来ます。昔から言っていますが「100人いたら、100人のフォームがあり、それを理解してその人に最適なアドバイスをすること」がレッスンではないのかなと思っています。

「正解」なんてないんです、動きには必ず「メリットとデメリット」が存在します。それをちゃんと伝えられる人ってあまりいないのが現状です。
「PDCの選手はこうしている」いやいや、その前にちゃんと基礎的動作が出来ていて、道具の使い方に熟知しているから出来ているのであって、それをスルーして最新理論なんてあり得ない。受け手側は余計に混乱を招き、そして悪循環にハマっていくだけです。
道具は大分進化していますが、使い手の脳がアップデートされていないことが多く見受けられます。まぁ、そこまで一般ユーザーは考えることはないんですけど、せめて道具の使い方の正しい知識は理解して欲しいかな。フィジカルな面ばかり指摘するのは簡単。変な箇所を指摘すれば良いだけですから。その根本原因を多角的に教えてあげないといけないのに、やってないんだよなぁ…この10年間。

というようにダーツ理論に関する熱や「試合に勝つためにどういうスキルや練習方法が効果的なのか」というのは相変わらず興味はありますが、もう50歳ですから、余命を考えて次のことにチャレンジするための勉強をしたいなあ、とこの2年間で気付かされました。
なんとなく、惰性というか忙しさや年の進みが早くてそういう部分に着目出来なかったですけど、色々な別のものに目を向けられるようになったので、また新しい教え方も出来るようになったし、これはこれで僕の中でいい2年間だったのかなと思っています。

このドップリとダーツ業界にハマっていた僕でさえ思うんだから、一般の方々はもっと色々なものに目を向けられていると思います。
この目を再び「やはりダーツって面白い」とか「このお店はいつ行っても飽きない」と思ってもらうには、ピンチでもあるしチャンスでもあるんですよね。
実際に、「先に動いていて先が読めているな」と思う人は沢山いますけどね。
急に大きな差を開かれないように注意しておいた方がいいと思います。とか言いながら、うちのDeepit.Laboも相変わらず募集まともにしていないんですけどね(笑)。興味のある方は無料レッスンが出来るので、是非遊びに来てくださいね。
多分、今までに聞いてたことない衝撃があるはずです(笑)。だから、あえてたどり着けた人だけでいいというのもあるんですけど(笑)。